国土交通省水資源部
The 3rd World Forum 第3回世界水フォーラム
 
日本の海外協力


    (1) 経済協力・技術協力等の現状

     1999年(平成11年)の我が国における政府開発援助(ODA)実績は、約154億ドルであり、1991年(平成3年)以来9年連続して世界第1位のODA供与国となっているが、水資源の開発、供給・利用の分野においても、円借款、無償資金協力、技術協力、開発調査等様々な協力が行われている。

    1)水資源開発
    • 河川水

       水資源開発として河川水を対象に行ってきた協力は、発電用水を主目的としたものが多い。
      エネルギー分野については1999年(平成11年)は12.5億ドル(二国間援助の9.0%)の支援が行われている。
      発電用水の主な開発に関しては、1999年度は、円借款としては8事業が実施されるともに、開発調査としては6調査について調査団が派遣された(表11-2-1)。
       また、世界の水使用量(生活、工業、農業用水)の内の約8割は河川水を水源としており、多目的ダム等の開発に対する協力のなかにも、都市用水や農業用水としての使用を目的とするものが多く実施されるようになってきている。さらに、流域での水資源開発計画に関する開発調査協力も多く実施されており、1999年度には円借款として1事業が実施され、開発調査として12調査について調査団が派遣されている(表11-2-2)。

      表11−2−1 発電用水に関する主な事業

      円借款 インド
      スリランカ
      パキスタン
      ベトナム
      ペルー
      インドネシア
      インドネシア
      ヴィエトナム
      ダウリガンガ水力発電所建設事業(II)
      ククレ水力発電事業
      ガジ・バロータ水力発電所建設事業(II)
      ハムトアン・ダーミー水力発電所建設事業
      ユンカン(バウカルタンボ II)水力発電所建設事業
      多目的ダム発電事業
      アッパーチソカン揚水発電事業
      ダニム水力発電所改修事業
      開発調査 ブータン
      中国
      ラオス
      ネパール
      ヴィエトナム
      カメルーン
      プナチャンチュ水力発電事業計画
      金安橋水力発電開発計画調査
      ナムニアップ1水力開発計画調査
      ベリ・ババイ水力発電計画調査 II
      ドンナイ川中流ドンナイ第3、第4連係水力発電計画調査
      小水力発電による農村電化開発調査 II

      (注)
      1. 円借款、無償資金協力については、「我が国の政府開発援助の実施状況(1999年度)に関する年次報告」による。いずれも1999年度分である。
      2. 開発調査については、「国際協力事業団年報2000」による。1999年度中に調査団の派遣を実施した案件である。

      表11−2−2 水資源開発に関する主な事業

      円借款 スリランカ カル河水源開発給水拡張事業
      開発調査 中国
      インドネシア
      タイ
      パキスタン
      イラン
      ジョルダン
      モロッコ
      シリア
      象牙海岸
      ブラジル
      ペルー
      マケドニア
      ムンダ多目的ダム計画調査
      スマラン地域治水・水資源開発計画調査
      コク・イン・ナン導水計画調査 II
      ムンダ多目的ダム計画調査
      テヘラン首都圏水資源開発・管理計画調査
      水資源管理計画調査
      地方水資源開発計画調査
      北西部・中部水資源開発計画調査 II
      全国総合水資源管理計画調査
      セルジッペ州水資源開発計画調査
      カニェテ川水資源総合開発計画調査
      全国総合水資源開発・管理計画調査

      (注)
      1. 円借款、無償資金協力については、「我が国の政府開発援助の実施状況(1999年度)に関する年次報告」による。いずれも1999年度分である。
      2. 開発調査については、「国際協力事業団年報2000」による。1999年度中に調査団の派遣を実施した案件である。


    • 地下水

       地下水開発のために行っている協力としては、協力対象地域での必要水量、開発可能量、水質、環境への影響、その他の問題点の把握等が行われている。(表11-2-3)。

      表11−2−3 地下水開発に関する主な事業

      無償資金協力 ケニア

      ボリビア

      地方地下水開発計画

      第二次地方地下水開発計画

      開発調査 バングラディシュ
      カンボディア
      マレイシア
      ヴィエトナム
      カーボ・ベルデ
      中央アフリカ
      ナミビア
      北西部地下水開発計画調査
      南部地下水開発計画調査
      新首都圏地下水資源・環境管理計画調査
      北部地方地下水開発計画調査
      サンティアゴ島地下水開発計画調査
      バンギ市地下水開発計画調査
      スタンプリート地下水開発・管理計画調査

      (注)
      1. 円借款、無償資金協力については、「我が国の政府開発援助の実施状況(1999年度)に関する年次報告」による。いずれも1999年度分である。
      2. 開発調査については、「国際協力事業団年報2000」による。1999年度中に調査団の派遣を実施した案件である。

    • 海水淡水化

       海外においては、海水淡水化施設は、1999年(平成11年)末現在で、設備能力は2,591万m/日に達しており、地域別では、中近東が1,247万m/日と、全世界の48.1%を占めている。また、方式別では、蒸発法が1,283万m/日(全体の49.5%)、逆浸透法が1,159万m/日(全体の44.7%)となっている。
      海水淡水化施設の海外での普及に当たっては、これまでも、対象地域においてプラント導入のためのフィージビリティ・スタディや、プラントに対する技術指導等を行ってきている。


