ISO9000シリーズパイロット事業の進め方
平成8年度のISO9000シリーズ適用パイロット事業は、以下のように進められた。
【建設省関東地方建設局の場合】
@工事発注の掲示
- 入札方式:公募型指名競争入札(施工計画審査タイプ)
- 工事発注の掲示においてパイロット工事である旨を示す。
- 技術資料作成要領の中で、品質システム文書に盛り込むべきISO9000シリーズに沿った「品質マニュアル」、「当該工事品質計画書」の全要求項目と、「作業手順書」作成に必要な参考資料を提示する。
A入札参加希望者の技術資料の審査
- 受注者がISO9000シリーズに沿った品質システムを構築・実施できる能力を有しているかを技術資料により審査する。
- 技術資料における「品質システム構築に係る事項」については、「品質マニュアル」、「作業手順書」、「当該工事品質計画書」の資料提出を求める。
- 既にJABをはじめとした認定機関の認定を受けた審査登録機関から認証を取得している入札参加希望者は、「品質マニュアル」、「作業手順書」については、認証の「登録証」の写しを提出し、これをもって事前の審査を免除する。
- 前記に該当しない入札参加希望者については、「品質マニュアル」のうち、特に品質管理上重要な項目について資料の提出を求める。また、「品質マニュアル」の提出項目に関する手順がマニュアル内に定められている場合は「作業手順書」の提出は求めない。但し引用している既存の手順書等があれば提出を求める。
- 「当該工事品質計画書」については、すべての入札参加希望者に対し、品質管理上重要な項目について資料の提出を求める。
B落札者に求める事項
- 工事着工前までに、ISO9000シリーズの全要求項目を満足する品質システム文書の構築を求める。
- 落札者は、発注者が品質システム文書を了承した後、構築した品質システムに沿って工事を実施する。
- 但し、既にJABをはじめとした認定機関の認定を受けた審査登録機関からISO9000シリーズの認証を取得している落札者は、既に認証済の「品質マニュアル」、「作業手順書」の提出をもって発注者の了承を得ることができる。認証されているシステムが、発注者の要求する項目をカバーしていない場合は、カバーしたシステムに修正し、了承を得ることとなる。
- 「当該工事品質計画書」については、認証取得の如何にかかわらず、全要求項目を満足する資料の提出を求める。
【日本道路公団の場合】
@工事発注の予告
- 入札方式:公募型指名競争入札(標準タイプ)
- 工事発注の予告においてパイロット工事である旨を示す。
- 応募資格要件:「平成7・8年度日本道路公団○○建設局指名競争参加有資格者」のうち、「□□工事」の「等級A」に格付けされている者とする。
A入札参加希望者の技術資料の審査
(ISO9000シリーズに関する資料提出は求めない)
B落札者に求める事項
(建設省と同様)
パイロット工事におけるISO9000シリーズの適用は、今後の公共工事等のISO9000シリーズの適用方法を規定するものではなく、パイロット工事を踏まえて公共工事への適用方法を検討するものである。
建設省本省のホームページ
| 技術情報|
ISO9000シリーズのホームページ