豊川水系における

水資源開発基本計画


 
平成18年2月17日 閣議決定
平成18年2月28日 国土交通省告示第313号

 

 

1 水の用途別の需要の見通し及び供給の目標

豊川水系に各種用水を依存している静岡県及び愛知県の諸地域において、平成27年度を目途とする水の用途別の需要の見通し及び供給の目標はおおむね次のとおりである。

また、経済社会の諸動向並びに水資源開発の多目的性、長期性及び適地の希少性に配慮しつつ、これらを必要に応じて見直すものとする。

(1)  水の用途別の需要の見通し

水の用途別の需要の見通しは、計画的な生活・産業基盤の整備、地下水の適正利用、合理的な水利用等を考慮し、おおむね次のとおりとする。

豊川水系に水道用水または工業用水を依存している諸地域において、水道事業及び工業用水道事業がこの水系に依存する需要の見通しは毎秒約6.1立方メートルである。このうち、この水系に水道用水を依存している愛知県の諸地域において、水道事業が依存する需要の見通しは毎秒約4.5立方メートルであるとともに、この水系に工業用水を依存している静岡県及び愛知県の諸地域において、工業用水道事業が依存する需要の見通しは毎秒約1.6立方メートルである。

また、豊川水系に農業用水を依存している愛知県東三河地域において、農業生産の維持及び増進を図るために増加する農業用水の需要の見通しは毎秒約0.3立方メートルである。

(2)  供給の目標

これらの水の需要に対し、近年の降雨状況等による流況の変化を踏まえた上で、地域の実状に即して安定的な水の利用を可能にすることを供給の目標とする。このため、2に掲げる施設整備を行う。

2に掲げる水資源開発のための施設とこれまでに整備した施設等により、供給が可能と見込まれる水道用水及び工業用水の水量は、近年の20年に2番目の規模の渇水時における流況を基にすれば毎秒約6.5立方メートルとなる。なお、計画当時の流況を基にすれば、その水量は毎秒約7.9立方メートルである。

また、農業用水の増加分である毎秒約0.3立方メートルを設楽ダムにより供給する。

   

2 供給の目標を達成するため必要な施設の建設に関する基本的な事項 

先に示された供給の目標を達成するために次の施設整備を行う。

なお、経済社会情勢の変化を踏まえ、今後も事業マネジメントの徹底、透明性の確保、コスト縮減等の観点を重視しつつ施設整備を推進するものとする。

(1) 設楽ダム建設事業  

 

事業目的

この事業は、洪水調節及び流水の正常な機能の維持を図るとともに、愛知県東三河地域の農地に対して必要な農業用水及び愛知県の水道用水の確保を行うものとする。  

事業主体

国土交通省  

河川名

豊川

新規利水容量

約1,300万立方メートル

(有効貯水容量約9,200万立方メートル)

予定工期

昭和53年度から平成32年度まで

 

(2) 豊川用水二期事業

 

事業目的

この事業は、静岡県湖西地域及び愛知県東三河地域の農地に対して必要な農業用水の確保及び補給、愛知県の水道用水の確保並びに静岡県及び愛知県の工業用水の確保を行う豊川用水施設の幹線水路等の老朽化等に対処するため、同施設の改築を行うものとする。  

事業主体

独立行政法人 水資源機構

河川名

豊川

最大取水量

大野取水口において毎秒30.0立方メートル

牟呂松原取水口において毎秒8.0立方メートル

予 定 工 期

平成 11年度から平成20年度まで

   

3 その他水資源の総合的な開発及び利用の合理化に関する重要事項

(1) この水系に各種用水を依存している諸地域において、適切な水利用の安定性を確保するため、需要と供給の両面から総合的な施策を講ずるものとする。

 

(2) 水資源の開発及び利用に当たっては、水源地域の開発・整備に加え、上下流の地域連携を通じた地域の特色ある活性化を図ること等により、関係地域住民の生活安定と福祉の向上に資するための方策を積極的に推進するとともに、ダム周辺の環境整備、水源の保全かん養を図るための森林の整備等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

 

(3) 水資源の開発及び利用に当たっては、流域での健全な水循環を重視しつつ、治水対策、河川環境の保全及び水源地域から下流域を含めた適正な土砂管理に努めるとともに、既存水利、水産資源の保護等に十分配慮するものとする。

 

(4) この水系に各種用水を依存している諸地域の一部では、過去に沿岸部において地下水の採取により塩水化が発生したこと、また、依然として地下水への依存度が高いことから、安定的な水の供給を図りつつ、地下水の適正利用のために地下水位の観測や調査等を引き続き行うこととする。

 

(5) 水資源の開発及び利用の合理化に当たっては、次の施策を講ずるものとする。

@ 漏水の防止、回収率の向上等の促進を図るとともに、節水の普及啓発に努めるものとする。

A 生活排水、産業廃水等の再生利用のための技術開発等を推進し、その利用の促進を図るものとする。

B 土地利用、産業構造等の変化に対応し、既存水利の有効かつ適切な利用を図るものとする。

 

(6) 渇水に対する適正な安全性の確保のため、水の循環利用のあり方、各利水者の水資源開発水量等を適正に反映した都市用水等の水利用調整の有効性等及びこれまでの地域における水利用調整の考え方等について総合的に検討し、その具体化を図るものとする。

 

(7) 水資源の総合的な開発及び利用の合理化に当たっては、水質及び自然環境の保全に十分配慮するとともに、水環境に対する社会的要請の高まりに対応して水資源がもつ環境機能を生かすよう努めるものとする。

 

(8) 本計画の運用に当たっては、各種長期計画との整合性、経済社会情勢及び財政事情に配慮するものとする。



国土交通省 土地・水資源局 水資源部
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