第1編 総則 |
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第1章 計画の目的及び構成 |
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この計画は、災害対策基本法(昭和36年法律第223号以下「災対法」という。)第36条第1項、大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号以下「大震法」という。)第6条第1項及び東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法(平成14年法律第92号)第6条第1項の規定に基づき、国土交通省の所掌事務について、防災に関しとるべき措置及び地域防災計画の作成の基準となるべき事項を定め、防災対策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって民生の安定、国土の保全、社会秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする。 |
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○ |
この計画は、災害に関する経験と対策の積み重ね等により随時見直されるべき性格のものであり、必要に応じて修正を加えてゆくものとする。 |
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○ |
この計画は、現実の災害に対する対応に即した構成としており、第1編の総則に続いて、第2編を震災対策編、第3編を風水害対策編、第4編を火山災害対策編、第5編を雪害対策編、第6編を海上災害対策編、第7編を航空災害対策編、第8編を鉄道災害対策編、第9編を道路災害対策編、第10編を原子力災害対策編、第11編を河川水質事故災害対策編、第12編を港湾危険物等災害対策編、第13編を大規模火事等災害対策編、第14編をその他の災害に共通する対策編とし、それぞれ災害に対する予防、応急対策、復旧・復興のそれぞれの段階における諸施策を具体的に定め、また、第15編では、地域防災計画の作成の基準を掲げている。 |
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第2章 防災対策の基本方針 |
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我が国の国土は、地震、津波、暴風、豪雨、地すべり、洪水、高潮、火山噴火、豪雪などにより自然災害が発生しやすい自然条件下に位置する。また、急峻な山地、脆弱な地質等が存在する一方、稠密な人口、高度な土地利用等の社会的条件を併せもっている。このような自然的、社会的条件下にある我が国にとって、国土を保全し、国民の生命、身体及び財産を災害から保護する防災対策は、行政上最も重要な施策であり、その一層の強化を図る。また、社会、産業の高度化、複雑化、多様化に伴い、海上災害、航空災害、鉄道災害、道路災害、原子力災害、水質災害、港湾危険物等災害、大規模な火事等災害など大規模な事故による被害についても、防災対策の一層の充実、強化が必要であり、その推進を図る。 |
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○ |
防災対策は、都市化、高齢化、国際化、情報化等社会構造や社会経済情勢の変化に対して十分配慮しつつ推進するものとする。 |
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○ |
防災対策は、災害予防、災害応急対策、災害復旧・復興の一連の体系のなかで実施されていくものであり、それぞれの段階における体制の整備に加え、災害予防にあっては災害を未然に防止すること、災害応急対策にあっては、災害発生後の被害の拡大防止を図るための迅速かつ適切な応急対策、災害復旧・復興にあっては災害に強い国づくり・まちづくりを目指した本格的な災害復旧・復興が基本方針となる。 |
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○ |
災害予防、災害応急対策、災害復旧・復興のそれぞれの段階において、関係省庁、地方公共団体、関係公共機関、関係事業者との緊密な協力体制を確立し最善の対策をとることにより被害の軽減につなげるものとする。 |
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○ |
災害予防については、災害を防止し、又は災害が発生した場合における被害を最小限にするため、以下の施策を講じるものとする。 |
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災害に強い国づくり・まちづくりの実現に向け、交通・通信機能の強化については、施設の耐災化と多重性・代替性の確保、救援・復旧活動に資する緊急輸送体制の確立、全国的な輸送活動への影響の極小化が図られるよう努める。 |
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・ |
公共施設の維持管理を強化するとともに、国土保全事業を計画的かつ総合的に推進する等、発災時等に備えて、周到かつ十分な措置を講じることとする。 |
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避難地、避難路、防災拠点、安全な市街地等の整備及び防災街区整備事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業等による市街地の面的な整備等を推進するとともに、防災に配慮した土地利用の誘導等により、災害に強い国づくり・まちづくりを推進するものとする。 |
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近年の高度な交通システムや輸送体系の形成、トンネル、橋梁など道路構造の大規模化、原子力の発電への利用の進展、多様な危険物等の利用の増大、高層ビル、地下街等の増加等に配慮しつつ、事故災害の予防のための、安全対策の充実を図るものとする。 |
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災害発生時の災害応急対策、その後の災害復旧・復興を迅速かつ効率的に行うため、事前の体制整備、災害情報の迅速な収集システムの整備、資機材等の整備充実等を図るものとする。 |
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警戒避難基準、防災マップ等防災に関する情報の整備を図るとともに、地方公共団体、住民に提供するなど、災害から住民の安全を確保するように努めるものとする。 |
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防災教育、防災訓練等の実施による職員等の資質の向上に努めるとともに、関係事業者に対しても、職員の資質の向上に配慮するよう指導する。また、災害の未然防止と災害発生時の避難等に資するため、一般住民に対しても、防災訓練の参加、防災に関する講習会の実施、防災週間や各種の防災関連行事等を通じ防災についての広報活動を行い、防災知識の普及を図るものとする。 |
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災害及び防災に関する研究、観測等の推進を図り、防災対策の質的・技術的向上に努めるものとする。 |
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北海道総合開発計画に基づき災害に強い国土の形成をはかるため、防災のための施設等の広域的な整備に関する事項や、防災まちづくりに関する事項を十分考慮し、災害に強い地域づくりを総合的かつ一体的に推進するものとする。 |
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○ |
災害応急対策については、発災時において迅速かつ円滑な実施を図るため、以下を講じるものとする。 |
