「こまち」沿線地域を中心に県外からの観光入り込み客が増加 首都圏〜秋田県の旅客輸送は、JRが大幅増、航空・高速バスが減少 |
○ | 鉄道(JR)は、146万5千人で、対前年度比36.5%増の大幅な増加となった。8年度 には、田沢湖線が改修工事で運休していたことを考慮し、7年度と比較しても26.7%の増加であった。9年度の首都圏と秋田県を除く東北地方との鉄道による輸送量が3.2%減となっていることからみると、「こまち」運行開始が大きな需要喚起につながったことが裏付けられる。 |
○ | 航空は、86万5千人で、同16.5%減と減少に転じた。9年度の羽田と秋田空港を除く東 北地方の各空港との間の輸送量は6.3%増となっていることから、「こまち」への大幅な旅客のシフトによるものといえよう。なお、10年4月以降の羽田〜秋田の旅客は、対前年同月比で増加傾向にある。 |
○ | 高速バスは、10万9千人で、同8.2%減と減少に転じた。低廉な運賃とともに、乗換な しで目的地に直行できるという高速バスの魅力が、「こまち」の新幹線直通運転という点で競合したことにより「こまち」へのシフトが生じたものと思われる。 |
○ | 県北地域では、0.4%減の微減であるが、県外客は2.4%増と増加している。同地域で は、9年5月に発生した大規模な土石流により、主要な観光地である十和田湖・田沢湖間を結ぶ国道が3か月間分断されたことが影響しており、夏以降の入り込み客数は増加に転じている。また、県外客は、秋田自動車道が延伸された男鹿地域及び「こまち」に連絡した鉄道沿線である大館、能代地域での増加が目立っている。 |
○ | 「こまち」沿線地域では、12.7%増、特に県外客が31.4%増と大幅に増加しており、 四半期別でみても、「こまち」が運行を開始した9年第2四半期から2桁台の増加が続き、「こまち」による集客効果が大きかったことがうかがえる。 |
○ | 県南地域では、県内、県外客とも減少を続けている。同地域では、9年7月に秋田自 動車道が東北自動車道に直結しているが、その効果がまだ現れていないものと思われる。 |