本地域は、県本土の西南部に位置し、面積は398.51㎢で県土の9.6%を占め、平成27年1月1日現在の住民基本台帳人口は62,602人で県全体の4.4%を占めている。地域は、本来は一つの半島であるが、一つの基部半島である長崎火山地域を介し、それに連なる二つの枝半島である西彼杵半島及び長崎半島から構成されている。
地勢は、両半島とも海抜500m内外の隆起準平原の山地であり、幅が狭いため大きな河川はなく海岸線が複雑多岐で、西彼杵半島県立公園、大村湾県立公園、野母崎半島県立公園を有し、西海市崎戸町平島の一部は西海国立公園に指定されるなど、優れた自然景観を有している。地質的には、古生層の変成岩(結晶片岩)からなり、砂質土で急傾斜地が多い。
気候は、対馬暖流の影響を受け温暖で、年間の平均降水量は1,600mm前後である。特に長崎半島の南部は、海洋性の気候の影響から亜熱帯性の樹林が自生している。
歴史的には、中世には石鍋製作が盛んで、国指定史跡「ホゲット石鍋製作遺跡」をはじめとして、当時の石鍋製作の工程を伝える遺跡が数多く点在している。また、中近世における南蛮貿易の歴史を今日に伝える横瀬浦の県指定史跡「南蛮船来航の地」や「中浦ジュリアン出生の地」などがあり、近代においてはフランス人宣教師であるド・ロ神父が主に外海地区で行った布教活動や慈善事業にまつわる世界遺産候補の「出津教会堂と関連施設」・「大野教会堂」などがある。このように、この地域には後世に伝えるべき貴重な歴史文化遺産を数多く残している。
本地域を構成する市町村は、平成17年から平成18年に行われた市町村合併により9町から2市(長崎市は旧野母崎町、旧三和町、旧外海町、旧琴海町の区域のみ)となっている(西彼杵地域半島振興計画抜粋)。