豊川水系における

水資源開発基本計画


 
平成11年4月2日 閣議決定
平成11年4月7日 総理府告示第20号


1 水の用途別の需要の見通し及び供給の目標

 この水系に各種用水を依存する見込みの静岡県及び愛知県の諸地域に対する21世紀の初頭に向けての水需要の見通し及び供給の目標については、経済社会の諸動向並びに水資源開発の多目的性、長期性及び適地の希少性に配慮しつつ、この水系及び関連水系における今後の計画的整備のための調査を待って順次具体化するものとするが、平成12年度を目途とする水の用途別の新規需要の見通し及び供給の目標は、おおむね次のとおりである。

(1) 水の用途別の需要の見通し
 水の用途別の需要の見通しは、計画的な生活・産業基盤の整備、地下水の適正利用、合理的な水利用、この水系に係る供給可能量等を考慮し、おおむね次のとおりとする。

 水道用水については、この水系の流域内の諸地域及び流域外の愛知県の一部の地域における水道整備に伴う必要水量の見込みは、毎秒約 2.3立方メートルである。
 工業用水については、この水系の流域内及び流域外の諸地域における工業用水道整備に伴う必要水量は見込まれない。
 農業用水については、この水系の流域内の諸地域及び流域外の愛知県の一部の地域における農業基盤の整備その他農業近代化施策の実施に伴う必要水量の見込みは、毎秒約 3.1立方メートルである。
(2) 供給の目標
 これらの需要に対処するための供給の目標は、毎秒約 5.4立方メートルとし、このため2に掲げるダム、多目的用水路その他の水資源の開発又は利用のための施設の建設を促進するとともに、新たな上流ダム群等の開発及び利用の合理化のための調査を推進し、その具体化を図るものとする。
2 供給の目標を達成するため必要な施設の建設に関する基本的な事項

 上記の供給の目標を達成するため必要な施設のうち、取りあえず新規利水量毎秒約 4.1立方メートルの確保を目途として、次の施設の建設を行う。

(1) 設楽ダム建設事業
事業目的  この事業は、洪水調節及び流水の正常な機能の維持を図るとともに、愛知県東三河地域の農地に対し必要な農業用水及び愛知県の水道用水の確保等を行うものとする。
事業主体 建設省
河川名 豊川
予定工期 昭和53年度から
(2) 豊川総合用水事業
事業目的  この事業は、大島ダム、取水施設、調整池及び水路等を建設することにより、愛知県東三河地域の農地に対し必要な農業用水の確保及び補給並びに愛知県の水道用水の確保を行うものとする。
事業主体 水資源開発公団
河川名 豊川、宇連川及び大島川
大島ダム 約11,300千立方メートル
新規利水容量 (有効貯水容量約11,300千立方メートル)
予定工期 昭和52年度から平成13年度まで


 この他、既に完成している豊川用水施設の改築を行う。

(1) 豊川用水施設緊急改築事業
事業目的  この事業は、静岡県湖西地域及び愛知県東三河地域の農地に対し必要な農業用水の確保及び補給並びに愛知県の水道用水並びに静岡県及び愛知県の工業用水の確保を行う豊川用水施設の老朽化等に対処するため、同施設の改築を行うものとする。
事業主体 水資源開発公団
河川名 豊川及び宇連川
最大取水量 大野取水口における取水量毎秒30.0立方メートル
牟呂松原取水口における取水量毎秒8.0立方メートル
予定工期 平成元年度から平成10年度まで
(2) 豊川用水二期事業
事業目的  この事業は、静岡県湖西地域及び愛知県東三河地域の農地に対し必要な農業用水の確保及び補給並びに愛知県の水道用水並びに静岡県及び愛知県の工業用水の確保を行う豊川用水施設の幹線水路等の老朽化等に対処するため、同施設の改築を行うものとする。
事業主体 水資源開発公団
河川名 豊川
最大取水量  大野取水口における取水量毎秒30.0立方メートル
牟呂松原取水口における取水量毎秒8.0立方メートル
予定工期 平成11年度から平成20年度まで
 なお、上記の4事業の事業費は、洪水の防除、流水の正常な機能の維持等に係る分を合わせて約3,000億円と見込まれる。

3 その他水資源の総合的な開発及び利用の合理化に関する重要事項
 
(1)  この水系の河川による新たな水需要の充足を図り、適切な水需給バランスを確保するために、事業の促進に努めるとともに、関連水系を含めた水資源の開発及び利用について総合的な検討を進め、積極的な促進を図るものとする。
(2)  水資源の開発及び利用を進めるに当たっては、水源地域の開発・整備を図ること等により、関係地域住民の生活安定と福祉の向上に資するための方策を積極的に推進するとともに、ダム周辺の環境整備、水源の保全かん養を図るための森林の整備等必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(3)  水資源の開発及び利用に当たっては、治水対策及び流水の正常な機能の維持に十分配慮するとともに、既存水利、水産資源の保護等に十分配慮するものとする。
(4)  この水系においては、現在厳しい水利用状況にあり、また、水資源の開発及び利用は、将来高度な状態に達することが考えられるので、次のような水利用の合理化に関する施策を講ずるものとする。
@  漏水の防止、回収率の向上等の促進を図るとともに、浪費的な使用の抑制による節水に努めるものとする。
A  生活排水、産業廃水等の再生利用のための技術開発等を推進し、その利用の促進を図るものとする。
B  土地利用及び産業構造の変化に対応し、既存水利の有効適切な利用を図るものとする。
(5)  近年、降雨状況等の変化により利水安全度が低下し、しばしば渇水に見舞われている。また、生活水準の向上、経済社会の高度化等に伴い、渇水による影響が増大している。このようなことから、渇水に対する適正な安全性の確保のため、各種方策の有効性等について総合的に検討し、その具体化を図るものとする。
(6)  水資源の総合的な開発及び利用の合理化に当たっては、水質及び自然環境の保全に十分配慮するとともに、水環境に対する社会的要請の高まりに対応して水資源がもつ環境機能を生かすよう努めるものとする。
(7)  本計画の運用に当たっては、各種長期計画との整合性、経済社会情勢及び財政事情に配慮するものとする。



国土交通省 土地・水資源局 水資源部
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