土地・不動産・建設業

3.建設工事紛争審査会で取り扱う事件 ~建設工事の請負契約に関する紛争~

 

(1)建設工事紛争審査会は「建設工事の請負契約に関する紛争」を取り扱う準司法的機関です

 建設工事紛争審査会は、建設業法に基づき、「建設工事の請負契約に関する紛争」について、紛争の解決を図るために、あっせん・調停・仲裁を行う準司法的機関(ADR(裁判外紛争処理)機関)です。
 建設業者に行政上の指導監督を行う機関や、技術的な鑑定を行う機関ではありません。また、建設業者の方が建設工事紛争審査会へ事件を申請して申請人となった場合、あるいは被申請人となった場合でも、建設業の許可や公共工事の入札等で何ら不利益を被ることはありません。

(2)「建設工事の請負契約に関する紛争」とは

[1]建設工事の請負契約に関する紛争です。

 審査会は、当事者の一方又は双方が建設業者である場合の紛争のうち工事の瑕疵(不具合)、請負代金の未払いなどのような「工事請負契約」の解釈又は実施をめぐる紛争の処理を行います。
  したがって、不動産の売買契約に関する紛争、専ら建物の設計監理契約に関する紛争、雇用契約に関する紛争などは、建設工事紛争審査会では取り扱えません。

[2]契約当事者の間の紛争です。

 契約当事者間の紛争とは、例えば、注文者と元請負人の間、元請負人と下請負人の間、一次下請負人と二次下請負人の間など契約の直接の当事者となっている者の間の紛争です。
 したがって、直接の契約関係にない元請・孫請間の紛争、近隣住民の方と工事の請負人の間で工事騒音が問題となっている紛争などは、契約当事者間の紛争ではありませんので、建設工事紛争審査会では取り扱えません。

[3]「建設工事の請負契約に関する紛争」の代表的な例は、次のとおりです。

イ.契約の解除に関する紛争 住宅の新築を注文した個人注文者が請負人に対して新築工事の請負契約の解除を求める紛争

ロ.工事の瑕疵に関する紛争 自社ビルの修繕工事を注文した法人注文者が請負人に対して工事完成後に剥離した外壁タイルの補修を求める紛争

ハ.工事代金の支払いに関する紛争 請負人が法人注文者に対して追加変更工事代金の支払いを求める紛争

ニ.下請代金の支払いに関する紛争 下請負人が元請負人に対して下請代金の支払いを求める紛争

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