第2回 JAPANコンストラクション国際賞

英語版 (English)

建設プロジェクト部門

クルガンチューベ・ドゥスティ間道路改修計画Ⅰ期・Ⅱ期[タジキスタン]

プロジェクトの概要

  • アジアハイウェイ構想の一部であり、国際幹線道路として重要なタジキスタンの首都ドゥシャンベとアフガニスタン国境を結ぶ国道(42km区間(Ⅰ期)、17.9km区間(Ⅱ期))の道路整備、橋梁の改修、交差点改良等の工事。
  • 同地域の安定した人及び物の輸送を確保することで、地域開発、地域格差の是正、教育・医療機関等へのアクセス確保、就業機会の増加等に貢献。

データ

工期:2009年5月~2013年6月
発注者:タジキスタン共和国 運輸省
応募者:大日本土木株式会社
関係企業:設計者:株式会社アンジェロセック(Ⅰ期)、株式会社片平エンジニアリング・インターナショナル(Ⅱ期)
施工者:大日本土木株式会社-NIPPO共同企業体(Ⅰ期)、大日本土木株式会社(Ⅱ期)

評価のポイント

  • タジキスタン共和国と日本が協同で高い品質の道路を作るという自信とプロジェクトへの愛着があり、プロジェクトを通して信頼関係が構築された。完工後には、日本の国旗がスタートとゴール地点に飾られたマラソン大会が開催される等、二国間の友好関係の発展に大きく貢献した。
  • 建設技術力が乏しい中、現地雇用の作業員を直接指示・指導する直営体制にて工事を実施することや現地作業員を長期雇用したことにより技能移転が進み、4ヶ月の工期短縮を実現。
  • 誘導員を配置したスムーズな交通誘導により、交通事故発生を防止するとともに、迂回路を設置しなかったことにより、工事現場周辺の環境維持や農業生産の確保等にも寄与した。
  • 竣工式にはタジキスタンの大統領が出席する等、日本が施工したランドマーク事業として現地で認識されている。

シンガポールチャンギ国際空港第4ターミナル新築工事[シンガポール]

プロジェクトの概要

  • アジア圏有数のハブ空港であるシンガポールチャンギ国際空港ターミナル新築工事。
  • 徹底的なデジタル化(顔認証システムと連動したチケット発券、出入国審査、搭乗手続き等の自動化)により、無人化・省人化を実現。
  • トランジットエリアは乗り換えに伴う空港の一時的な滞在者の商業空間として機能。
  • 大型スカイライト、吹抜空間、全面CWから注ぎ込む自然光と様々な種類の植物や緑化壁により、緑豊かなアトリウムとした。

データ

工期:2014年2月~2017年3月
発注者:チャンギエアポートグループ(CAG)
応募者:株式会社竹中工務店
関係企業:実施設計・施工:株式会社竹中工務店
建築申請・監理:SAA Architects
コンセプトデザイン:Benoy

評価のポイント

  • 1981年開港の第1ターミナルからチャンギ空港との繋がりを始め、シンガポールの発展と共に空港の維持更新を続け、大規模な第4ターミナルで緑豊かな最新鋭の空港を実現し、発注者から「竹中工務店は革新的工法も含め、最高の総合的提案を行った」と評価された。
  • 現地不動産協会設計施工請負約款に基づき、厳格かつ公平透明性を持った適切なガバナンスを実施し、運用時の経済性及び品質評価についても、現地機関から高評価を取得した。
  • 自社及び400社超のシンガポール国内外協力会社より1000人超のスタッフ、4000人超の作業員が従事するなど大規模な現地雇用を創出した。
  • ユニバーサルデザイン規制に基づいた設計の採用、搬入車輌経路の工夫、アイドリングストップの実施、省人化による省エネ等により社会面・環境面への配慮を行った。

SORA gardens Ⅰ

プロジェクトの概要

  • ベトナム経済の中心都市であるホーチミン市中心部から北に約30kmに位置するビンズン新都市開発における第一号物件。日本品質の分譲マンション建設。
  • 東急電鉄が現地デベロッパーのBECAMEX IDC社と合弁会社(べカメックス東急)を設立し、地域行政と一体となった都市開発を推進。
  • 公共交通指向型開発(TOD)実現のため、東急バスと連携しベカメックス東急バス(べカメックス東急100%子会社)が新都市・旧市街を結ぶバス交通の運行も実施。

データ

工期:2012年11月~2015年3月
発注者:BECAMEX TOKYU Co., LTD
応募者:BECAMEX TOKYU Co., LTD
関係企業:設計者:PTW Architects
施工者:Hoa Binh Corporation
施工監理コンサル:Meinhardt
積算コンサル:Apave

