平成11年度建設投資見通し

建設省 建設経済局 調査情報課

平成11年4月28日公表

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1 平成11年度建設投資見通しの概要


 平成11年度の建設投資は、前年度比1.5%増の71兆5,500億円と、3年ぶりに増加する見通しである。
 

 

  1.  平成11年度建設投資を政府・民間別に見ると、政府投資は 35兆 800億円(前年度比 5.1%増)、民間投資は36兆4,600億円( 同 1.7%減)となり、建築・土木別には、建築投資が 36兆2,800億円( 同 2.1%増)、土木投資が35兆2,700億円( 同 0.9%増)となる見通しである。
  2.  平成11年度の建設投資を実質ベースで見ると、67兆6,300億円(前年度比1.8%増)となる見通しで、政府・民間別には、政府が 33兆1,300億円( 同5.4%増)、民間が 34兆5,000億円( 同 1.5%減)となり、建築・土木別には、建築が34兆2,100億円( 同 2.3%増)、土木が33兆4,100億円( 同1.2%増)となる見通しである。
  3.  平成10年度の建設投資は前年度比 5.5%減の 70兆4,600億円となる見込みである。このうち政府投資は 同 2.2%増の33兆3,800億円、民間投資は 同 11.4%減の37兆 800億円と見込まれ、建築・土木別には、建築が 同 11.0%減の35兆5,300億円、土木が 同 0.9%減の34兆9,400億円となる見込みである。
  4.  過去20年間の建設投資の推移を見ると、昭和57、58年度と2年連続で前年度比マイナスとなったものの、それ以後は再びプラスに転じ、平成2年度には80兆円を超え、平成4年度の84兆円を最高に平成5年度までの4年間は80兆円台で推移した。しかし、バブル崩壊後民間建設投資が減少し、平成6、7年度と80兆円台を下回った。平成8年度は民間住宅投資の増加により80兆円台を回復したものの、平成9年度以降は民間投資の大幅な減少により、70兆円台前半にまで落ち込んだ。平成11年度は、政府建設投資及び民間住宅投資の増加により3年ぶりにプラスに転ずる見込みである。
  5.  平成11年度の建設投資額を地域別(10ブロック)に見ると、建設投資額全体及び建築では全ての地域で前年度の水準を上回り、土木では関東を除いて、前年度の水準を上回る見通しである。
  6. 平成11年度建設投資見通し(総括表:Excel形式)

2 政府建設投資の動向


 平成11年度の政府建設投資は、15ヶ月予算等の効果により、前年度比 5.1%増の35兆 800億円と、2年連続して増加する見通しである。

 

  1.  平成11年度の政府建設投資は、国の予算が前年度当初比で5%増加したこと及び15ヶ月予算の効果による11年度への大幅な繰越、前倒し発注が見込まれることから、前年度より支出ベースでは増加するものと見込まれ、前年度比5.1%増の35兆 800億円となる見通しである
  2.  このうち、建築投資は前年度比13.6%増の 6兆3,400億円となり、その内訳は住宅投資が 同 5.6%増の1兆6,900億円、非住宅建築投資が 同 16.8%増の4兆6,600億円となる見通しである。
     土木投資は、前年度比 3.4%増の28兆7,400億円となり、そのうち公共事業は 同 5.5%増の25兆7,200億円、公共事業以外は、公営ガスが伸びるものの、それ以外の事業では減少し、全体では 同 11.9%減の 3兆 200億円となる見通しである。
  3.  平成10年度の政府建設投資は、当初予算が前年度比マイナスとなるなどの減少要因があったものの、総合経済対策及び緊急経済対策による2度にわたる大規模な補正予算追加等が行われたことから、予算規模においては大幅な増加となった。このうち平成11年度に繰り越される額が相当額あるものの、支出ベースで見ると平成10年度は、前年度比2.2%増の33兆3,800億円となる見込みである。

 

(参考)政府建設投資の概念区分

政府建設投資 建 築 住 宅
非住宅
土 木 公共事業 治山、治水、海岸
道路
港湾、漁港、空港
生活環境施設(公園 、下水道、環境衛生)災害関係
その他の公共事業(農業基盤、林道等)
その他 地方公営関係事業等
(鉄道、電力・ガス、上・工業用水道、その他)

3 住宅投資の動向


 平成11年度の住宅投資は、着工戸数が増加に転ずると見込まれることから、投資ベースでは3年ぶりに増加となり、前年度比6.9%増の22兆6,100億円となる見通しである。

 

  1.  平成11年度の住宅建設は、住宅取得促進税制の改正等の効果により、新設住宅着工戸数は、前年度を上回る130万戸程度となる見通しである。投資ベースでは、平成10年度後半の着工戸数水準が低いものの、平成11年度着工戸数の増により3年ぶりの増加となり、前年度比6.9%増の22兆6,100億円となる見通しである。
  2.  平成10年度の住宅建設の動向を新設住宅着工戸数で見ると、所得の伸びの低迷やリストラ等による雇用不安、景気動向の先行き不透明感等により、前年度を大幅に下回る118万戸程度となった。利用関係別には、平成10年度の累計で、持家が2.9%減、貸家が13.9%減、給与住宅が34.0%減、分譲住宅19.6%減となっている。また、建築着工統計の居住用建築物の床面積及び工事費予定額においても、平成10年度は、それぞれ 10.5%、11.1%の減少となっている。このため、平成10年度の住宅投資は 前年度比 11.4%減の21兆1,500億円となる見込みである。

    

  (参考)住宅投資の概念区分

住宅投資 政府住宅
民間住宅

4 民間非住宅建設投資の動向


 平成11年度の民間非住宅建設投資(非住宅建築及び土木)は、前年度比11.3%減の15兆5,500億円と、3年連続して減少する見通しである。

 

  1.  平成11年度の民間非住宅建設投資(非住宅建築及び土木)は、個人消費の低迷等を背景として企業の設備投資が減少することが見込まれることから、前年度比 11.3%減の15兆5,500億円となる見通しである。
  2.  このうち、民間非住宅建築投資は、着工ベースで平成10年度に引き続き、平成11年度前半も工場を中心に着工床面積が大幅に減少することが見込まれることから、平成11年度の投資ベースでは前年度比13.2%減の9兆 200億円となる見通しである。
  3.  民間土木投資は、民間設備投資に関連する土木工事が民間企業の設備投資計画の減少により、減少することが見込まれることから、前年度比 8.6%減の6兆5,300億円となる見通しである。
  4.  平成10年度の民間非住宅建築は、鉱工業を中心に着工床面積が大幅に減少し、投資ベースでは、前年度比13.3%減の10兆3,900億円となる見込みである。

(参考)民間非住宅建設投資の概念区分

民間非住宅建設投資 建 築 非住宅
土 木 鉄道(JR、私鉄)
電信・電話(NTT)
電力(9電力等)
私営ガス
民間土地造成
民間構築物(その他)


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