1.情報の共有化とコミュニケーション推進
 (1) 情報提供の改善
【関東地建】




 住民の方々にとってわかりやすい洪水予報とするため、従来の方式の大幅な見直しを行い、わかりやすいものへと改めました。主な改善点として、専門用語によらない平易な文章による表現、危険度合いの明確化、水位変化と予測水位のグラフ化などが挙げられます。
 平成11年度から関東で試行的に実施していますが、今後は全国へと拡大し、出水時における住民の方々の重要な情報源として活用できるよう努めていきます。




 洪水予報とは

あらかじめ指定した河川において、洪水が発生する恐れがある場合に、気象庁と建設省が共同で水防団、関係行政機関及び放送機関・新聞社等の協力を得て地域住民の方々へ発表する洪水注意報・警報等の洪水に関する情報です。



【目的:住民の方々にとってわかりやすい洪水予報】

指定水位、計画高水位等の専門用語が多いなど、わかりにくいと評判の悪かった河川の洪水予報を、わかりやすい文章に改めるなどにより、住民の方々にとってわかりやすい洪水予報とします。


【内容:危険度合いの明確化、水位変化と予測水位のグラフ化等】

・これまでは、いくつかの河川をも含んだ水系別にだされる上、「指定水位」「計画高水位」といった専門用語が使われていたため、防災無線等で呼びかけても、一般の人はどちらの水位を超えた方が危険なのか分かりにくいものでした。今回は水系毎ではなく河川毎において、氾濫の恐れがある水位を「危険水位」、警戒が必要な水位を「警戒水位」と二つの表現に整理し、危険の度合いをはっきりさせました。
・水位についても今の水位と予測水位だけの表示であったのを、水位の動向が一目でわかるよう、水位の変化や予測水位をグラフ化し、予報文につけることとしました。
・水位の観測所に市町村を記し、基準である地点の位置をわかりやすくしました。


【洪水予報の新旧比較】

従来方式
新方式
様 式
 水系別
 河川別
文 章
 定型の文章を○で囲む
 必要なことだけを文章化

用 語

 指定水位
 警戒水位
 計画高水位

 警戒水位
 危険水位
 減水
 下降中
水位の動き
 現状の水位と予測水位のみ
 「急上昇中」「横ばい」等の動向を加えた
過去の大雨との比較
 なし
 「今回の出水は○○年○月の台風○号を上回る」などと記述


【時間毎の水位変化を示したグラフ」(イメージ図)】



【洪水発表(例)】



【取り組み状況:平成11年度から関東で試行的に実施】

平成11年度は関東で試行的に実施し、7月に1河川、8月に4河川で洪水予報文を発表しました。平成12年度は全国で実施することとしています。


【期待される効果:住民の方々が避難するかどうかの目安として】

まだ試行段階であり把握はできていませんが、住民の方々が避難行動をするかどうかの目安として大きな効果があると期待されます。