1. 2001年に発足した「国土交通省」に抱いたイメージについて
最近、当時の志望動機のメモを見つけました。「国、地域の安全を支える縁の下の力持ちである国土交通省」と書いていました。元々は都市計画専攻で、建設省に加えて、国土庁の説明会に参加していたので、省庁再編で一つの省になったことでより馴染みやすい役所になったと感じます。2. 印象に残っている国土交通省における出来事について
北陸にいることもあり、昨年の能登半島地震には衝撃を受けました。発災翌日の1月2日から、事務所の職員を、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)として能登半島に派遣しました。その後の豪雨もあり能登半島の被害が甚大でしたが、それだけでなく富山県や新潟県でも被害があり広域に影響が出た地震でもありました。能登から離れていますが、黒部峡谷鉄道が地震による落石で被災し、観光だけでなく、黒部峡谷周辺の様々な事業にも影響が出ています。当事務所で行っている砂防事業も影響を受けています。 また、福井県に出向している時に、県が整備する河内川ダムが竣工を迎えました。数十年かけて実施される事業において竣工のタイミングに携われたことは非常に印象に残っています。特に、治水事業では、長い年月をかけて進めていく事業が多く、「竣工」という機会に携わることは少ないのですが、ダム事業の完成に立ち会えたことは、貴重な経験だと思います。3. 印象に残っている自身が関わった業務について
今の事務所では2001年に竣工した宇奈月ダムの管理を行っています。国土交通省と同じく今年で25年目を迎えます。先日このダム建設に携わった方のお話を伺う機会があったのですが、建設中に大きな出水があったりと大変な事業だったようです。多くの方々の努力により建設された宇奈月ダムを上、流部からの崩壊土砂の対応を含め、大切に管理していく必要があると思います。昨年も大きな出水があり、4度洪水調節を行い、下流部を守りました。ダムを管理する立場として、そのことを地域の方々にも理解していただく必要があると感じました。
4.国土交通省がこの25年で変わったこと/変わらないこと
(変わったこと)5.これからの25年への抱負について
これまでも国内から国際関係まで幅広い業務に携わってきました。引き続き、分野を限定せず、その時にできることをしっかりと取り組んでいきたいです。また、これまでの仕事を通じた人との関わり、つながりを大切にしていきたいと思います。 25年後と言えば、なかなか完成の機会に立ち会う機会が少ない事業、例えばこの事務所の河川・砂防・海岸それぞれの事業について考えると、完成しているものも多いはずです。自分ひとりでは成しえないことも、年月をかけて多くの方の尽力により進み、地域の安全に貢献できる、その一部に自分も貢献している、そういった事を国土交通省で仕事をしていると実感できますし、自分が関わることができる間に少しでも進めたいと改めて思います。6. これからの国土交通行政を担う世代へのメッセージ
国土交通省の仕事は規模が大き過ぎるので、入省したばかりの頃は、そのうちのほんの一部しか携われていないと不安になることがあるかもしれません。徐々に全体が見えるようになってきて、どんどん面白くなってくる仕事だと思います。最初は、きちんと与えられた仕事ができているかという点ばかり気にしていましたが、経験を積むに従って、どの方向に進めるべきかを考え、その方向に周りを巻き込んで進めていくといった業務が増え、仕事が面白くなってきました。長い目で見て仕事に取り組むことが大切だと感じます。
7.その他、HP をご覧の方へのメッセージ
国土交通省は各地域に地方整備局や事務所等の機関があり、それぞれの機関が、その地域にあわせた情報を発信しています。組織が大きいため、何をしているのか把握しづらいかもしれませんが、ぜひ身近な機関のホームページやSNSをご覧いただき、業務内容や国土交通省について、少しでもご興味、ご関心を持っていただきたいと思います。 黒部河川事務所でも、下新川海岸や黒部川を上空から撮影した動画や宇奈月ダム建設時の様子、各事業の様子なども発信していますので、是非ご覧ください。