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ラオス土地法(2003年)において、土地の管理、保護、使用について定めている。土地法は、国土の管理責任は政府に帰属しているとされ、天然資源環境省土地管理局が監督している。
ラオス国憲法(2003)第17条「所有権・相続権の保障」(旧憲法第15条)では、土地は国家のものであり、ラオス国内外の個人・団体は土地の所有を認めない、としている。一方で、ラオス国内外の個人・団体の土地利用権は認められている。
外国人および外国企業は永久的な土地利用権を持つことはできず、ラオス政府やラオス国民からのリースあるいはコンセッションの供与による土地の使用権のみを保有することができる。
外国人による土地の所有も原則認められていないが、登録資本金が50万米ドル以上の外国人投資家は、政府が指定する土地のみ、居住または業務施設建設のための土地購入権(800平方メートル以内)付与の優遇措置がある。政府は、投資期間に矛盾しない期間、地方自治体との合意および現行の規則に従い、住居または業務用施設建設のための土地を投資家に割り当てる。
また、外国人は土地法(2003)第66条1項において、所有権を有する土地の賃借あるいは免許権取得に関連する資産を売却する権利がある、とされている。ただし、ラオス政府がその資産を購入する優先権がある。
鑑定評価の仕組みは用意されていない。
不動産関連法・制度の現状
日本貿易振興機構(JETRO)「ラオス投資ガイドブック2016(2016年3月)」
土地・不動産の所有権
日本貿易振興機構(JETRO)「ラオス投資ガイドブック2016(2016年3月)」
ラオス国憲法(2003年)(Constitution of the Lao People's Democratic Republic)
土地・不動産の登記
Doing Business「 Lao PDR Regisering Property」
不動産の鑑定評価
NNA調べ(2017年11月)
ラオスでは現在、統一民法典が存在しておらず、私人間の法律関係は財産法、契約債務担保法、契約および不法行為法、家族法など個別の法律によって規定されており、不動産に関連する法規は、2003年の改正土地法がその中核をなしている。その他に1990年財産法、契約・不法行為法、投資奨励法や投資および経済特区関連細則等が、不動産取引や土地使用権の利用等について規定しているため、契約に際しては、土地法以外にも上記のような法令の確認が必要となる。
ラオスにおける建物所有権や建物登記に関する法令は未整備の状態のため注意が必要。
土地取引の際には、売買契約書、譲渡証明書、土地登記証が必要で、土地所有権の移転を登記することが一般的。譲渡証明書と土地登記証は公証人によって証明を受けなければならない。
売買等に基づいて土地所有権の登記を申請する個人または組織は、村落行政体および地域または市町村の土地管理当局を通して、地方または都市土地管理当局に申請書を提出しなければならない。その際に提出すべき書類は下記の通りである。
土地登記には職権による登記の場合と申請による登記の場合がある。
不動産に特化した法律ではないが、購入者と販売者は消費者保護法で守られている。法律に基づき、非営利団体であるConsumer Protection Associationが発足している。
外国企業による国有地のリース・コンセッション期間は、事業の種類、規模、条件に応じて最長50年まで、ラオス国民から外国企業へのリースの場合は最長30年まで認められる。
どちらの場合も状況に応じて政府の認可のもと延長が可能である。
一方で、投資奨励法では、コンセッションの最大期間は99年となっており、整合性が取れていないので注意が必要である。
不動産を取引する際の制度
村上暢昭編「メコン諸国の不動産法」(2017年8月)
法務省「ラオスにおける民事関係法制に関する調査研究 平成27年3月」
消費者保護
NNA調べ(2016年11月)
SlideShare「Lao Law on Consumer Protection」
不動産のリース
NNA調べ(2017年11月)
土地、家、建造物、車両、機械、その他資産のリースによる収入の課税率は10%。
土地、建造物、建造物付き土地の利用権の売買および移譲による収入の課税率は5%。
その土地の場所や用途(建設用地、農地など)によって異なる。税額は、その土地の場所と広さの双方に基づいて計算され、毎年1平方メートル当たりの一定の率で課される。
不動産を売買した際に発生する税は通常の収入とみなされ、0%~24%の累進課税。
ラオス財務省は2018年11月2日、新たな徴税情報システム(TaxRIS)の使用開始を告示(No.3532/MOF)し、財務省専用ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを介して付加価値税、源泉徴収税、個人所得税、物品税、法人税の申告が可能となり、税務署窓口への申告が不要となった。また、TaxRISのほかにも土地税の銀行振り込みシステム、国境での出入国手数料の徴収システムも試験運用が開始された。
日本と租税条約を締結していない。
不動産取得に関する税制、不動産保有に関する税制、その他税制
KPMG「Laos Tax Profile」
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る ラオス 税制」
「ビジネス短信」(2018年11月21日 )
Global Property Guide「Laos」
改正外国投資奨励法施行細則(2005年)第24条において、【不動産業】(自己所有もしくは賃貸の不動産業、手数料もしくは契約ベースの不動産業)は条件付き外国投資許可分野(第Ⅱ種)であり、認可される条件には、ラオス政府の承認や協定締結の必要があるものや、ラオス人の資本参加が必要となるものがある。
投資奨励法において、外資内資を区別することなくラオスでの投資が広く奨励されている。事業ネガティブリスト承認に関する首相令第107号で、ネガティブリストに挙げられている事業は、監督省庁での許可審査を受けることが定められているが、不動産業は該当しない。外資が不動産業を行う場合は、会社法に従い、商工省あるいは都・県商工省に届け出をして手続きを行う。
ただし、三つ星以上のホテル事業は外資出資比率上限が60%となる。
ラオス人の優先的雇用を推奨されているが、必要な労働力がラオス人で満たせない場合、外国人を雇用することができる。外国人労働者の比率上限は、単純作業従事者の場合はラオス人従業員数の15%、専門・技術職の場合は同25%である。5年以内の大規模国営事業における外国人労働者の雇用については別途個別の契約で定める(2013年11月24日付改正労働法第68条)。
外国人投資家および外国人労働者がラオスに在留するには、ビジネスビザ(NI-B2もしくはI-B2)もしくは労働者ビザ(LA-B2)、および滞在許可証が必要である。
ラオス国憲法において、外国人および外国企業の土地保有は認められていない。代わりとして、30年を超過しない範囲で、政府から土地の賃貸権を得ることができる。また、政府から土地の賃借権を得たラオス国民から、20年を超えない範囲で土地の賃借権を得ることができる。
住居用地は30年、事業用地は50年のリースと延長契約が認められ、経済特区内については75年の長期リースが可能である。
外資に関する優遇処置もしくは規制
日本貿易振興機構(JETRO)「ラオス投資ガイドブック2018」(2018年3月)
外資参入の許認可制度、外国人による不動産の取引について
NNA調べNNA調べ(2017年11月)
外資企業による土地購入は認められないため、該当なし。
(調査2018年12月~2019年1月)
主要都市等におけるマーケット情報
日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る 投資コスト比較」
主要日系企業の進出はない
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