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災害発生直後の被害情報の早期把握体制を整備するため、通信手段の確保に万全を期すとともに、各省庁、地方公共団体、関係公共機関、関係事業者と連携し、災害情報の共有化・一元化に努めるものとする。 |
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専門技術をもつ人材等を活用し、施設、設備等の緊急点検を行い、これらの被害状況等を把握して、陸・海・空における交通の確保、二次災害の防止、施設の応急復旧をできるだけ早期に実施するとともに、関係行政機関、関係公共機関、関係事業者、被災者に適切な判断と行動を促す的確な情報を伝達するものとする。 |
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災害発生後、速やかな職員の参集により災害の規模に応じた応急対策の推進を図るとともに、円滑な救助・救急、医療及び消火活動等を支え、また被災者に緊急物資を供給するための、施設の応急復旧、障害物除去等による交通の確保、並びに優先度を考慮した緊急輸送、代替輸送の実施を図るものとする。 |
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大規模な災害に対しては、災害応急対策を総合的、効果的に行うため関係行政機関等と連携を図り、被災地域外からの人材及び災害対策用機械、船舶等の派遣等、応急復旧に対する広域的な応援体制を確保するものとする。 |
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○ |
災害復旧・復興については、以下の施策を講じるものとする。 |
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被災地域の災害復旧・復興の基本的方向の早急な決定と被災施設等の適切かつ速やかな復旧を図るため、事業を計画的に実施し、より安全で快適な環境を目指した国づくり・まちづくりを推進するとともに、復興への的確な貢献に努めるものとする。 |
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災害により被害を受けた事業者に対しては、その要望の把握に努めるとともに、その結果を踏まえ、必要に応じて、財政面、金融面等における、支援措置を検討するものとする。 |
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以上、これらの対策を総合的に講ずることにより、防災対策に万全を期するものとする。 |
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第3章 防災に関する組織・体制 |
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第1節 国土交通省防災会議 |
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国土交通省の所掌する防災に関する業務を的確かつ円滑に実施するため、国土交通省防災会議を設置するものとする。 |
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○ |
国土交通省防災会議の組織及び運営に関する事項については、別に定めるところによるものとする。 |
第2節 国土交通省地震災害警戒本部等 |
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○ |
大震法第9条に基づき、地震防災対策強化地域において地震災害に関する警戒宣言(以下「警戒宣言」という。)が発せられた場合において、国土交通省の地震防災上実施すべき応急の対策を推進するため、臨時に国土交通省地震災害警戒本部(以下「警戒本部」という。)を設置するものとする。 |
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○ |
この計画に定めるもののほか、警戒本部の組織及び運営に関する事項については、別に定めるところによるものとする。 |
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○ |
施設等機関及び地方支分部局の長は、警戒宣言が発せられた場合に所掌事務に係る地震防災応急対策の実施に関する総合調整を行うため、必要に応じて、警戒本部に準じた組織(以下「地震災害警戒本部」という。)を設置するものとする。 |
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○ |
施設等機関及び地方支分部局は、地震災害警戒本部を設置・廃止したときは、その旨を警戒本部等に連絡するものとする。 |
第3節 国土交通省非常災害対策本部及び国土交通省緊急災害対策本部等 |
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○ |
災対法第2条第1項に規定する災害(以下単に「災害」という。)が発生した場合において災害応急対策及び災害復旧のための活動を迅速かつ一体的に推進するため、国土交通省に、非常災害が発生したときは国土交通省非常災害対策本部(以下「非常本部」という。)を、著しく異常かつ激甚な非常災害が発生したときは国土交通省緊急災害対策本部(以下「緊急本部」という。)を、それぞれ臨時に設置するものとする。 |
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○ |
この計画に定めるもののほか、非常本部、緊急本部の構成及び運営に関する事項については、別に定めるところによるものとする。 |
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○ |
施設等機関及び地方支分部局の長は、災害が発生するおそれがある場合若しくは災害が発生した場合に、所掌事務に係る防災対策を推進するため、必要に応じて、非常本部及び緊急本部に準じた組織(以下「災害対策本部」という。)を設置するものとする。また、必要に応じ、現地に災害対策本部に準じた組織を設置するものとする。 |
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○ |
施設等機関及び地方支分部局の長は、他の地方支分部局等の所管区域内に災害が発生し職員を応援させる等の必要が生じた場合は、そのための応援本部等を設置することができるものとする。 |
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○ |
施設等機関及び地方支分部局は、災害対策本部等を設置・廃止したときは、その旨を非常本部又は緊急本部等
(以下「非常本部等」という。)に連絡するものとする。 |
第4節 国土交通省災害対策連絡調整会議 |
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○ |
国土交通省の災害対策等の推進について、機動的に各局間の連絡調整を行うため国土交通省に国土交通省災害対策連絡調整会議を開く。 |
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○ |
国土交通省災害対策連絡調整会議の組織および運営に関する事項については、別に定める国土交通省災害対策連絡会議設置要領によるものとする。 |
第5節 施設等機関及び地方支分部局の防災業務計画 |
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○ |
施設等機関及び地方支分部局の長は、防災基本計画及びこの計画に基づき、その所掌事務に関し必要に応じて防災業務計画を作成するとともに、毎年防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。 |
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○ |
施設等機関及び地方支分部局の長は、防災業務計画を作成又は修正したときは、速やかにこれを国土交通大臣に報告しなければならない。 |