１．調査の目的

 本調査は、住宅着工統計の新設住宅着工戸数のうち、除却を伴う着工戸数について集計・整理
することにより、再建築の状況を把握することを目的とするものである。

２．再建築及び再建築率の定義

（１）住宅の再建築とは、既存の住宅の全部又は一部を除却し、引き続き当該敷地内において
　　住宅を着工することをいう。

（２）再建築率とは、新設住宅着工戸数に占める（１）の再建築に係る新設住宅着工戸数の
　　割合をいう。

３．調査結果の概要

（１）再建築戸数と除却戸数

　�@再建築するために除却された戸数は、全体で172,439戸、その跡地に
　　再建築された戸数は、217,198戸（1.26倍）であった。

  　除却住宅と再建築後の利用関係の対応関係をみると下表のとおりである。

　�A再建築戸数の除却戸数に対する割合を利用関係別にみると、持家が0.93倍、貸家が2.03倍、
　　給与住宅が0.62倍であった。　

　　また、これを圏域別にみると、首都圏が1.46倍、中部圏が1.14倍、近畿圏が1.18倍、
    その他地域が1.17倍であった。

(２）再建築率

　　１）平成１２年度の再建築率は、１７．９％であった。（１１年度は１９．５％）

　  これを利用関係別にみると

　 　 ・持家29.2％（１１年度は30.2％）

　　　・貸家15.8％（１１年度は16.5％）

　　　・分譲住宅6.3％（１１年度は7.2％）となっている。

　　　最近では持家、貸家、分譲住宅いずれも再建築率は減少傾向にあり、
　　　このため全体の再建築率も減少傾向となっている。

　　２）利用関係別に構造別の再建築率をみると

　　　�@持家

　　　　木造が27.1％、非木造が36.7％。

　　　　このうち、木造の一戸建てが27.1％、非木造の一戸建てが36.4％。

　　　�A貸家

        木造が14.5％、非木造が16.1％。

　　　　このうち、木造の共同建てが15.3％、非木造の共同建てが16.2％。

　　  �B分譲住宅

　　　　木造が3.0％、非木造が7.8％。

　　　　このうち、一戸建てが2.9％、マンションが8.1％。

　　３）都市圏別に再建築率をみると

　　　  �@首都圏（埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県）は、20.3％。（１１年度は22.4％）

　　　　　利用関係別では、持家が36.1％、貸家が25.4％､分譲住宅が7.8％。

　　　　�A中部圏（岐阜県、静岡県、愛知県、三重県）は、16.9％。（１１年度は18.2％）

　　　　　利用関係別では、持家が28.7％、貸家が10.8％､分譲住宅が2.1％。

　　　  �B近畿圏（滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県）は、15.3％。
                           （１１年度は17.8％）

　　　　　利用関係別では、持家が29.4％、貸家が14.3％、分譲住宅が5.5％。

　　　　�Cその他地域は、17.2％。（１１年度は18.3％）

　　　　　利用関係別では、持家が26.1％、貸家が11.4％､分譲住宅が4.9％。