    2)水供給・利用
    • 水道用水

       1999年(平成11年)においては、「水供給及び衛生」分野でアジア、アフリカをはじめ世界15カ国に対し、無償、円借款等により合計で7.94億ドル(二国間援助の5.8%)の支援を行ったが、この内のおよそ半分は水道に関する事業である。また、更に1998年度に決定された協力により、約2000万人が居住する地域に対して安全な水の供給のための協力が行われる予定である。
       協力の内容としては、上水道の分野について、円借款や無償資金協力による浄水場・上水道網の整備等が実施されている。(表11-2-4)。

      表11−2−4 水道に関する主な事業

      円借款 インド
      インド パラグアイ
      チュニジア
      ペルー
      コロンビア
      フィジー
      ペルー

      バンガロール市上下水道整備事業
      チェンナイ市上下水道整備事業
      アスンシオン上水道整備事業
      北部地域導水・灌漑事業
      リマーカヤオ上下水道整備事業
      アグアプランカ上下水道整備事業
      ナンディ・ラウトカ地域上水道設備事業
      地方上下水道整備事業

      無償資金協力

      ヴィエトナム
      ウガンダ
      ギニア
      グァテマラ
      ニカラグァ
      パレスチナ
      ホンデュラス
      マリ
      モロッコ

      ハイズォン市上水道拡充計画
      地方給水計画
      沿岸地方給水計画
      地方浄水場復旧計画
      第2次マナグア市上水道施設整備計画
      第一次西岸北部地区上水道整備計画
      テグシガルパ市上水道復旧計画
      カチ・クリコロ・カンガバ地区給水計画
      プレ・リフ地方飲料水供給計画

      開発調査 カンボディア
      ラオス
      フィリピン
      スリ・ランカ
      チュニジア
      タンザニア
      ホンデュラス
      シェムリアップ市上水道整備計画調査
      北西部村落給水・衛生改善計画調査
      鐇サヤ・ミンヒ_ナオ地方水供給・衛生計画策定支援調査
      コロンボ市上水道改修事業実施設計調査
      地方給水事業実施設計調査
      南部地域水供給計画調査
      テグシガルパ市水供給計画調査

      (注)
      1. 円借款、無償資金協力については、「我が国の政府開発援助の実施状況(1999年度)に関する年次報告」による。いずれも1999年度分である。
      2. 開発調査については、「国際協力事業団年報2000」による。1999年度中に調査団の派遣を実施した案件である。

    • 工業用水

       東南アジア等の発展途上国においては、経済・社会活動の急激な拡大に伴い、工場における水使用量が増大し、工場から排出される産業廃水による水質汚染が大きな社会問題になっている。
       そこで、我が国がこれまで蓄積してきた排水処理、水使用合理化及び水再生利用技術等の水質汚濁防止に係る豊富な経験を元にして、発展途上国における水質汚濁に係る情報収集及び技術協力ニーズの発掘を行い、それをもとに各国の実情に合致した新たな技術の開発、移転及び普及等を行ってきている。
       具体的には、研究協力として、タイ、インドネシア、マレイシアを対象に、水質汚濁等の要因である産業有機廃水中の有機物質を低廉かつ簡易に処理するための嫌気性処理システムの研究開発を行うとともに、フィリピンを対象に、水資源の有効利用及び水質汚染の改善を図るための、活性炭等を用いた低廉で簡易な産業廃水処置・再利用技術の開発等を行っている。この他、各地域を対象に、研修生の受け入れ、セミナーの開催等を行っている。

    • 農業用水

       農業農村開発分野における国際社会への貢献は、1951年(昭和26年)の国際かんがい排水委員会への加盟に始まり、1959年(昭和34年)にブラジル、キューバにかんがい専門家を派遣し本格化している。たとえばインドネシアに対する農業農村開発協力では、1967年(昭和42年)のかんがい専門家の派遣に始まり、長期派遣専門家、プロジェクト方式技術協力、無償資金協力等の協力が実施され、米の増産を目的としたかんがい開発に関する協力やかんがい施設の建設・改修等が引き続き行われてきている。


    (2) 二国間交流の現状

     水資源に関する多くの分野において関係各省庁で中国や韓国等との二国間交流が行われ、成果をあげている。この中で国土交通省水資源部がかかわっているものとしては、「日中水資源交流会議」及び「日韓国土計画分野協力会議」等(参考 II-2)がある。


    (3) NGOを通した協力

     NGO事業補助金は、日本のNGOが開発途上国で行う開発協力活動に対して、事業費の一部を補助する制度であるが、補助対象事業の内、生活環境事業、地域総合振興事業等において井戸建設、給排水対策活動に支援を行っている。
    2000年度では、10カ国で活動した6団体に対し約5,700万円の補助金を交付した。

      表11−2−5 井戸・給排水関係事業に関するNGO事業

      ミャンマー
      バングラディシュ
      ネパール
      カンボディア
      エティオピア
      ユーゴスラビア
      ヴィエトナム
      ザンビア
      カンボディア
      インド
      ケニア
      環境保全事業
      地域総合振興事業
      地域総合振興事業
      地域総合振興事業
      地域総合振興事業
      地域総合振興事業
      地域総合振興事業
      女性自立支援事業
      保健衛生事業
      地域総合振興事業
      地域総合振興事業

      (注) 外務省資料による。




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