平成10年地価公示に基づく平成9年の地価動向の特徴について
平成10年3月26日
国土庁土地局
平成9年1年間の全国の地価の状況を概観すると、
・大都市圏においては、
(1)住宅地はほぼ横ばいとなっており、商業地は、1割以上の下落が6年連続していたが、今回は1割未満の下落となった。
(2)地域ごとの動向を見ると、
@住宅地は、ほとんどの地域で下落幅が縮小し、特に東京都区部都心部及び大阪市中心6区において下落幅が著しく縮小した。
A商業地はほとんどの地域で下落幅が縮小した。特に東京都区部都心部において下落幅が著しく縮小し、一部の高度商業地では7年振りに上昇に転じる地点が現れた。
・地方圏においては、
住宅地は横ばい、商業地は6年連続して1割未満の下落となっている。
1.東京圏の概況
東京圏の地価は、
・住宅地は、大半の地域で下落幅が縮小し、東京都、神奈川県においてはほとんどの地域でわずかな下落となった。特に東京都区部都心部においては下落幅が著しく縮小した。
・商業地はほぼすべての地域で下落幅が縮小し、千葉県を除くほぼすべての地域では年間1割未満の下落となっている。特に東京都区部都心部においては下落幅が著しく縮小した。
(1)東京都
住宅地は、区部北東部では年間1割未満の下落、それ以外の地域ではわずかな下落となっている。
商業地は、年間1割未満の下落となっている。
(2)神奈川県
住宅地はわずかな下落、商業地は年間1割未満の下落となっている。
(3)埼玉県及び千葉県
住宅地は、年間1割未満の下落となっている。
商業地は、埼玉県の東京近接地域では年間1割未満の下落、それ以外の地域では年間1割以上の下落となっている。
2.大阪圏の概況
大阪圏の地価は、
・住宅地はほぼすべての地域で、下落幅が縮小し、わずかな下落となっている。特に大阪市中心6区においては下落幅が著しく縮小した。
・商業地はすべての地域で下落幅が縮小し、ほぼすべての地域で年間1割未満の下落となっている。
(1)大阪府
住宅地は、わずかな下落となっている。
商業地は、大阪市中心6区では年間1割の下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となっている。
(2)兵庫県、京都府及び奈良県
住宅地は、神戸市では横ばい、それ以外の地域ではわずかな下落となっている。
商業地は、年間1割未満の下落となっている。
3.名古屋圏の概況
名古屋圏の地価は、
・住宅地はすべての地域で下落幅が縮小し、名古屋市及び三重県を除く地域では横ばいとなっている。
・商業地は大半の地域で下落幅が縮小した。
住宅地は、名古屋市及び三重県ではわずかな下落、それ以外の地域では横ばいとなっている。
商業地は、愛知県知多地域ではわずかな下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となっている。
4.地方圏の概況
・ブロック中心都市(札幌市、仙台市、広島市及び福岡市)では、住宅地は広島市を除きすべての都市でわずかな下落となっている。
商業地は、すべての都市で下落幅は縮小しているものの、おおむね年間1割程度の下落となっている。
・三大圏の周辺都市では、
住宅地は大半の都市でわずかな下落又は1割未満の下落となっているが、姫路市等では横ばいとなっている。
商業地は半数以上の都市で年間1割未満の下落となっているが、甲府市等では年間1割以上の下落となっている。
・その他の地方中心都市では、
住宅地は半数以上の都市で横ばいとなっているが、那覇市等ではわずかな下落、新居浜市等ではわずかな上昇となっている。
商業地は半数以上の地域で年間1割未満の下落となっているが、盛岡市等ではわずかな下落、金沢市等では年間1割以上の下落となっている。