福島県只見町で「第10回全国水の郷サミットinただみ」を開催

土地・水資源局 水源地域対策課





水の郷百選と水の郷サミット

 日本の各所に、豊かな水に恵まれた地域、産業や生活が水と切り離せない地域が数多くありますが、平成7年からそうした地域を 107 選んで 「水の郷百選」 としています。いずれも固有の水文化や優れた水環境を誇る場所です。
 水の郷百選の市町村は「全国水の郷連絡協議会」に結集し、情報交換や世間に水の価値の重要性を訴える場として、水の郷サミットを毎年開催しています。
 今年は記念すべき第10回で、10月6日に 福島県只見町 で「第10回全国水の郷サミットinただみ」が開催されました。以下、その概要をご紹介します。

福島県只見町

 只見町は 福島県の西南端、越後山脈の東側 にある人口5千3百人の緑と水と心のふるさとです。町面積の94%を占める山地には 世界遺産級といわれるブナの原生林 があり、町の北西部を流れる只見川では、日本トップクラスの総出力を誇る 田子倉ダム の発電所が首都圏に向け電力供給を行っています。只見川は下流では阿賀野川となり、新潟市で日本海に注いでいます。

只見川とブナ原生林田子倉ダムから3q下流の只見ダムを望む

第10回全国水の郷サミットinただみ

 今回のサミットは、協議会会員の19市町村からの参加者、地元の住民、小中学生等約3百人が出席して、只見町のホテル 季の郷湯ら里 で開催されました。
 小沼昇只見町長の開会挨拶の後、当省の水源地域対策アドバイザーでもある堀和夫氏が「水源地域対策特別措置法施行30年」を講演されました。ダム事業の経験を踏まえつつ、若々しいお話ぶりと話題設定が聴衆を驚かせました。
 続いてテレビでもおなじみの「ケルト系日本人」C.W.ニコル氏が「人と自然との共生」と題して講演されました。イギリスは南ウェールズでの少年時代、カナダ北部の大自然の中で観測のために長期に生活した際のこと、ケニアでの自然保護活動、空手修行に来た日本で見た自然の多様性、その日本での自然保護活動での奮闘ぶりなどを熱く語っていただき、会場は大いに湧きました。

特別講演を行うC.W.ニコル氏

 後半は地元の3つの中学の生徒たちから、自主研究の成果が発表されました。いずれもレベルの高い、ユニークな内容でしたが、堂々たる発表ぶりとニコル氏からコメント、激励を受けた際のはにかんだ姿との対比が印象的でした。

中学の生徒たちによる研究発表

 閉会式では緑色の帽子と服の小学生から「水の郷宣言」が読み上げられました。
 最後に、東京都の馬場日野市長から次期開催予定地としての抱負が述べられ、今年のサミットは無事閉会しました。
 なお、この17日後に、会場から約40kmの地点を震源として新潟県中越地震が発生しました。サミットが運良く開催できたことに感謝するとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、一刻も早い復興を願うものであります。




明和緑の少年団による水の郷宣言の朗読

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