−記者発表資料−
平成10年1月8日
建 設 省
ISO9000シリーズ適用パイロット事業の今後の展開等について
建設省は、品質管理・品質保証システムの国際規格であるISO9000シリーズを、我が国の公共事業に適用することの意義、適用に当たって課題及び対応策等について、「品質・環境・労働安全衛生等に関する国際規格の公共工事への適用に関する調査員会」(委員長 大臣官房技術審議官)を設け、検討を進めている。
今般、ISO9000sの公共事業への適用に向けての平成10年度の取り組み方針についてとりまとめた。
パイロット事業については、平成8年度に「平成12年度(2000年度)以降、一定の範囲の工事におけるISO9000sの適用を視野に入れて、公共工事への適用方法を検討する」と公表しているように、平成10年度も引き続き継続・拡大する。
具体的には、平成10年度は、全地方建設局でパイロット事業を実施する。パイロット工事の工種については、これまで直轄工事としては実施していなかった 「ダム」・「PC橋梁」等についても実施するとともに、一般競争入札規模の工事への適用に努める。コンサルタント業務については、平成9年度の詳細設計業務への適用に引き続き、環境調査等の調査業務、測量・地質調査業務に適用する。
パイロット事業の効果・課題の把握調査を継続し、発注者・受注者が一体となった効率的な運用のため事業執行のあり方を含め検討を進める。
さらに、ISO9000sを公共工事等の入札条件とする場合の工事内容・規模、審査登録機関の認証条件(規格のNo.、審査登録機関が認証を受けている認定機関の範囲等)などについて検討を進める。
また、ISO9000sを取得している企業に対して、経営事項審査、競争参加者の指名等、企業評価への反映の方策について検討する。建設コンサルタント業務等については、平成12年度以降、プロポーザル方式による建設コンサルタント等の選定・特定の一要素として含めること等を検討する。
なお、平成9年11月にISO9000シリーズの公共工事への効果・課題を把握するため、「ISO9000シリーズ適用パイロット工事検討委員会」の下に「ISO9000シリーズ適用パイロット工事効果把握・課題検討部会」を設置し、業界団体等とともに検討を開始している。
問い合わせ先 建設省大臣官房技術調査室 |
ISO9000s適用パイロット事業の状況
公共工事を取り巻く環境の変化として、一般競争入札制度の導入、建設市場の国際化があり、公共事業の品質の確保の重要性が高まっている。また、品質を確保しつつコスト縮減を図るには、民間の技術を極力活かすことが重要であり、施工方法等について受注者に任せる部分を拡大することとなる。この結果、受注者の責任範囲の変化に対応して自己責任の強化と品質保証能力が重視されることになる。これらの品質確保の要請に対応すべく、品質マネージメントシステムであるISO9000sの運用を試行的に受注者に求める、ISO9000s適用パイロット事業を推進しているところである。
ISO9000sの認証取得件数、関係公団も含めたパイロット事業の実施状況を以下に示す。
1 ISO9000sの認証取得件数
我が国のJAB認定の審査登録機関によるISO9000sの認証件数は、1997年9月現在で、1年前の1996年9月(1846件)の1.8倍の3320件となっている。このうち、建設業について1996年9月に6件であったが、1997年9月には132件の取得件数に急増している。この結果、大手ゼネコンのほとんどが、いずれかの部署において、ISO9000sに沿った品質マネージメントシステムを運用するに至っている。
2 パイロット事業の実施
平成8年度から開始されたISO9000sパイロット工事は、直轄工事で平成9年度14件、公団・事業団関係は平成9年度17件が実施されるとともに、9年度より設計業務に対するパイロット事業も開始された。
なお、平成9年11月にISO9000シリーズの公共工事への効果・課題を把握するため、「ISO9000シリーズ適用パイロット工事検討委員会」の下に「ISO9000シリーズ適用パイロット工事効果把握・課題検討部会」を設置し、業界団体等とともに検討を開始している。
■調査対象及び実施件数
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建設省本省のホームページ | 技術情報| ISO9000シリーズのホームページ