公共交通は、地域における経済社会活動の基盤であり、住民の移動手段の確保、地域の活性化、環境問題への対応等わが国の重要な諸課題への的確な対応のためにも、その活性化は喫緊の課題となっています。
　このような状況を踏まえ、国土交通省では公共交通の活性化に向けた取り組みの一環として、平成１４年度に「公共交通活性化総合プログラム」制度を創設しました。各地域における公共交通機関のサービスの維持、サービス内容の拡充などに関する事案や課題について、運輸局が中心となりながら関係者とともに検討し、具体的な解決に向け合意形成を図りながら総合的な方策を策定してきたところです。さらに、平成１９年１０月には「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が施行され、市町村を中心とした地域関係者の連携による取り組みに対して、国の総合的な支援も始まっています。
　これまでに多くの取り組みが実施されている国の支援事業の事例を対象に、検討過程で苦労した点、工夫した点、上手くいった点などをヒアリング調査などで把握してきましたが、公共交通活性化に向けた検討のあり方について、いくつかのポイントを整理することができました。
　本冊子は、これら得られたポイントを、これからの公共交通の活性化に関するプロジェクトを進めていく上での『よりよい成果が得られるためのポイント』としてとりまとめたものです。今後各地域で様々な取り組みが実施される際、自治体や交通事業者を含めた関係主体は勿論のこと、広く公共交通に係わる方々のお役に立てば幸いです。