運輸経済月例報告 今月のトピックス 運輸経済月例報告 平成8年5月のトピックス



  〜 最近の鉄道輸送量の動向 〜
 鉄道貨物−全体ではマイナス基調であるもののコンテナは堅調
 (JR貨物)
 JR旅客−定期外及び新幹線はプラス基調
 民鉄旅客−定期はマイナス基調

(鉄道貨物(JR貨物)輸送の動向)

 平成7年1月以降のJR貨物の輸送量をみると、7年1月〜3月は大震災の影響により対前年同月比でマイナスとなり、4月以降も鉄道が復旧したにもかかわらず、9月を除いて年内はマイナスで推移した。8年に入り1月〜3月は前年の反動でプラスとなったものの、4月以降は車扱の減少によりマイナスが続き6月は 8.2%減となっている。また、8年1月以降を対6年同月比でみると2月を除いてマイナスとなっている。
 車扱、コンテナ別でみると、車扱は、対前年同月比で平成3年度以降概ねマイナスで推移しており、8年6月は15.5%減となっている。  一方、コンテナは、対前年同月比で大震災の影響で7年1月〜3月は大幅に減少し、4月以降も9月を除いて年内はマイナスが続いた。8年に入り1月〜3月は前年の反動で2桁の伸びを示し、4月以降も4月が 9.1%増、5月が 7.8%増、6月が 2.4%増とプラスが続いている。また、8年1月以降を対6年同月比でみても3月及び6月を除いてプラスとなっている。  なお、4月以降のコンテナの増加は、事業の効率化等の観点から8年3月にダイヤ改正が行われ、例えば従前は車扱で輸送していた紙・パルプ、化学工業品でコンテナ輸送が可能なものについてはコンテナに転換されたことが要因となっている。

(鉄道旅客輸送の動向)

 平成7年1月以降のJR旅客の輸送量をみると、7年1月〜3月は大震災の影響により対前年同月比でマイナスとなったが、4月は微減、5月以降はプラスで推移し、8年5月も 0.1%増と13ヶ月連続のプラスを続けている。また、8年1月以降を対6年同月比でみても3月を除きプラスとなっている。
 定期、定期外別でみると、定期は、対前年同月比で7年では1月、3月、11月が僅かにマイナスであり、その他の月はプラスとなっている。8年に入り1月〜3月はプラスとなっているものの、4月は 1.1%減、5月は 0.8%減となっている。また、8年1月以降を対6年同月比でみても1月及び2月を除いてマイナスとなっている。
 定期外は、対前年同月比で7年6月以降はプラスで推移し、8年5月も 1.8%増となっている。また、8年1月以降を対6年同月比でみても各月ともプラスとなっている。
 新幹線についてみると、対前年同月比で7年1月〜3月は大幅にマイナスとなり、4月以降も年内は低調に推移した。8年に入り8年1月〜3月は前年の反動で大きくプラスとなったが、4月も 9.2%増、5月も 5.1%増とプラスが続いた。また、8年1月以降を対6年同月比でみても各月ともプラスとなっている。
 民鉄については、対前年同月比で7年9月の運賃値上げの先買需要でプラスとなった8月以外は低調に推移した。8年に入り3月、4月がプラスで推移した後、5月は 1.3%増と3ヶ月連続のプラスとなっているが、8年1月以降を対6年同月比でみるとマイナスとなっている。
 定期、定期外別でみると、定期は、対前年同月比で7年8月、9月以外はマイナスで推移しており、8年に入ってもマイナスが続いている。
 定期外は7年7月、8月及び8年1月以降はプラスであり、8年5月が 3.7%増となっている。しかしながら、8年1月以降を対6年同月比でみると2月、5月以外はマイナスとなっている。