鉄道

運転士の資質の維持向上策について(報告)

平成21年7月23日
 
 
  国土交通省鉄道局では、平成17年4月に発生したJR西日本福知山線の事故を契機に、運転士に起因する事故の防止を図るため、運転士の資質の維持向上策について検討を進めてきました。
 その結果、法令改正により、鉄道事業者等に対し運転士の資質の維持・管理などを義務付けるほか、より一層の運転士の資質向上策について、有識者による委員会において検討を進めてきました。
 その措置状況についてお知らせします。
 
 
1.運転士の資質の維持管理
 
 法令改正により、鉄道事業者に対し新たな義務付けを実施。
 
(1)平成18年3月に「鉄道事業法」を、同年7月に「鉄道事業法施行規則」を改正し、運転士の適性・知識・技能その他の資質の保持について、 安全管理規程に明記することを義務付けを行った。
 
(2)平成18年7月に「鉄道事業動力車操縦者資質管理報告規則」を制定し、運転士に必要な資質の確認及び管理状況を定期的に国に報告するよう義務付けを行った。
 
(3)平成18年3月に「鉄道事業法」を、同年7月に「鉄道事業法施行規則」を改正し、運転士の資質の保持を行う者として「運転管理者」、その補助を行うものとして「乗務員指導管理者」を選任し、「運転管理者」については国に届けるよう義務付けを行った。
 
(4)平成18年3月に「鉄道事業法」を、同年7月に「鉄道事業法施行規則」を改正し、乗務員その他の列車の運転に関する業務に従事する者の育成及び資質の維持に関する事項などを定めた「安全管理規程」を作成し、国へ届け出るよう義務付けを行った。
 
    等    
 
 
2.運転免許制度等の見直し
 
 
(1)平成18年7月に「動力車操縦者運転免許に関する省令」を改正し、動力車操縦者試験の筆記試験科目に「安全に関する基本的事項」を追加した。
 
(2)平成18年3月に「指定動力車操縦者養成所に対する指導基準の一部改正について」を通達し、指定養成所の学科講習の必須科目に「安全の基本」を追加した。
 
(3)平成18年7月に「動力車操縦者運転免許に関する省令」を改正し、指定養成所への立入検査を強化し、改善命令を明文化した。
 
(4)「運転士の資質向上検討委員会」において、運転士としての適性を効果的に判定するための新たな適性検査の必要性、有効性を検討した。
⇒(「3.「運転士の資質向上検討委員会」による検討」参照)
 
 
3.「運転士の資質向上検討委員会」による検討
各事業者の実施する運転士の養成や教育に関する支援として、平成21年3月に「運転士の資質向上検討委員会報告書」をとりまとめ、あわせて各事業者の自主的な資質向上に係る取り組みに資するよう「運転士の資質向上に関する事例集」を整理した。これらの報告書等を各事業者に送付し、運転士の養成や教育に係る業務の参考にするよう指導した。
 


お問い合わせ先

国土交通省鉄道局安全監理官付
電話 :03-5253-8111

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