平成12年12月20日現在
建 設 省
有珠山噴火に関する対応
1.建設省の体制
・3月28日12時00分:注意体制
・3月29日11時10分:緊急体制
・3月31日13時15分:建設省有珠山火山噴火災害対策本部
(本部長:河川局長)を設置
・3月31日17時00分:同本部会議を開催し、基本方針を決定
・4月 5日11時00分:第2回本部会議を開催
2.職員の派遣
・3月29日:有珠山現地連絡調整会議に本省防災・海岸課長他1名派遣(31日14時30分、有珠山噴
火非常災害現地対策本部へ変更)
・3月29日:観測体制強化のため国土地理院から3名派遣 (4月1日、6名を追加派遣)
・3月31日:政府調査団の一員として本省砂防部長他2名派遣
・4月 1日:有珠山土砂災害対策専門家チームとして、土木 研究所の専門家2名派遣
・4月 2日:有珠山土砂災害対策専門家チームに本省火山土石流対策官派遣
・4月13日:虻田町公共下水道復旧プロジェクトチームに本省下水道専門官派遣
・4月14日:公共土木施設被災状況の確認及び災害復旧工法指導のため本省総括災害査定官他1
名派遣
・4月19日:公共土木施設被災状況の確認及び災害復旧工法指導のため本省災害査定官派遣
・4月25日:国道、道央道、道道等の被災状況把握及び広域交通に関する情報収集のため、本省道
路防災対策室長他3名派遣
・4月27日:虻田町下水道施設被災状況等の調査のため土木研究所の専門家派遣
・5月 4日:有珠山土砂災害対策専門家チームに機械及び電気通信の専門家として本省から2名派
遣
・5月24日:有珠山土砂災害対策専門家チームに電気通信の専門家として本省から1名派遣
・6月6〜7日:河川局長、公共下水道課長、砂防課長、国道課 及び総括災害査定官を大臣現地調
査の随行として派遣
・7月13〜15日:北海道庁の行う被災建築物の調査のため建築研究所の専門家派遣
3.建設省の対応
関係機関と協力して、
@応急対応
○現地画像等の配信
3月28日より建設省多重無線通信回線及び衛星通信回線を使用して、官邸対策室や
国土庁などへ現地画像を配信するとともに、現地対策本部と官邸対策室、国土庁間の
TV会議を実施
○道路通行規制と迂回路の設定
・地元市町による避難勧告などの状況を踏まえた周辺道路の通行規制を行うとともに、
迂回路について道路利用者に情報提供
・避難地域の一部解除に伴う道路通行規制の一部解除
A観測体制の強化
○現地調査のための災害対策用ヘリコプターの派遣
現地調査のため関東地方建設局配備のヘリコプター「あおぞら」派遣(4月2日〜6月16日)
○GPSによる広域的な地殻変動観測
通常24時間間隔のGPS連続観測システムの解析を6時間間隔で緊急対応するとともに、
臨時観測点を8箇所(予備費で6カ所追加)増設
→3月28日から29日にかけて、基線長に約1cmの伸びを計測し、30日頃から4月3日頃に
かけて基線長に約8cmの縮みを計測。
○測角、測距などによる有珠山の局所的な地殻変動の観測
・有珠山北西部の活動域での局所的な地殻変動を観 測(4月8日より)
→有珠山北西部で北東〜南西方向に開く変動、顕著な隆起を観測
○水準測量による上下変動の把握
5月12日から実施した有珠山周辺の第1回目の水準測量により、昭和新山南麓で約30cm
の最大隆起を確認。6月13日から実施した第2回目の観測で、第1回目で大きな隆起が見
られた昭和新山南麓等で約1cmの沈降を確認。
8月23日から実施した第3回目の観測では、昭和新山南麓で約10mmの沈降、東有珠町で
12mmの沈降となっており、6月以降も噴火後の有珠山周辺の沈下傾向が続いていることを
確認。
○空中写真撮影及び地形変化の計測
(3月31日、4月3日、18日、26日、5月19日、25日、6月12日、16日7月10日及び8月14日)
空中写真測量により、噴火前の山頂周辺で隆起を確認(3月31日)
噴火後、火口付近で著しい変動を確認(4月3日)
(18日時点で最大34.2mの隆起、26日時点で最大39.4mの隆起と20mの水平変動)
5千分の1国土基本図11面中7面は9月8日に完成。残り4面は11月28日に完成。
○人工衛星画像解析による地形変化の計測
西山周辺の大きな地殻変動を人工衛星画像からも面的に確認、平均的に約10mの隆起、
