国土交通省の「現場力」紹介(現場職員インタビュー)
国土交通省の「現場力」紹介(現場職員インタビュー)
北海道開発局 開発連携推進課
現場職員インタビュー
スクラム除雪とi-Snow
主な略歴
- 1996(H8).4 国土交通省北海道開発局室蘭開発建設部静内道路建設事業所 採用
- 2019(H31).4 国土交通省北海道開発局建設部道路維持課 係長
- 2021(R3).4 国土交通省北海道開発局建設部道路維持課 係長
- 2023(R5).4 国土交通省北海道開発局帯広開発建設部道路計画課 課長補佐
- 2025(R7).4 現職
01 現在の業務概要
北海道の資源・特性を活かした地域の発展を支える
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現在の業務内容を教えて下さい。
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私は現在、北海道開発局(開発監理部開発連携推進課)にて、「北海道総合開発計画」に基づく業務を担当しています。
この計画では、北海道の資源・特性を活かして地域の活力ある発展を図るため「観光立国を先導する世界トップクラスの観光地域づくり」「地球温暖化対策を先導するゼロカーボン北海道の実現」「自然共生社会・循環型社会の形成」などが主要施策に位置づけられており、当課では、これら北海道の開発に資するポテンシャルの調査等の業務に取り組んでいます。
例えば、「地球温暖化対策を先導するゼロカーボン北海道の実現」という施策に関連し、道路排雪により集積された雪を冷熱エネルギーとして各種施設の冷房等に活用している事例があります。雪も自然エネルギー、つまり再生可能エネルギーの1つですが、まだ十分に活用されていないエネルギーの一つです。今後の更なる活用可能性等について、調査を進めています。
03 「スクラム除雪」に取り組む上で工夫した点
刻々と変わる情勢を見極め、効果の最大化を
- 「スクラム除雪」に取り組むにあたり、特に工夫された点は何でしょうか。
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「スクラム除雪」の実施個所の選定です。取組効果を最大限に発揮できる場所を特定する必要がありました。日々進捗していく道路排雪の作業計画を踏まえた市道と国道との道路排雪のタイミングを合わせることができる場所の確認、バス会社から提示された路線バス定期運行再開への必要条件(道路幅員の確保、路面悪路の解消、車両・歩行者の通行の安全確保など)を踏まえた現地状況の確認等、限られた時間の中で関係者との調整の上、実施箇所を決定しました。また、「スクラム除雪」の実施に向け、国道側の道路排雪作業に影響が生じない範囲で道路排雪計画を一部見直し、市道側の道路排雪とタイミングを合わせるなどの調整も行いました。
- 帯広市との連携はどのように進めましたか。
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通常、除排雪作業は、帯広市と帯広開発建設部それぞれが発注する除雪事業者が行いますが、「スクラム除雪」は“事前の準備期間も無くぶっつけ本番”の取組みのため、除雪事業者間の連携、現場作業時の安全確保が一番の課題でした。
今回の対応では、作業動作等に関する情報の一貫性を保つため、現場のオペレーションは帯広開発建設部で一元的に行いました。当日の作業の流れ、「スクラム除雪」実施区間での除雪機械の合流のタイミングや進入方向、安全業務を担う交通誘導員の配置と作業時の連携など密に確認しました。
また、当日は、報道関係者にも現地を公開したため、取材時の安全確保についても確認しました。
帯広市雪害対策本部参加状況
- 帯広市との連携において、特に難しく感じたことはなんですか。
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情報の錯綜を防ぐことです。帯広市は、大雪対応の総括窓口となる「雪害対策本部」と除雪現場を総括する担当部署の「土木室道路維持課」が対応しました。短期間で「スクラム除雪」の計画調整が必要となるため、情報伝達が伝言ゲームにならないように「土木室道路維持課」と直接連絡調整できるようにホットラインを構築し、調整結果を「雪害対策本部」に報告することで情報の統一を図りました。
04 「スクラム除雪」の反響
市民からの温かい声が励みに
帯広市の積雪状況
(スクラム除雪実施当時)
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「スクラム除雪」に取り組んだことで、どのような効果が得られましたか。
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大雪時には、広域的・連続的に除排雪機械が稼働します。特に道路排雪では、ダンプトラックや交通誘導員の確保は困難を極めます。
「スクラム除雪」では、市道側には除雪ドーザのみ準備していただき、国道側で準備しているロータリ除雪車、ダンプトラックと交通誘導員で十分に対応できたため、今回のように大雪時の対応では有効な取組だと感じました。
- 「スクラム除雪」の結果、地域の皆さんはどのような反応を示されましたか。
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「スクラム除雪」の実施後、帯広市内の道路排雪も進捗し、徐々に路線バスの定期運行が再開されることで、バス利用者の方々から「やっと動いてホッとした」「久しぶりにバスで移動できて、気分が晴れた」「バスは大事な交通手段、動いてくれて本当に良かった」など多くの温かいご意見を頂戴しました。
また、今回の大雪では、「スクラム除雪」のほかにも、帯広開発建設部(国道)では様々な対応を実施しました。予防的通行止めに始まり、道路排雪作業の予告に係るプレスリリース、作業の進捗状況に係るSNSでの情報発信など。また、帯広市道の運搬排雪作業を支援するため、除雪機械及びオペレータの派遣を行いました。
▼除雪機械等の派遣による道路除排雪支援の実施
帯広市道西5条通線除排雪作業
帯広市道西12条南乙線除排雪作業
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予防的通行止めの解除後、道路幅員確保のため速やかに道路除排雪に着手し、その進捗状況等を道路利用者の皆様に発信することで、安心感の醸成につながり、除雪事業者の皆様への感謝の声も含め、沢山の労いのコメントを頂戴しました。
大雪など日常と違う状況下では、現地の状況をこまめに情報発信していくことが非常に大切であり、また作業に対する理解を得る上でも有効であると改めて強く実感しました。
▼排雪作業前後
排雪前
排雪後
05 これからの除雪について
新技術による除排雪作業の効率化を追求
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「スクラム除雪」の今後についてお考えをお聞かせください。
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「スクラム除雪」は試行的な取組となりますが、今回、北海道開発局帯広開発建設部が大雪対応として実施した結果は、昨今の除雪機械の不足、人手不足への対策として有効な取組であると感じました。
一方で、市道からの雪だし作業を複数回繰り返す必要があり、国道側では雪の積み込み時に待ち時間が生ずるなどの課題も生じました。こうした作業効率の低下や道路管理者間の費用面の考え方など、今後、整理が必要であると感じています。