評価のポイント

  • 建築の日本的な設計・仕様・現場管理のみならず、開発後の管理運営や商業施設も現地から高い評価を得ており、ビンズン新都市におけるTOD開発の礎となる案件となった。
  • 単に「造ったら終わり」という不動産開発でなく、商業施設の開発運営、地域コミュニティ活性化のためのイベントの開催等、東急電鉄が日本で培ったTODのノウハウを存分に活かした日本型の都市開発を実施している。
  • ひび割れや汚れの発生が少ない粘性の高い塗料を使い、高温多湿な環境でのライフサイクルコストを低減したり、ベトナム人の嗜好を理解した上で、「Japan Quality」をコンセプトに日本的な要素を加味することで、日本らしさも感じられる現地の気候・風土に合った質の高い不動産を提供した。
  • 日本人のゼネコン経験者を現地に派遣し、現地の設計者、工事管理者等にOJTで指導を行い、技術移転と品質管理の徹底を行った。

ノイバイ国際空港第2旅客ターミナルビル新築工事 [ベトナム]

プロジェクトの概要

  • 年間利用者が急速に増加し続けるノイバイ国際空港のターミナル新築工事。
  • 旅客ターミナルビルの建築工事、高架橋などの土木工事、空港特殊設備、燃料供給システムを含む空港施設全体を一括で受注。
  • 早期開港を望む発注者の要望に応えるべく、竣工時期を3ヶ月前倒したほか、空港運営事業者とも密に連携し、空港の試運転を工期内で実施するなど、早期竣工と引き渡し後即日開港を実現。

データ

工期:2012年2月~2014年12月
発注者:ベトナム空港公社(ACV)
応募者:大成建設株式会社
関係企業:工事監理:株式会社日本空港コンサルタンツ(JAC)
施工者:大成建設株式会社-ビナコネックスJV
監修:株式会社日本空港コンサルタンツ(JAC)

評価のポイント

  • 大成建設の技術力と空港建設のノウハウが発揮された事業であり、「早期竣工と引渡し後即日開港」を実現した。
  • 貯蔵タンクから地下の配管を通じて給油する「ハイドラント給油設備」をベトナムで初採用。同設備の利用方法に係る技術指導を行う等、運用時のノウハウの提供も行い、効率的な空港の運営を促進した。
  • 社内で構築した「グローバル人材システム」を活用し、ベトナム人技術者を中心に世界10ヶ国から自社空港現場経験者450人を継続雇用し、日本の専門業者が技術やノウハウを指導。「安全意識を高めるための繰り返し教育」を実施し、日本的な安全管理のノウハウを伝えた。
  • 再利用を徹底した廃棄物量の低減や、竣工後の周辺環境の保全状況の調査・確認など、社会・環境面にも大きく配慮。Skytrax社が「世界で最も改善された空港」に選出するなど、国際的に高い評価を得た。

農村地域における安全な水の供給と衛生環境改善計画[セネガル]

プロジェクトの概要

  • 電気・水道等の生活基盤となるインフラが整備されていない農村地域において、安全な地下水を取水源とした給水施設および衛生施設を整備。
  • 深井戸掘削と揚水設備、高架水槽による重力式長距離配水管および各種公共水栓等の給水施設の新設。
  • 継続的維持管理を目的とした軽微な修理等を行政職員や地域住民に指導。学校や医療施設に設置した公共トイレや手洗い場における野外排泄の習慣改善や衛生環境の改善に寄与。

データ

工期:2016年4月~2017年8月
発注者:セネガル共和国
水省地方井戸局
応募者:株式会社日さく
関係企業:設計者:日本テクノ株式会社
施工者:株式会社日さく

評価のポイント

  • 1979年の進出時から長年の間に築かれたセネガルの施主や協力会社との信頼関係の下、現地協力会社の施工能力を活かしつつ、日本の建設マネジメントを組み込んで「質の高いインフラ」を実現し、セネガル政府の推進する給水と衛生の一体的な改善政策と軌を一にするプロジェクトで、女性や児童の労働となっている水くみの負担が軽減され、安全な水道水が供給されるようになった。現地テレビ局が本プロジェクトを取材する等、日本のプロジェクトとして高く評価されている。
  • 特に、水中モーターポンプの起動方式にオートトランスフォ起動を採用し、ライフサイクルコストを低減した点や、現場での単純作業では敢えて重機を使用せず、現地作業員を雇用したことを特に評価。
  • セネガルという日本では想定できないリスクがある中で、日本人技術者の常駐や作業員及び地域コミュニティとの綿密なコミュニケーションの実施で適切な工程管理を行った。

PAGE TOP