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シンガポール

現地法人等の形態

現地法人等の形態

現地法人

現地法人(子会社)の最も一般的な形態は有限責任株式会社である。シンガポールでは、無限責任会社、有限責任株式会社または有限責任保証会社の形態で法人を設立することが可能である。有限責任株式会社には公開会社と非公開会社の2種類があり、非公開会社とは株主数が50人以下、かつその会社の定款上で株式の譲渡制限が含まれていない会社を指す。法人の設立にあたっては、株主が最低1人、さらに居住者である自然人の取締役が最低1人必要である。最低授権資本に関する要件はなく、設立登記は1~2日で完了する。有限責任株式会社の登記料は300Sドルである。

支店

支店の登記を行う場合は、居住者である授権代表者を最低1人選任しなければならない。授権代表者は支店に関するあらゆる事項に責任を有し、外国企業の代理として送達される書類を受領する権限を有する人物である。授権代表者は支店に課せられる罰則に対する責任を個人的に負うことになる。

登記手続きには、支店名の申請と支店登記の手続きがあり、いずれもACRAの「BizFile(オンライン登録)」を利用して行うことができるが、外国企業の支店を登記する場合には、弁護士事務所、会計士事務所など専門家に登記手続きを委託することが一般的である。ACRAに支払う登記料は、原則300Sドルである。外国企業の支店の運営は会社法(Companies Act)で規定されている。

駐在員事務所

駐在員事務所が実施できる業務内容は「販売促進活動と連絡業務」に限定されている。マーケティング、広告、市場調査などの業務を実施することは認められているが、契約交渉、受注、請求、支払金の徴収、アフターサービスの実施は認められていない。

個人事業体

1人の個人または法人により所有・登録された法人格を持たない事業体をいい、その所有者は経営上の損失、その他のリスクについて法律上の全責任を負う。個人事業体の登録を行えるのは、シンガポール国籍を持つ個人、または永住権保持者、エントレパスを保有する外国人、シンガポールで登記された法人に限定される。外国企業または外国人が個人事業体を直接登録することはできない。個人事業体設立を希望する外国人は、本人が海外在住の期間中、シンガポール居住者を代表者として任命しなければならない。個人事業体の運営は事業登録法で規制されている。

パートナーシップ

2人以上20人以下の個人または法人により所有・登録された法人格を持たない事業体をいい、その所有者は経営上の損失、その他のリスクについて法律上の全責任を負う。パートナーシップの登録を行えるのは、シンガポール国籍を持つ個人、または永住権保持者、エントレパスを保有する外国人、シンガポールで登記された法人に限定される。パートナーシップ設立を希望する外国人は、1人以上のシンガポール居住共同経営者を配置しなければならない。共同経営者が全員外国人の場合、シンガポール居住者を代表者として任命しなければならない。パートナーシップの運営は事業登録法で規制されている。

リミテッド・パートナーシップ(LP)

無限責任を持つ少なくとも1人のジェネラル・パートナーと有限責任を持つ少なくとも1人のリミテッド・パートナーから構成され、パートナーと切り離された法人格を持たない。外国企業または外国人はLPのジェネラル・パートナーまたはリミテッド・パートナーとなりえるが、すべてのジェネラル・パートナーが外国企業または外国人となる場合はシンガポールに居住する自然人の業務執行者を最低1人任命しなければならない。LPは実質的に一般的な合資会社であるが、受動的投資家(passive investors)は有限責任パートナーとなり、経営に関与することは認められない。LPは、米国や英国で一般的な事業体ストラクチャーで、ほとんどの専門家集団に利用できる仕組みとなるが、プライベートエクイティ・ファンドや投資分野で最も活用されている。LPの運営は2009年5月に施行されたリミテッド・パートナーシップ法(Limited Partnership Act)で規制されている。LPは会社名の許可を受け、ACRAに登記しなければならない。登記申請料は名前の許可料15Sドルを含めて65Sドルである。

有限責任パートナーシップ(LLP)

LLPは、パートナーと切り離された法人格を有するという点で従来のパートナーシップとは異なる。LLPは、シンガポールに居住する自然人の業務執行者を最低1人、パートナーを最低2人必要とする。シンガポール国籍を持つ個人、または永住権保持者、外国企業を含む法人、他のLLPがLLPのパートナーとなることができる。LLPの運営は有限責任パートナーシップ法(LLP Act)で規制されている。

LLPは会社名の許可を受けACRAに登記しなければならない。登記申請料は名前の許可料15Sドルを含めて165Sドルである。

ビジネストラスト

ビジネストラストとは、企業と信託の両方の要素から成る複合型の事業形態であり、原則として信託証書により設立される。事業資産の法律上の所有権は受託者にあり、言い換えると、ビジネストラストのユニットの法律上の所有者がビジネストラストの資産の受益権を有することになる。ビジネストラストでは、受託者は受益者のために事業を管理する。ビジネストラストの運営はビジネストラスト法で規制され、シンガポール通貨金融庁(MAS)が所轄当局となっている。

出資比率

国家の安全に関わる特定の部門を除き、外国資本による全額出資が原則認められている。

出典

出資比率

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る シンガポール 外資に関する規制」(2018年12月05日)

その他

日本貿易振興機構(JETRO)「国・地域別に見る シンガポール 外国企業の会社設立手続き・必要書類」(2018年12月05日)

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