−記者発表資料− 平成11年6月21日 建   設   省   「公共事業へのプロジェクトマネジメント(PM)手法導入に関するビジョン」について



 公共事業については、公正さを確保しつつ良質なモノを低廉な価格でタイムリーに調達し、提供することが求められています。これは、例えば品質を良くすると工費が高くなる、あるいは工程が延びるというように、相互にトレードオフの関係にある各要素を適切にマネジメントする必要があることを示します。
 さらに大規模かつプロジェクトごとに条件の異なる公共事業においては、限られたコスト、リソースで効果的かつ効率的に事業活動を行っていく必要があり、ISO9000シリーズ及びISO14001などの品質、環境のマネジメントシステムのほか、コスト、スケジュール、リスク等の多くの要素を統合し、総合的にマネジメントしていくシステム(プロジェクトマネジメントシステム)を導入することが有効と考えられます。
 建設省においては、平成10年4月より大臣官房技術審議官を長とする「プロジェクトマネジメント研究会」を設け、公共事業へのプロジェクトマネジメント手法の導入について検討を行ってきています。なお、ここで対象とするプロジェクトマネジメント(PM)は、発注者・設計者・施工者の三者が一体となって、それぞれの立場から事業の効率化を目指して主体的に取り組むためのマネジメント手法です。
 この度、平成11年6月18日に行われた第3回研究会において、社会的背景や公共事業の現況、公共事業の将来像等を踏まえ、我が国の公共事業へのPM手法導入に関するビジョン(PMビジョン)を取りまとめました。その概要は次のとおりです。

1)PMビジョン
  取りまとめられた「PMビジョン」は以下のとおりです。
  『公共事業の顧客は国民であり、かつ公共事業の真の供給者も国民であるとの認識のもと、プロジェクトマネジメント(PM)手法を導入し、良 質な社会資本を低廉な費用で整備・維持するとともに、あわせて国民に対して説明する責任を果たす。

2)アクションプログラム
  平成16年度(2004年度)を目指してのアクションプログラムは以下のとおりです。
  公共事業へのPM手法導入の環境を整備するため、以下の項目を平成11年度から平成16年度(2004年度)までに検討します。
 ・PM手法の標準化(PM標準の作成、PMソフトの開発、PMシステムの開発)
 ・業務プロセスの検討(業務プロセスの検討、業務プロセス試案の策定)
 ・PM資格制度の導入
 ・PM教育と普及の実施(PMスキル体系モデル化、PM教育プログラム、PM教育研修実施)

   


 
 

 問い合わせ先 建設省大臣官房技術調査室