駅ホームにおける安全性向上のための検討会 中間とりまとめ 平成28年12月 【目次】 1. はじめに ...2 2. 駅ホームにおける安全対策等の現状 ...3 (1) 駅ホームからの転落に関する状況 ...3 (2) 駅の利用者数別のホーム転落状況 ...4 (3) 視覚障害のある人に係る駅の利用者数別のホーム転落状況 ...5 (4) 駅ホームにおける安全対策に関するこれまでの取組 ...6 3. 駅ホームにおける更なる安全性向上に向けた対策 ... 11 (1) ハード面での対策 ... 11 @ ホームドアの整備 ... 11 A 新しいタイプのホームドアの普及促進 ...13 B 頭端駅における固定柵の設置拡大 ...14 C 内方線付き点状ブロックの整備促進 ...14 (2) ソフト面での対策 ...15 @ 駅員等による誘導案内の強化と接遇能力の向上 ...15 A 旅客による視覚障害のある人に対する配慮の促進 ...16 B 一般国民による視覚障害のある人への心のバリアフリーの理解促進 ...17 C 盲導犬の育成及び盲導犬貸与希望者等の駅における訓練への協力 ...18 (3) その他の安全性向上に資する考え方 ...18 4. おわりに ...20 (参考資料) ...21 1. はじめに 駅ホームにおける転落事故防止への取組は、視覚障害のある人をはじめ、全ての旅客にとって、大変重要な課題である。このため、これまでもホームドア1の整備などのハード対策や鉄道利用者による視覚障害のある人への声かけの啓発といったソフト対策など転落事故防止に向けた対策がなされてきた。 このような中、平成28年8月15日、東京地下鉄銀座線青山一丁目駅において、盲導犬を連れ、ホーム上を歩いていた視覚障害のある人が線路内に転落し、亡くなられる事故が発生した。また、同年10月16日にも近畿日本鉄道大阪線河内国分駅において、視覚障害のある人が線路内に転落し、亡くなられる事故が発生した。 このため、国土交通省としては、平成28年8月26日に「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」を設置し、ハード・ソフト両面からの転落防止に係る総合的な安全対策の検討を行ってきた。 本検討会では、6回にわたって議論を行い、視覚障害者団体や有識者等の意見も踏まえつつ、安全の確保は輸送の最大の使命であるとの決意のもと、転落防止対策について検討し、今般、その結果を中間とりまとめとして整理した。 1 本文中に出てくる「ホームドア」とは、ホームドア及び可動式ホーム柵の総称として使用している。 2. 駅ホームにおける安全対策等の現状 (1) 駅ホームからの転落に関する状況 近年の鉄道駅のホームからの転落、そして転落して列車と接触する事故等の発生状況は以下のとおりである。直近の平成27年度におけるホームからの転落件数2は、3,518件であり、このうち視覚障害のある人の転落件数は94件である。 また、人身障害事故3のうち、「ホームから転落して列車等と接触」したものと「ホーム上で列車等と接触」したものを合わせた「ホームでの接触事故」の件数は、198件で、このうち視覚障害のある人の件数は0 件である。 図1 ホームからの転落件数の推移 図2 ホームでの接触事故件数の推移 平成22年度から27年度におけるホームからの転落件数の推移と、ホームでの接触事故件数の推移を比較した場合、転落件数において長期的な増加傾向が見られることに対して、接触事故件数は横ばい傾向にある。これは、転落をしたが列車との接触には至らないケースが増えてきたとも考えられる。 2 ホームからの転落件数は、プラットホームから転落したが列車等と接触しなかった件数。 自殺等故意にホームから線路に降りたものは含まれない。 3人身障害事故は、列車又は車両の運転により人の死傷を生じた事故をいう。(鉄道事故等報告規則第3条第1項第六号) (2) 駅の利用者数別のホーム転落状況 直近の平成27年度におけるホーム転落・接触事故件数(事故に至らないホームからの転落及びホームでの接触事故の件数の合算)の3,716件(ホーム転落3,518件、ホームでの接触事故198件)について、駅の利用者数(1日あたりの平均的な利用者数)との関係を以下に示す。 図3 ホーム転落・接触事故件数に係る構成割合 (駅の利用者数別) (注)ホーム転落・接触事故件数(平成27 年度):3,716 件 駅の利用者数 10万人以上 10万人未満〜5 万人以上 5万人未満〜1万人以上 1万人未満〜5千人以上 5千人未満〜3千人以上 3千人未満 ホーム転落・接触事故件数(a) 1,765 562 1,075 150 66 98 駅数(平成27年度末数)(b) 260 308 1,563 755 656 5,945 一駅当たりのホーム転落・接触事故件数(a/b) 6.788 1.825 0.688 0.199 0.101 0.016 表1 一駅当たりのホーム転落・接触事故件数 (注) ホーム転落・接触事故件数(平成27 年度):3,716 件 駅の利用者数と、ホーム転落・接触事故件数の関係をみると、利用者数1万人以上の駅(以下「1 万人以上の駅」という。)