一般経済の動き 一般経済の動き (平成9年7月)


 我が国経済の最近の動向をみると、設備投資は回復傾向にあり、純輸出は増加傾向にある。また、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減も引き続きみられるものの、個人消費は緩やかな回復傾向にある。住宅建設は、低金利が継続するなか、消費税率引上げに伴う駆け込み需要により大きく増加した反動もあって、弱い動きとなっている。こうしたなかで、生産は伸びが鈍化し、このところ横ばいで推移している。 以上のように、足元は回復テンポが緩やかなものになっているものの、民間需要を中心とする景気回復の基調は続いている。なお、雇用情勢は厳しい状況にあるものの、改善の動きがみられる。
 個人消費は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減も引き続きみられるもの の、緩やかな回復傾向にある。  実質消費支出(全世帯)をみると、前年同月比で6月 4.7%減の後、7月は 3.2%増(前月比 0.2%減)となった。
 住宅建設は、低金利が継続するなか、消費税率引上げに伴う駆け込み需要により大 きく増加した反動もあって、弱い動きとなっている。
 新設住宅着工〔総戸数(季節調整値)〕をみると、前月比で6月11.6%減(前年同月比11.6%減)となった後、7月は 7.6%減(前年同月比27.8%減)となった。
 設備投資は、回復傾向にある。
 機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で6月は10.6%減(前年同月比 5.6%増)の後、7月は 5.9%増(同 0.3%増)となり、全体として緩やかな増加傾向にある。民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、前月比で6月26.3%減の後、7月は25.0%増(前年同月比 0.7%減)となった。
 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、伸びが鈍化し、このところ横ばいで推移している。在庫は4ヶ月連続で増加した。
 鉱工業生産は、前月比で6月 3.2%減の後、7月(速報)は 1.1%増となった。鉱工業出荷は、前月比で6月 1.8%減の後、7月(速報)は 0.5%増となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で6月 1.7%増の後、7月(速報)は 0.5%増となった。


 雇用情勢をみると、完全失業率が高い水準で推移するなど厳しい状況にあるものの、改善の動きがみられる。
 有効求人倍率(季節調整値)は、6月0.74倍の後、7月0.74倍となった。完全失業率(季節調整値)は、6月 3.5%の後、7月 3.4%となった。
 輸出は、強含みに推移している。
 通関輸出(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で6月 7.3%減の後、7月は 3.2%増(前年同月比10.6%増)となった。
 輸入は、おおむね横ばいで推移している。
 通関輸入(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で6月 1.1%減の後、7月は 7.3%増(前年同月比 4.1%増) となった。
 国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある。
7月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が縮小し、サービス収支の赤字幅が拡大したため、その黒字幅は縮小し、 4,338億円となった。
 消費者物価は、安定している。  全国指数(総合)をみると、前年同月比で7月 1.4%の上昇の後、8月(中旬速報値)は 1.6%の上昇(前月比保合い)となった。

〔本文中、前期(月)比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