事業者名 |
平成筑豊鉄道株式会社 |
事例名称 |
枕木オーナー制度 |
概要 |
施設保守費用のうち、枕木更換費用の一部を負担する、枕木の「オーナー」制度を創設 |
取組の様子 |

平成筑豊鉄道 |
協力者・関係者 |
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背景 |
平成元年の開業以来、運行本数の大幅増発、駅の増設などを積極的に行った結果、貨物輸送などもあったことから、好調な経営を続けてきたが、長引く景気の低迷に加え、沿線人口の減少、マイカーの普及などの要因により、近年は旅客数、貨物量ともに減少し厳しい経営状況となっている。その中で、今後、増大すると思われる施設保守費用のうち、枕木更換について、その費用の一部を負担する、枕木の「オーナー」になってもらう制度を企画した。 |
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内容 |
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対象路線:平成筑豊鉄道全線 |
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実施時期・期間:平成15年度実績 |
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第一回・・・7〜8月募集、9月更換作業
第二回・・・9〜11月募集、12月更換作業
第三回・・・12月〜2月募集、3月更換作業
以後、年4回のサイクルで実施予定。 |
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価格:5,000円(プレート代金含む) |
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実績:第一回301本、第二回193本、第三回39本、15年度計533本 |
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その他 |
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・オーナーになった枕木には、オーナーの印であるプレートを設置する。 |
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内容:文字の制限以外は基本的に自由で、鉄道に対する想いを書かれる者、各種記念、お店のPRで利用される者もいる。このように、「まくらぎオーナー」を実施することで、地域の皆様に鉄道の運営に参画してもらい、沿線地域とより一層の連携を強化することで鉄道、地域の活性化を目指すこととしている。 |
◇ |
鉄道事業者、沿線自治体の概要 |
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事業形態 :第一種鉄道事業者 |
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営業キロ :49.2km |
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輸送人員(平成14年度):2,404千人 |
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主な沿線自治体及び人口(平成15年3月末):直方市
60,021人、田川市 53,635人 |
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効果 |
当初は、マスコミ等のPRの効果と、関係企業などの申込み、各社員の営業等により、目標を上回る応募があった。第二回、第三回と申込み本数は減少したが、沿線の皆様からの申し込みが増え、「地域との連携」が浸透してきているものと考える。また、平成筑豊鉄道の推進協議会のHPに掲載したことなどから、遠方からの申込みもあった。 |
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増収実績 |
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申込みのあった533本については、オーナーからの入会金をそれぞれ枕木の更換費用の一部に充てた。実質の増収はないが、更換費用の一部をオーナーが負担しているため、経費節減効果がでている。 |
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増客実績 |
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直接的な増客は、数字としてあがってはいないが、プレート設置に伴い、普段利用しない者の来駅機会が増えたなどの効果は十分考えられる。 |
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周辺地域の活性化 |
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5000円でプレートが設置でき、「オーナー」になれる手軽さなどが受け、沿線でも話題を呼んでおり、文字などに制限をつけているが、実質的には「広告」として利用する者もいるなど、地域の核である「駅」を中心とした地域の活性化に、今後役立っていくものと考える。 |
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成功(失敗)理由 |
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一般の申込みは、「鉄道への愛着」「人生の節目の記念」などが多数あり、当初は氏名のみを考えていたが、社員から「還暦記念」などの意見が出て、それぞれ申込者の思いを刻むプレートとしたことが、魅力を高めたこと。 |
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プレートの大きさも駅ホームから見て、内容が判別できるよう考慮した。また、入会金については、「更換費用全額」なども考えたが、多くの方に興味を持ってもらい気軽に申し込んでもらうために、5000円と設定したこと。 |
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平成筑豊鉄道鰍フ並マクラギ(木マクラギ)は伊田線、田川線、糸田線の3線区で10万本敷設されており、毎年約3,000本更換、更換率として約3%程度の更換しか出来ないかった点を、枕木オーナー制の導入することにより、自治体と連携を取りながら地域住民との密着を図り、かつ列車運行上安全を確保することとしていること。 |
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年間で鉄道施設の修繕費予算は約5千万円程度であるが、これらをマクラギ更換以外にも投入しなければならないため、利用者に、枕木オーナー制の趣旨を理解してもらいながら、材料費だけでも負担してもらい、経費節減に結びつけていること。 |
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今後の課題 |
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管理について |
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「更換した枕木のオーナー」というのが基本であり、該当する枕木の次回更換までが「オーナー期間(約10年間)」とし、約10年間管理するために、各回毎に「オーナー名簿」を作製し、管理する。この名簿は担当者の管理と引継ぎが重要。 |
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オーナー制度について |
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現在のところ、駅構内以外の申し込みはほとんどない。本来更換したい駅間の枕木の「オーナー」が増えることを期待しているが、オーナーのニーズとしては「自分のプレートが見たい」という意見が大半を占めるため、今後は駅間の枕木が更換でき、プレートは駅構内に設置するという形を検討。 |
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お問い合わせ先 |
九州運輸局 |