において、ホーム転落・接触事故件数(3,716件)の91.6%が発生している。このうち、一駅当たりの事故発生件数でみると、利用者数10万人以上の駅(以下「10万人以上の駅」という。)が最も多く(6.788件/駅)、次位の5〜10万人の駅(1.825件/駅)の約3.7倍、次々位の1〜5万人の駅(0.688件/駅)の約9.9倍発生している。 (3) 視覚障害のある人に係る駅の利用者数別のホーム転落状況 視覚障害のある人に係る一連の人身障害事故に鑑み、特に、視覚障害のある人によるホーム転落・接触事故に着目し、視覚障害のある人のホーム転落・接触事故件数481件(平成22年度〜27年度。ホーム転落471件、ホームでの接触事故10件。)について、駅の利用者数との関係を以下に示す。 図4 視覚障害のある人のホーム転落・接触事故件数に係る構成割合(駅の利用者数別) (注)視覚障害のある人のホーム転落・接触事故件数(平成22〜27 年度):481 件 駅の利用者数 10 万人以上 10万人未満〜5万人以上 5万人未満〜1万人以上 1万人未満〜5千人以上 5千人未満〜3千人以上 3千人未満 ホーム転落・接触事故件数(a) 171 76 174 31 10 19 駅数(平成27 年度末)(b) 260 308 1,563 755 656 5,945 一駅当たりのホーム転落・接触 事故件数(a/b) 0.658 0.247 0.111 0.041 0.015 0.003 表2 視覚障害のある人の一駅当たりのホーム転落・接触事故件数 (注) 視覚障害のある人のホーム転落・接触事故件数(平成22〜27 年度):481 件 駅の利用者数と、視覚障害のある人のホーム転落・接触事故件数の関係をみると、1万人以上の駅において、視覚障害のある人のホーム転落・接触事故件数(481件)の87.5%が発生している。このうち、一駅当たりの事故発生件数でみると、10万人以上の駅が最も多く(0.658件/駅)、次位の5〜10万人の駅(0.247件/駅)の約2.7倍、次々位の1〜5万人の駅(0.111件/駅)の約5.9倍発生している。 (4) 駅ホームにおける安全対策に関するこれまでの取組 @ 非常停止押しボタン等の整備 駅ホームにおける安全対策については、平成13年1月に発生したJR山手線新大久保駅での転落事故を踏まえ、@非常停止押しボタン又は転落検知マットの設置及びAホーム下待避スペース又はステップの設置が進められてきた。 これらの対策については、平成26年度までに、対象となる2,072駅4の全てに整備されている。 4 非常停止押しボタン等の整備については、ホームへの列車の進入速度が概ね60km/h 以上、かつ、運転本数が1時間あたり概ね12本以上の列車が通過又は停車するホームが対象。 図5 非常停止押しボタン等の整備率の推移 A 移動等円滑化基準及び移動等円滑化の促進に関する基本方針 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律及び同法に基づく移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準を定める省令において、鉄道駅の新設又は大規模な改良を行うときは、ホームドア又は点状ブロックその他の視覚障害者の転落を防止するための設備を設ける、としている。また、同法に基づく移動等円滑化の促進に関する基本方針(平成23年3月改正)において、利用者数3千人以上の駅(以下「3千人以上の駅」という。)について、平成32年度までに、原則として全てについて、ホームドア、点状ブロックその他の視覚障害者の転落を防止するための設備の整備を含むバリアフリー化を実施する、としており、ホームドアについては、視覚障害者の転落を防止するための設備として非常に効果が高く、その整備を進めていくことが重要であり、車両扉の統一等の技術的困難さ、停車時分の増大等のサービス低下、膨大な投資費用等の課題について総合的に勘案した上で、優先的に整備すべき駅を検討し、地域の支援の下、可能な限り設置を促進する、としている。 B 「ホームドアの整備促進等に関する検討会」中間とりまとめ 平成23年8月の「ホームドアの整備促進等に関する検討会」の中間とりまとめ(以下「平成23年の中間とりまとめ」という。)においては、利用者数が多い駅及び視覚障害者団体からの要望が高い駅について、転落防止対策を優先して実施することが望ましい、としている。 