一般経済の動き 一般経済の動き (平成8年11月)


 我が国経済の最近の動向をみると、設備投資は回復傾向にあり、住宅建設は高い水準で推移しており、個人消費も緩やかな回復傾向にある。また、減少傾向にあった純輸出はこのところおおむね横ばいで推移している。こうした需要動向を背景に、生産は増加傾向にある。以上のように、景気は回復の動きを続けている。そのテンポは緩やかであるものの、民間需要は堅調さを増している。なお、雇用情勢は厳しい状況にあるものの、改善の動きがみられる。
 個人消費は、緩やかな回復傾向にある。
 実質消費支出(全世帯)をみると、前年同月比で9月 4.4%減の後、10月は 1.5%減(前月比 0.4%増)となった。
 住宅建設は、高い水準で推移している。
 新設住宅着工〔総戸数(季節調整値)〕をみると、前月比で10月 7.7%増(前年同月比21.4%増)となった後、11月は5.5%減(前年同月比 0.6%減)となった。
 設備投資は、回復傾向にある。
  機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で9月は10.2%減(前年同月比3.6%増)の後、10月は 44.2%減(同34.1%増)となり、全体では緩やかな回復傾向にある。民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、おおむね横ばいで推移してきたが、10月は前月比48.2%減の後、11月は0.9%増(前年同月比13.4%減)となった。
 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、増加傾向にある。在庫は11月は減少した。
 鉱工業生産は、前月比で10月 3.9%増の後、11月(速報)は1.9%減となった。鉱工業出荷は、前月比で10月3.7%増の後、11月(速報)は 0.8%減となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で10月 0.7%増の後、11月(速報)は 0.9%減となった。
 


 雇用情勢をみると、完全失業率は高い水準で推移するなど厳しい状況にあるものの、改善の動きがみられる。
 有効求人倍率(季節調整値)は、10月0.73倍の後、11月0.74倍となった。完全失業率(季節調整値)は、10月 3.4%の後、11月 3.3%となった。
 輸出は、強含みに推移している。
 通関輸出(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で10月 8.1%増の後、11月は 3.6%増(前年同月比 7.8%増)となった。
 輸入は、伸びが鈍化し、このところおおむね横ばいで推移している。
 通関輸入(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で10月 5.8%増の後、11月は 8.4%減(前年同月比 2.5%減) となった。
 国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字幅はその縮小テンポに鈍化がみられ、このところおおむね横ばいで推移している。
 10月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が拡大し、サービス収支の赤字幅が減少したため、その黒字幅は縮小し、1,571億円となった。
 消費者物価は、安定している。
 11月の全国指数をみると、前年同月比0.5%の上昇(前月比 0.3%の上昇)となった。

〔本文中、前期(月)比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