2.社会資本に関する論点の明確化と臨機の対応
 (9) 長期計画策定への国民参加




 平成9年の河川法改正により、河川整備計画策定段階で幅広い意見の聴取が規定されました。平成11年12月には全国の一級河川6水系で新しい河川整備基本方針が策定され、これを受け、6水系の1つである大野川では、大野川の特性を活かした個性あふれる川づくりに向けてスタートしました。
 インターネットを通じて全ての人々が意見を言える「開かれた窓口」を設置するとともに、学識経験者から構成される流域委員会やNGO、環境アドバイザーなどとの意見交換を実施しています。
 このような幅広い意見の聴取を行い、これらを踏まえた河川整備計画を策定していきます。



【経緯:河川法の改正を受け、河川整備基本方針を策定し、地域の方々の意見を反映した河川整備計画の策定へ】

・平成9年に河川法を改正し、河川の整備に関する計画を河川整備基本方針と河川整備計画に分け、河川整備
 計画を策定する段階で河川管理者は学識経験者、関係住民、関係自治体の長の意見を聞くことを規定しました。
・平成11年12月には、全国の一級河川6水系で新しい河川整備基本方針を策定しました。また、他の一級河川
 でも順次新しい河川整備基本方針を策定していきます。今後、この6水系では、地域の意見を反映した
 河川整備計画を進めていくこととしています。

【一級水系の新しい河川整備基本方針】

水系名
 都道府県名
留萌川
 北海道
沙流川
 北海道
最上川
 山形県、宮城県
豊 川
 愛知県
由良川
 京都府、兵庫県
大野川
 大分県、熊本県、宮崎県
(平成11年12月策定)



大野川のケース
【九州地建】

【目的:住民をはじめ多くの方々からの意見を取り入れた個性あふれる川づくり】

大野川の特性を活かし、個性あふれる川づくりをするため、河川整備計画の原案を公表し、それに対して住民をはじめ様々な人々からの幅広い意見を聴取しています。

【インターネットを通じて全ての人々が意見を言える「開かれた窓口」の設置】

●川を知り、川に興味を持つことができる取り組みを実施しています。

・河川の現状を説明するパンフレットを作成す るとともに、ホームページに掲載しました。
・今後さらに大野川を知ってもらうため、平成 12年4月に地元説明会を開催しました。

●意見を持つ人が意見を言うことが出来る「開かれた窓口」を設置します。

・建設省大分工事事務所等に相談窓口を設置し、幅広い声を聴取しています。
・インターネットを通じて全ての人々が意見を言える機会を確保しています。
・地元説明会の開催にあたっては、新聞への掲載や自治会長への通知により周知を徹底しています。

【インターネット「ご意見箱」】



【学識経験者等から構成される流域委員会やNGO、環境アドバイザー等との意見を交換】

・バランスのとれた川づくりを進めるため、平成12年1月には河川工学、文化、生物、環境科学他様々な分野の学識経験者等から構成される流域委員会を設置し、河川の現状や大野川河川整備計画原案についての説明を行いました。また、2月には現地調査を行い、大野川河川整備計画策定に向け、大野川の川づくりについて議論を深めています。

・環境面等において、よりきめ細やかな川づくりを進めるため、大野川流域を広くネットワークするNGOや大野川の河川環境に関するアドバイザー等とも今後の川づくりについて意見を交換しています。

【現地調査の様子】



【今後の予定:住民、流域委員会、自治体の長などのより幅広い意見の聴取】

・住民からの幅広い意見聴取の徹底に努めるとともに、流域委員会等から幅広い意見を聴取し、これらを踏まえた河川整備計画案を策定します。

・関係自治体の長の意見を踏まえ、河川整備計画を策定します。