利用者が多い駅については、1万人以上の駅で鉄道人身障害事故件数の約8割が発生しており、このうち、1駅あたりの事故発生件数は10万人以上の駅が最も高いことから、転落防止対策を優先して実施することが望ましいと考えられる駅における整備の進め方について、以下のとおり整理している。 A)1万人以上の駅 ・ 内方線付き点状ブロックの整備等の転落防止対策を可能な限り速やかに実施するよう努める。 B)10万人以上の駅 ・ ホームの状況等(混雑度、形状、運用状況、人身障害事故の発生状況)を勘案しつつ、ホームドア又は内方線付き点状ブロックの整備を優先して速やかに実施するよう努める。内方線付き点状ブロックは、夜間の限られた時間内にしか整備できない施工時間の制約やホーム数が多数存在する等の施工規模の問題等を考慮し、概ね5年を目処に整備するよう努める。 ・ 車両の扉位置が一定しており、車両を自動的に一定の位置に停止させることができ、ホームの構造が旅客の円滑な流動に支障を及ぼすおそれがない等により、ホームドア設置が可能な駅は、停車時分の増大等によるサービス低下や莫大な投資費用等の課題の検討を踏まえつつ、整備を優先するよう努める。 また、国は、鉄道事業者によるホームドア等をはじめとする転落防止対策の整備について、地方公共団体に対して、鉄道を利用する地域住民の福祉の増進を図る観点からその支援を求めるとともに、必要な支援を行うことにより、その促進を図るよう努める、としている。 C 転落防止設備の整備状況 平成27年度末現在、転落防止設備の整備状況は以下のとおりとなっている。 ホームドア 内方線付き 点状ブロック 点状ブロック等 10 万人以上の駅(260 駅中) 82駅 172駅 6駅 1 万人以上の駅 (2,131 駅中) 445駅 1,197駅 489駅 3 千人以上の駅(3,542 駅中) 611駅 1,749駅 1,089駅 表3 転落防止設備の整備状況 3千人以上の駅における点状ブロックを含む転落防止設備の整備については、概ね完了している。 内方線付き点状ブロックについては、10万人以上の駅において概ね5年で整備するという平成23年の中間とりまとめの目標を概ね達成しており、1万人以上の駅においても、相当程度整備が進展している。 ホームドアについては、10万人以上の駅における整備率は約3割であり、更なる取組が必要な状況となっている。 図6−1 ホームドアの整備推移(10万人以上の駅) 図6−2 ホームドアの整備推移(全駅) 図7 内方線付き点状ブロックの整備推移(ホームドア未整備駅) 図8 ホームドア及び内方線付き点状ブロックの設置例 (出典:「ホームドアの整備促進等に関する検討会」中間とりまとめ概要) D その他 「心のバリアフリー」に関する取組としては、平成23年より例年、全国の主な鉄道事業者と連携し、視覚障害のある人などに対し、積極的な声かけやご案内を呼びかけることで、転落事故を防ぐことを目的とした、「鉄道利用マナーUPキャンペーン」を実施している。 図9 マナーUPキャンペーンのポスター例 (出典:平成27年度「鉄道利用 マナーUPキャンペーン」 国土交通省報道発表資料) この他にも、ホームドアの整備促進に関し、車両扉位置の相違、オーバーラン等による停止位置のズレなどが課題となっていることを踏まえ、新型ホームドアの技術開発も進められてきた。(詳細は別添「新型ホームドア導入検討の手引き」による) 3. 駅ホームにおける更なる安全性向上に向けた対策 2.において示したとおり、駅ホームにおける安全対策については、ホームドア等のハード面、及び「心のバリアフリー」等のソフト面の両面において、取組が進められてきた。しかしながら、ホームからの転落事故が依然として発生している状況であり、今年度発生した視覚障害のある人の一連の転落事故を契機として、駅ホームにおける更なる安全性向上に向け、引き続き、ハード・ソフト両面から以下の取組を進める。 ハード面については、引き続き、ホームドアと内方線付き点状ブロックの整備を中心に転落防止対策を講じ、その整備の加速化を図る。 ソフト面については、駅員等による乗車・降車の誘導案内を中心に転落防止対策を講じる。 転落防止対策を計画的に進めるため、鉄道事業者は、毎年度、ホームドアや内方線付き点状ブロックの整備等のハード面、駅員等による誘導案内等のソフト面の視覚障害のある人の転落防止対策に関する方針、計画を策定する。また、国土交通省において、本検討会を活用してその進捗管理を実施し、その取組状況を公表するとともに、好事例を水平展開するなど事業者の積極的な取組を促進していく。 (1) ハード面での対策 @ ホームドアの整備 平成23年の中間とりまとめにおいて、10万人以上の駅においては、ホームドア又は内方線付き点状ブロックの整備による対策を実施し、車両の扉位置が一定している、車両を自動的に一定の位置に停止させることができる、ホームの構造が旅客の円滑な流動に支障がない(ホーム幅を確保できる)等ホームドアの設置が可能な駅においては、停車時分の増大等のサービス低下や莫大な投資費用等の課題の検討を踏まえつつ、整備を優先するよう努める、としている。 