2.社会資本に関する論点の明確化と臨機の対応
 (10) 環境アセスメントの改善




 事業の実施にあたって環境保全への手続き面における配慮を確保するため、平成11年6月に施行された環境影響評価法に基づき、事業計画の早期段階でスコーピング手続きを導入し、調査・予測・評価の対象とする項目の選定等において住民の方々や専門家等の意見を聴取しています。




 スコーピング手続きとは

個別の環境影響評価について、関係者(地方公共団体及び環境保全の見地からの意見を有する住民の方々等)の意見を聴き、事業特性及び地域特性を勘案しながら、適切な環境影響評価の項目及び手法を選定するプロセスのことです。



【目的:事業の実施にあたって環境保全への手続き面における配慮を確保】

環境影響評価法では、大規模な開発事業の実施前に、事業が環境に及ぼす影響について調査、予測及び評価を行う環境影響評価が適切かつ円滑に行われるための手続きその他所用の事項を定めるとともに、環境影響評価の結果を踏まえ、事業の許認可等を行うことにより、事業の実施において環境の保全に適切な配慮がなされることを確保することを目的としています。


【内容:事業計画の早期段階で住民の方々や専門家等の意見を聴取】

できる限り早い段階から環境配慮を行うとともに、的確な環境影響評価その他の手続きを行うためのスコーピング手続きとして、対象事業に係る環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法等について環境影響評価方法書を作成し、この方法書を公告・縦覧(縦覧期間は一箇月間、意見聴取期間は、縦覧期間+2週間)により内容を公開し、住民の方々・専門家・行政等の外部の意見を聴取することによって、適切な項目及び手法を選定します。(環境影響評価法 第5条〜10条)



事例 一般国道9号 仁摩温泉津道路(仮称)
【中国地建】

【対象区間】

 邇摩郡仁摩町(にまぐんにまちょう)〜邇摩郡温泉津町(にまぐんゆのつまち)の延長約12km


【対象区間の概要】

 一般国道9号は、島根県を東西に通過する重要な幹線道路ですが、このうち仁摩〜温泉津間(島根県邇摩郡)は交通の隘路箇所(平面線形が悪い、トンネルが狭い)、防災対策箇所、交通事故多発区間などがあり、島根県における東西交流や地域の経済活動に大きな支障をきたしています。
 邇摩温泉津道路は、このような現状の問題点を解消し、災害時における緊急代替ルートの確保・観光拠点へのアクセス性の向上を図るとともに、日本海沿岸部における地方都市間の連携強化及び広域交流を促進し、日本海国土軸を形成する山陰自動車道の当面活用区間として整備を行う高規格幹線道路です。


【実施主体】

都市計画に定められる対象事業等に関する特例により実施(法39条〜46条)

・公告日    平成11年10月26日
・縦覧期間   平成11年10月26日〜平成11年11月25日
・意見受付期間 平成11年10月26日〜平成11年12月9日
・意見書総数  4件


【取り組み状況】

方法書に基づき住民の方々の意見も踏まえ、四季観測及び環境調査を実施中です。

【対象区間】