1.地下水利用の現状


(1)地下水の利用用途

 地下水の利用用途は図−1.1のように整理されます。
 現在、地下水は生活用水(飲料用、調理用、浴用等)、工業用水(飲食品製造業、原料用、洗浄用、冷却 用等)、農業用水(農作物栽培用、温調等用)、養魚用水等、各種の用途に利用されています。また、この他にも都市蓄熱(ヒートポンプ、ヒートパイプ等) や、 湧水公園等の環境用水といった多様な用途に利用されています。
 


     ↑ 水質   飲料用------------------家庭用、商業 用(ミネラル ウォーター等)
     |(良質)  調理用------------------家庭用、営業用
     |      飲食品製造用------------酒類、清涼飲料、豆腐、菓子 類など
     |      工業用(原料)------------化粧品・生コンクリート製 造など
     |      工業用(製品処理・洗浄)--精密機器製造・染色など
     |      養魚用------------------うなぎ、あゆ、ます類 など
     |      農作物栽培用------------施設園芸(花きなど)・水耕 栽培など
地下水特性|      浴 用------------------銭湯など
     |      消雪用------------------消雪パイプ・ヒートポ ンプ、
     |                      ヒートパイプの利用など
     |      温調用------------------施設園芸(ハウスメロ ンなど)
     |                --------紡績・織物工業など     
     |                --------事務所用
     |      ※温調用とは、施設内の温度又は湿度の調整のため
     |       に使用される地下水をいう。
     | 水温   冷却用------------------プラスチック製造・ゴ ム製造・
     ↓(温度・恒温性)               化学工業など

            その他------------------湧水 公園、信仰対象、温 泉用、
                            鉱業用(天然ガス採取等)など

【資料】 国土交通省土地・水資源局水資源部「平成21年版 日本の水資源」(2009年)

図−1.1 地下水特性からみた用途の分布



(2)地下水利用の概況

 全国の地下水使用量の推移をみると、生活用水はほぼ横ばいとなっている一方、工業用水が減少傾向にあり、両者を合わせた都市用水全体は減少傾 向となっています。1995年(平成7年)以降は生活用水がほぼ横ばいのため、都市用水全体としては減少に転じています。また、農業用水について は、 1974年(昭和49年)と1985年(昭和60年)を比較すると、ほぼ横ばいで推移しています。

 

 【資料】 国土交通省土地・水資源局水資源部「平成22年版 日本の 水資源」 (2010年)

図−1.2 全国の地下水使用量の推移



 2006年の地下水使用量を用途別にみると、工業用水が36.6億m3(29.7%)と最も多く、次いで生活用水34.3億m3 (27.9%)となっており、農業用水33.0億m3(26.8%)養魚用水13.0億m3(10.5%)、建築用等6.3億m3(5.1%)と なっています。
 


表−1.1 全国の地下水使用状況(用途別割合、地下水依存率)

 
用  途
地下水使用量
(億m3/年)
 地下水用途別
 割合 (%)
全水使用量
(億m3/年)
地下水依存率
(%)
 1.生活用水      34.0      27.8      157.0      21.7
 2.工業用水      36.3      29.6      127.8
     28.4
 3.農業用水      33.0      27.0      546.2
      6.1
 1〜3 合計      103.3      84.4      831.0
     12.4
 4.養魚用水      12.6      10.3
 5.建築物用等        6.5       5.3
 1〜5 合計      122.4     100.0
(注)1.生活用水及び工業用水(2007年度の使用量)は国土交通省調べに よる推定。
   2.農業用水全使用量は国土交通省推計。農業用地下水は「第4回農業用地下水利用実態調査 (1995年10月
     〜1996年9月調査)」(農林水産省)による。

   3.養魚用水は国土交通省水資源部調べによる推定。
   4.建築物用等は環境省「全国の地盤沈下地域の概況」によるもので、地方公共団体(31都道 府県)で、条例等
     による届出等により把握されている地下水利用量を合計したものである。
   5.四捨五入の関係で集計が合わない場合がある。