西山北西部で北へ5m、南西部で南に5m移動
○地形の変化をより詳細に把握するためのレーザー測量の実施
3月31日に実施し、噴火前のデータを図化
→ 図面等を現地対策本部等へ提供
4月26日に第2回レーザー測量を実施
→ 噴火後の隆起範囲、隆起量を面的に把握(最大隆起量約65m)
○予備費によるGPSの増設等の観測体制の強化
・水準測量の繰り返し実施
火山活動に伴う上下方向の地殻変動の様相を高精度で測量
・測距自動観測システムによる連続観測の実施
マグマ上昇に伴う湖岸のせり出しを監視
・GPSによる地殻変動観測の強化
新たにGPS機動連続観測装置(4点)及びGPS火山変動リモート観測装置(2点)を設置
・航空磁気測量による地下の熱分布調査
・空中写真による地形変化の計測
○基準点改測
・9月7日から有珠山周辺の基準点(三角点)の改測作業を実施中し、10月20日に終了。
B避難生活、被災者への支援
○既設公営住宅空家の活用及び応急仮設住宅の供与の実施支援
被災者、避難者の住宅対策として、応急仮設住宅の供給( 730戸程度)、道による周辺
市町内の公営住宅 空家の活用( 370戸程度)のほか、全道内の公営住宅空家への優先
入居( 730戸程度)の円滑な実施を支援
○被災した住宅金融公庫融資利用者に関する据置
被災した住宅金融公庫融資を利用している方に対し、支払いの猶予、据置期間の設定、
同期間中の金利の引下げ、償還期間の延長を措置(4月7日)
○被災住宅の再建のための災害復興住宅融資
住宅の改修、建替えなど被災住宅の再建に対応できるよう住宅金融公庫の災害復興住
宅融資の受付開始 (5月29日〜)
○高速道路の無料通行措置及び緊急避難路の確保
・道央道、長万部IC〜虻田洞爺湖仮出入口及び伊達IC〜室蘭IC間のみを通行する避難
住民に対する無料通行措置を実施(4月5日9:00〜、7月13日12:00〜一部区間変更)
・道央道を活用した緊急避難路の確保
・洞爺トンネル西側抗口付近の工事用車両進入路を活用して、長万部方面への避難路の確保
(4月18日)
・伊達市東有珠地先において、市道大平通り線からの進入口を設け室蘭方向への避難路を
確保(5月3日)
・伊達市北有珠地先において、虻田町道入江49号線からの進入口を設け室蘭方向への
避難路を確保(5月26日)
C道路交通機能確保の強化
○道央道虻田洞爺湖仮出入口供用開始
豊浦IC〜虻田洞爺湖仮出入口間の通行規制区間を解除し、長万部方面への利便性の
向上を図った。(7月13日〜)
○国道230号の代替機能の確保
国道230号を代替している道道豊浦洞爺線及び道道豊浦京極線の一部(洞爺村字香川
32番1〜豊浦町字旭町145番2(15.276km))を国道230号へ編入し、直轄事業により所要の
整備及び管理を実施
○避難路の確保
町道虻田幌萌線を道道洞爺虻田線へ編入し、北海道により所要の整備及び管理を
実施(主体:北海道)
○公共事業等予備費による整備
公共事業等予備費による迂回路、避難路等の整備を図る。
D熱泥流及び二次泥流(土石流)への監視・観測・緊急的対応
○土砂災害対策専門家チームによる調査
有珠山土砂災害対策専門家チームによる火山泥流等の発生の危険性の変化の把握、
対策に必要な基礎調査の実施及び関係機関への情報提供(4月3日から)
○有珠山土砂災害対策検討委員会の設置
4月20日「有珠山土砂災害対策検討委員会(委員長:新谷融北大教授)」を設置
(委員会4回、幹事会6回)
・緊急的に実施すべき対策とその技術的検討
・降灰分布、地盤変動等の状況を踏まえた現砂防計 画の見直しの検討
・泥流危険区域の設定及び警戒・避難基準雨量の見 直し等
○GPS搭載無人ヘリコプターによる調査を実施
土木研究所による板谷川の泥流対策検討のため無人ヘリコプターによる調査飛行を
実施(4月24日〜26日)
○板谷川下流部で有人による泥流対策を実施
4月24日から5月30日まで板谷川の既存の遊砂地の容量確保のための掘削及び土砂
流出防止のための大型土のうの設置を有人により実施(主体:北海道)
○板谷川上流部で緊急対策を無人化施工で実施
・板谷川の遊砂地を災害関連緊急砂防事業(事業費 837百万円)で4月25日に採択
し、5月1日から着手
