我が国経済の最近の動きをみると、設備投資、住宅建設等に明るい動きがみられ、輸出はおおむね横ばいで推移し、こうしたことを背景に生産は緩やかながら増加傾向にある。このように、景気は緩やかながら回復の動きを続けている。ただし、雇用情勢において一部に改善の兆しがみられるものの厳しい状況が続いているなど、懸念すべき点もみられる。

　個人消費は、緩やかながら回復傾向にある。

　実質消費支出（全世帯）をみると、前年同月比で１月 3.4％増の後、２月は 3.2％増（前月比 0.1％減）となった。

　住宅建設は、このところ高い水準で推移している。

　新設住宅着工〔総戸数（季節調整値）〕をみると、前月比で２月 8.3％減（前年同月比 1.9％減）となった後、３月は 4.7％増（前年同月比 8.2％増）となった。

　設備投資は、総じてみれば緩やかな回復傾向にある。

　 機械受注（船舶・電力を除く民需）は、前月比で１月は 3.9％減（前年同月比13.9％増）の後、２月は 1.0％増（同16.9％増）となり、全体では緩やかな回復傾向にある。民間からの建設工事受注額（50社、非住宅）をみると、前月比で２月20.0％増の後、３月は4.9％減（前年同月比7.4％減）となった。

　鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、緩やかながら増加傾向にある。ただし、３月は減少した。在庫は３月は減少した。

　鉱工業生産は、２月 2.6％増の後３月（速報）は4.3％減となった。鉱工業出荷は、

　前月比で２月 2.8％増の後、３月（速報）は 0.1％減となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で２月 0.5％増の後、３月（速報）は 0.1％減となった。

　雇用情勢をみると、一部に改善の兆しがみられるものの、完全失業率は高い水準で推移するなど、厳しい状況が続いている。

　有効求人倍率（季節調整値）は、２月0.67倍の後、３月0.67倍となった。完全失業率（季節調整値）は、２月 3.3％の後、３月 3.1％となった。

　輸出は、おおむね横ばいで推移している。

　通関輸出（数量ベ−ス、季節調整値）をみると、前月比で２月 2.4％増の後、３月は 2.4％減（前年同月比 4.0％減）となった。

　輸入は、製品類を中心に増加傾向で推移しているが、３月は減少した。

　通関輸入（数量ベ−ス、季節調整値）をみると、前月比で２月 8.3％増の後、３月は 14.5％減（前年同月比4.0％減）となった。

　国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字幅は縮小傾向で推移している。

　１月（速報）の貿易・サービス収支（季節調整値）は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が縮小し、サービス収支の赤字幅が拡大したため、その黒字幅は縮小し、595億円となった。

　消費者物価は、安定している。

　３月の全国指数をみると、前年同月比 0.1％の下落（前月比 0.2％の下落）となった。

〔本文中、前期（月）比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