第3 平成11年度建設省関係予算主要事項
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4.環境への負荷の少ない経済社会の実現
事業費   4,227億円
国 費   2,245億円

(1)河川・重要湖沼等における水質を改善するための河川・下水道整備

 下水道の整備
   :手賀沼流域下水道(千葉県)、京都市公共下水道等約45箇所
 河川の整備:綾瀬川(埼玉県)、真間川(千葉県)等約30箇所

【BOD、COD値による河川・湖沼の水質状況ワースト5】
〈BOD値による河川の水質状況(ワースト5)〉
順位
水系名
河川名
都道府県名
BOD
(mg/リットル)
平均値

9

1
利根川 綾瀬川 埼玉・東京
9.1
2
大和川 大和川 奈良・大阪
8.7
3
鶴見川 鶴見川 神奈川
5.8
4
利根川 中川 埼玉・東京
4.7
5
淀川 猪名川 大阪・兵庫
4.6

平成9年度全国一級河川の水質状況(平成10年7月建設省河川局)
〈環境基準高濃度上位水域(ワースト5)〉
順位
あてはめ
水域名
都道府県名
COD
(mg/リットル)
年度平均値

9

1
手加沼 千葉県
23
2
印旛沼 千葉県
11
3
佐鳴湖 静岡県
11
4
涸沼 茨城県
9.7
5
油ヶ淵 愛知県
9.6

平成9年度公共用水域水質測定結果(平成10年12月環境庁水質保全局)



 

BOD(生物化学的酸素要求量)(Biochemical Oxygen Demand)
COD(化学的酸素要求量)(Chemical Oxygen Demand)
 水の汚れを表す代表的な指標。いずれも数値が大きいほど水が汚れている事を示している。

(2)沿道環境対策の総合的な推進

 経済・社会活動を支える幹線道路の役割と沿道の生活環境の保全の両立を図ることを基本理念に、沿道環境(大気質、騒音)が環境基準を超えている地域において、関係する各道路管理者の連携を図りつつ、沿道環境の改善対策を総合的・重点的に実施する沿道環境改善事業を創設する。また、道路交通騒音により生ずる障害の防止又は軽減を図るため、沿道における住宅の防音対策を拡充する。
 沿道環境改善事業
   : 沿道環境が厳しい幹線道路の交差点の立体化 等
   : 沿道への環境影響の緩和のための低騒音舗装の敷設や遮音壁の設置 等
   : 幹線道路の沿道にふさわしい沿道の整備を図る住宅防音工事助成 等
 沿道における住宅の防音対策の拡充
   : 防音工事助成等の要件を新環境基準に合わせ、沿道法に基づく防音工事助成対象を拡大
   : 沿道法に基づき、防音化されていない住宅の建替え時の助成を実施
   : 騒音の著しい地域においては、沿道整備道路の指定を要件として防音工事助成を実施
 東京23区、川崎市、横浜市、大阪市、神戸市等で実施

【沿道環境改善のイメージ(騒音対策)】



 

(3)「水と緑のネットワーク」の整備

 河川・砂防施設の整備
   :松戸市(千葉県)等約10地区、六甲山系(兵庫県)等15地区
 下水道の整備:粕屋町(福岡県)、郡山市(福島県)等約40地区
 都市公園の整備
   :松江城堀川地区(島根県)、いたち川地区(富山県)等約30地区

(4)花と緑のまちづくり事業の推進

 都市公園において、住民参加による都市の森づくりを行う「平成の森づくり事業」を平成11年度に創設するなど、住民参加による植樹と併せて住民参加による花の植栽等を積極的に実施する。

 大仙公園(大阪府)、鳥屋野潟公園(新潟県)等約35箇所

【イメージ図】




 

(5)緑化重点地区整備事業の拡充

 緑化重点地区整備事業について、都市のヒートアイランド現象の緩和のためまとまった樹林地等からなる緑地を重点的に確保する地区等を対象地区に追加するとともに、公共公益施設の緑化を補助対象に追加する。

 緑化重点地区総合整備事業
   :博多駅地区(福岡県)、野洲西地区(滋賀県)等約40地区

【緑化重点地区総合整備事業の全体スキーム図】




【都市の緑が果たす役割】


市街地と接して樹林地が存在する場合に、市街地と樹林地との温度差により、樹林地内に部分的に下降気流が生じ、それにより冷却された重い空気が樹林地から市街地ににじみだし、市街地のヒートアイランドを改善する効果があります。


 
(6)住宅金融公庫融資制度の拡充による環境対策の充実

 省エネ基準の改定(現行基準より20%程度省エネ効率が向上:次世代省エネ基準)に対応し、制度の簡明化を図りつつ、割増融資の増額等を行う。
例 省エネルギー住宅に対する割増し
  現行基準適合の場合100万円/戸 →次世代省エネ基準適合の場合250万円/戸

(7)官庁施設における総合的な地球温暖化対策

 中津地方合同庁舎(大分県)等5施設で実施

【環境配慮型官庁施設(グリーン庁舎)のイメージ】

地球温暖化に影響を与える温室効果ガスの大部分がCO2である。


 
(8)河川・海岸における生態系保全環境対策

 生態系保全環境対策
   :いたち川(神奈川県)、胆振海岸(北海道)等約200箇所
 魚を育む海岸づくり事業:原口海岸(北海道)

【地域づくりの際に河川の果たすべき役割】
【環境の変化を受けやすい淡水魚が大幅に減少】
「河川に関する世論調査」(H8.9総理府)  


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