運輸経済月例報告 今月のトピックス 運輸経済月例報告 平成9年3月のトピックス



  ゴールデンウィークの輸送状況  

 曜日配列の影響もあって、各輸送機関とも総じて低調 

   平成9年のゴールデンウィークの旅客輸送は、長期の連続休暇がとりにくい曜日配列であったこと等が影響し、総じて低調であった。
 曜日配列と輸送量の伸び率の関係をみると、長期間の休暇の取りやすい曜日配列の年には、海外旅行需要の増大により国際航空の伸び率が大きいのに対し、前半と後半に各々3連休以上の休日があった年には、短距離の行楽客が増えることにより、高速道路利用台数の伸び率が大きい傾向がみられる。一方、帰省等の国内旅行では、家族単位の行動が多いことから、学校が休みになる日の長い年に国内航空とJRの伸び率が大きくなる傾向がうかがえる。
 平成9年は、連続休日が3日間でかつ1回と少なく、これと似た曜日配列であった4年と同様に各輸送機関とも低調であった。

【各輸送機関の状況】

 ○ JRは、在来線の特急・急行列車が前年比9%減、新幹線が同7%減となり、全社とも前年実績を下回った。また、成田、関西空港へのアクセス列車の利用も前年を下回った。
 ○ 民鉄は、大手16社の定期外旅客数が前年比4%減であり、全社とも前年実績を下回った。これは、曜日配列の不利に加え、後半の3連休初日の5月3日の悪天候が影響したものと思われる。
 ○ 国内航空は、前年比1%減となり、幹線、ローカル線とも前年実績を下回った。利用者を方面別にみると、北海道を除き、各方面とも減少した。
 ○ 国際航空は、日本発着合計で前年比0.4%増と横這いであった。方面別に日本発の旅客をみると、米国本土、ハワイ、豪州が減少、欧州は前年並み、グアム・サイパンが大幅な増加となった。アジアは減少しているが、宿泊経費等の高騰により敬遠された香港の大幅な減少の影響であり、韓国、中国は増加している。休日数の関係から、近距離の海外旅行に集中したものと思われる。
 ○ 高速道路出入台数は、前年比1%増と、わずかな伸びにとどまった。