伊豆中南部地域は、面積 983.57㎢(対県比 13.4%)、人口 103.2 千人(対県比 2.8%、平成 26 年静岡県推計人口年報)で、3市5町(平成 27 年4月1日現在)により構成されている。
天城山系を中心に森林が地域の 81%を占め、山地が海岸まで迫り平地が少ないため、中小河川沿いや入江周辺に集落が形成されている。また、三方を海に囲まれ、200 ㎞におよぶ海岸線は、断崖や入江が多く複雑な形状をなしており、開国の港としての歴史をもつ下田港をはじめとした港湾や数多くの漁港等に利用されている。
気候は年平均 16°C前後と四季を通じて温暖である。また、富士火山帯に属し各地に豊富な湯量の温泉が点在しているほか、万三郎岳(標高 1,406m)を最高峰とする天城山系等の山稜部と石廊崎をはじめとした海岸地帯が、特に優れた自然景観を誇り、「富士箱根伊豆国立公園」に指定されており、川端康成など多くの文人・墨客に愛され、多くの作品にその美しい情景、風景が表わされてきた。
本地域は、明治・大正・昭和初期にかけて、豊かな森林を生かした林業と周囲に良好な漁場をもつ漁業を中心に産業活動が続けられてきた。 その後、柑橘及び花き園芸が盛んになってくるが、地域全体としては林業と入れ替わるように観光産業が台頭し、現在では、観光及び関連する産業が地域経済の中心になっている。
そうした中、半島を貫く幹線軸となる伊豆縦貫自動車道の整備が進み、命の道、地域の成長に資する基盤として今後 10 年で地域構造の大きな変化が予想されるとともに、世界ジオパーク認定に向けた取組の加速などのダイナミズムが生まれており、本地域は発展の大きな転機を迎えている(伊豆中南部地域半島振興計画抜粋)。