・板谷川上流部等で砂防ダム3基、流路工等の災害関連緊急砂防事業
(事業費2,520百万円)を6月23日に採択し8月4日から着手
・板谷川上流部で砂防ダム1基の災害関連緊急砂防事業(事業費150百万円)を
9月4日に採択
○西山川で緊急対策のため災害復旧工事等を実施
・具体的な施工計画を詰めるための現地調査に着手(5月1日〜)
・無人化施工のための調査工事に着手(5月22日〜)
・無人化機械の走行開始(6月4日〜)
・無人化機械による町道こんぴら橋撤去作業終了(7月2日)
・避難指示解除区域の西山川流路工内堆積土砂掘削を有人機械により実施
(7月7日〜7月19日)
・避難指示区域内の西山川流路工内堆積土砂掘削を無人化機械により実施
(7月10日〜11月11日)
・西山川流域において緊急導流堤の施工を無人化にて実施中(10月20日〜)
○火山砂防激甚災害対策特別緊急事業の創設
E避難指示一部解除に伴う安全対策と生活基盤の整備
○板谷川流域の泥流警戒体制の整備
・板谷川遊砂地脇に雨量計を設置し観測を開始(4月23日から)
・板谷川遊砂地上流に土石流検知センサーを設置し 監視を開始(4月29日から)
・警戒基準雨量を設定し、現地本部及び虻田町の避 難体制を支援
降灰、火砕物の堆積により土砂流出が予想される 板谷川流域において泥流警戒
基準雨量を設定
4/21設定 1時間雨量5mm、連続雨量20mm
5/19修正 〃 10mm、 〃 50mm
・板谷川周辺地域で降雨に伴う泥流に対する避難区域、警戒区域、注意区域を設定
(6月22日)
○洞爺湖温泉街地域の泥流警戒体制の整備
・洞爺湖湖畔小有珠の右の川付近に雨量計を設置し観測を開始(7月4日から)
・警戒基準雨量を設定し、現地本部及び虻田町の避難体制を支援
・降灰、火砕物の堆積により土砂流出が予想される西山川流域において泥流警戒基準雨量を設定
6/29設定 1時間雨量5mm、連続雨量20mm
7/19修正 1時間雨量10mm、連続雨量50mm
・西山川周辺地域で降雨に伴う泥流に対する避難区域を設定(7月19日)
○虻田町公共下水道復旧プロジェクトチームによる 支援と応急復旧
・本町地区については、4月15日から簡易処理による汚水処理を実施し、7月10日か
らは応急工 事により二次処理を再開。(主体:虻田町)
・虻田町公共下水道トンネルの復旧完了に時間を要するため、洞爺湖温泉地区では暫
定処理施設により7月1日から汚水処理を実施し、11月1日からは、仮設処理場を
共用開始。(主体:虻田町)
○公共土木施設の早期復旧のための災害査定の実施
・泥流対策、避難路確保等、早急に対策が必要な箇所について緊急的に災害査定を実施
(5月10日〜12日)
・伊達市公共下水道についても災害査定を実施(5月16日〜17日)
・河川、道路施設に対する災害査定を実施(6月13日〜16日)(7月10日〜14日)
(7月31日〜8月4日)(8月28日〜9月1日)(11月13日〜17日)
・虻田町公共下水道及び公園に対する災害査定を実施(9月11日〜14日)
(10月18日〜20日)(11月27〜29日
○洞爺湖温泉街地域の堆積土砂排除
・避難指示解除区域の国道の堆積土砂排除を災害復旧事業として実施
(7月9日〜7月10日)
・避難指示解除区域の道道、町道の堆積土砂排除を災害復旧事業の応急本工事
として実施
[主体:北海道、虻田町](4月13日〜7月27日)
・避難指示解除区域の宅地内の堆積土砂排除を実施[主体:虻田町](7月4日〜)
4.復旧に向けた動き
@二次泥流(土石流)・熱泥水対策
○板谷川及び西山川における二次泥流(土石流)・熱泥水の規模の把握及び対策
A虻田町公共下水道の復旧
○虻田町公共下水道トンネルの復旧準備中
B被災した道路の復旧
○道央道の不通区間について、現在、二次災害防止の為の工事、早期の復旧に向けた詳細な
被災状況の調査及び、調査結果を踏まえた復旧方法の検討を専門家をまじえ検討中。今後
とも火山活動状況、地殻変動状況を見極めながら早期復旧に向け全力で対処。
○被災した道路橋等の施設のうち、避難路等の確保のため早急に復旧が必要な箇所について
災害復旧事業として対策を実施。
C被災建築物の調査
○北海道庁の行う被災建築物の調査について技術支援 (7月13日〜7月15日)