一般経済の動き

一般経済の動き (平成8年2月)


 我が国経済の最近の動きをみると、設備投資、住宅建設等に明るい動きが みられ、輸出はおおむね横ばいで推移し、こうしたことを背景に生産は緩 やかながら増加している。このように、景気は緩やかながら回復の動きを 続けている。ただし、こうした景気回復の動きについては、厳しい雇用情 勢など懸念すべき点もみられる。
 実質国内総生産(平成2年基準、速報)の動向をみると、7年7〜9月期 前期比0.6%( 年率 2.3%増)の後、10〜12月期は同 0.9%増(同 3.6%)と なった。
 個人消費は、極めて緩やかながら回復傾向にある。
 実質消費支出(全世帯)をみると、前年同月比で12月 1.0%減の後、1月は 3.4%増(前月比 4.3%増)となった。
 住宅建設は、このところ高い水準で推移している。
 新設住宅着工〔総戸数(季節調整値)〕をみると、前月比で1月 2.8%増 (前年同月比 7.2%増)となった後、2月は 8.3%減(前年同月比 1.9%減) となった。
 設備投資は、総じてみれば緩やかな回復傾向にある。 機械受注(船舶・ 電力を除く民需)は、前月比で12月は 7.0%増(前年同月比15.2%増)の後、 1月は 3.9%減(同13.9%増)となり、全体では緩やかな回復傾向にある。 民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、前月比で1月 7.9% 減の後、2月は20.0%増(前年同月比20.9%増)となった。
 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産はこのところ緩やかながら 増加している。在庫は3か月連続して増加した。
 鉱工業生産は、1月横ばいの後、2月(速報)は 2.0%増となった。鉱工 業出荷は、前月比で1月 0.9%増の後、2月(速報)は 2.4%増となった。 鉱工業生産者製品在庫は、前月比で1月 0.8%増の後、2月(速報)は 0.4 %増となった。


 雇用情勢をみると、有効求人倍率はこのところ上昇傾向にあるものの、 完全失業率は高い水準で推移するなど、厳しい状況が続いている。
 有効求人倍率(季節調整値)は、1月0.67倍の後、2月0.67倍となっ た。完全失業率(季節調整値)は、1月 3.4%の後、2月 3.3%となった。
 輸出は、おおむね横ばいで推移している。
 通関輸出(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で1月 4.8%減 の後、2月は 2.4%増(前年同月比 2.8%減)となった。
 輸入は、製品類を中心に増加傾向で推移している。
 通関輸入(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で1月 3.8%減 の後、2月は 8.3%増(前年同月比12.0%増)となった。
 国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字幅は縮小傾向で推移して いる。
1月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿 易収支の黒字幅が縮小し、サービス収支の赤字幅が拡大したため、その黒 字幅は縮小し、2,164億円となった。
 消費者物価は、安定している。
 2月の全国指数をみると、前年同月比 0.2%の下落(前月比 0.2%の下落) となった。

〔本文中、前期(月)比は季節調整値による。〕

〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