建設産業・不動産業

定期借地権の解説

7. 期間満了時の建物の取扱い

 契約満了時に建物を収去し、原状回復して返還することが定期借地の基本であるが、定期借地権制度導入から16年が経過し、原状回復に代わる柔軟な選択を予定することも多くなっている。
 50年後には人口が3000万人減少する将来社会の予測や、地球環境に対する認識の高まりからも、社会的資産となる建物の存続的な利用に価値を見出すべきとの考え方も強くなっている背景もある。
 期間満了時の建物の取扱いついて、建物譲渡特約付借地権を採用する方法や、建物存置型と呼ばれる建物収去に代わる建物無償譲渡特約などの方法も、借地人も原状回復を免れるメリットがあることから決して不利な契約ではないとして有効とされている。
 定期借地権マンションでは、契約時点では建物収去を原則としながら、オプションで無償譲渡できるなどの運用も考えられている。定期借地権マンションは将来のスラム化の懸念も指摘されるが、スラム化防止の仕組みとしても、建物の維持管理が良い場合のインセンティブとして、建物存置を定めるなどの商品企画、アイデアも登場している。

※借地借家法の定期借地権にかかる法解釈などにつきましては、制度所管官庁の法務省までお問い合わせいただきますようお願いいたします(令和5年7月5日注記)。

ページの先頭に戻る