2.(2)及び(3)の転落状況や10万人以上の駅のホームドアの整備状況を踏まえ、引き続き、10万人以上の駅を優先してホームドアの整備を進めていくこととし、その上で、さらに取組を拡大し、10万人以上の駅のうち、車両の扉位置が一定している、ホーム幅を確保できる等の整備条件を満たしている駅については、内方線付き点状ブロックではなく、ホームドアの整備を行う。また、整備条件を満たしていない駅についても、満たすための方策の検討を行い、これらについて、整備の促進を図っていく。 10万人未満の駅については、転落事故の発生状況、視覚障害のある人の利用状況や整備要望、ホームの混雑状況等を勘案した上で、優先的な整備の必要性を検討する。 すでに整備中の駅や整備計画のある駅については、工程を精査し、1日でも早い完成を目指す。 こうした取組により、交通政策基本計画(平成27年2月閣議決定)において、平成32年度に約800駅としている整備目標について、できる限りの前倒しを図る。 【具体的措置】 ○10万人以上の駅(※)について、以下のとおりホームドアの整備を進める。 (ア) 車両の扉位置が一定している、ホーム幅を確保できる等の整備条件を満たしている場合、原則として平成32年度までに整備する。 (イ) 整備条件を満たしていない場合、新しいタイプのホームドアの導入や、車両の更新により扉位置を一定させる等整備条件を満たすための方策の検討を行い、(i). 新しいタイプのホームドアにより対応する場合、下記Aの「新型ホームドア導入検討の手引き」により導入を促進することとし、概ね5年を目途に整備又は整備に着手する。 (ii). 車両更新により対応する場合、更新完了後、速やかに整備する。 (iii). ホーム幅の確保が困難であること、車種や編成組成が異なる列車の混在が多いため扉位置を一定させることができず、その解消が困難であること等により、ホームドアの整備ができない場合、3.(2)ソフト面での対策を重点的に実施する。 (ウ) 駅の改良を実施中又は予定している駅については、完了時に上記に準ずる。 ○ 引き続き、10万人以上の駅を優先してホームドアの整備を進めていくこととし、10万人未満の駅については、駅の状況等を勘案した上で、10万人以上の駅と同程度に優先的な整備が必要と認められる場合には、整備を行う。 ○ ホームドアの整備にあたっては、バリアフリー化の推進が鉄道事業者の課題のみならず、地域の課題であり、我が国全体の課題でもあることから、国は、鉄道事業者に対して必要な支援を行うことにより整備の促進に努めるとともに、地方公共団体に対して支援を求めることとし、引き続き、国及び地方公共団体の支援のもと、国、地方公共団体、鉄道事業者による三位一体の取組により進めていく。 (※)ホームの利用者数や運用状況等から優先的な実施を必ずしも必要としないホームを除く。 A 新しいタイプのホームドアの普及促進 車両扉位置の相違、オーバーラン等による停止位置のズレ、高額な設置コストなど、ホームドア導入に向けた様々な課題を解決するため、新しいタイプのホームドアの技術開発が進められている。このうち、昇降ロープ式については、JR西日本 六甲道駅(3ドア車両と4ドア車両が混在)や高槻駅(2ドア特急車両と3ドア車両が混在)において既に導入されており、続いて、京都駅、三ノ宮駅での設置が予定されている。また、扉位置の相違への対応のみならず、低コストで設置可能なタイプの技術開発も進められており、今後のホームドアの整備の加速化が期待されるところである。 こうしたなか、国土交通省では、新しいタイプのホームドアの導入促進のため、これまでの技術開発の過程で得られた技術情報をとりまとめた『新型ホームドア導入検討の手引き』を作成したところである。 なお、以下のとおり、本検討会で行った視覚障害者団体等からのヒアリングにおいて、一部の団体から新しいタイプのホームドアに対する不安感や改善に関する意見・要望をいただいたが、他方では、従来型のホームドアが設置できないホームにおける安全性の確保や、設置コストの低廉化により整備の加速化が図られるなどの理由で新しいタイプのホームドアの導入に高い期待を寄せる意見も見受けられる。 〔一部の視覚障害者団体からの声〕 ・ 開口部の広い昇降式ではドア位置がわからない。 ・ 横開きと違って上から降りてくる恐怖感がある。 ・ 近接防止センサ等の警告音の反応が過剰であり杖でドアの存在を確認しながら歩くことが難しい。 〔視覚障害者団体からの声に対する配慮事項の例〕 ・ 過剰な警告音を抑止する近接防止センサの稼働条件の設定 ・ 車両扉位置を示す表示方法の工夫 等 【具体的措置】 ○ 従来からの導入課題を解消する新しいタイプのホームドアについては、転落事故の防止という観点においては有効性があると考えられることから、利用者への配慮を踏まえながら、積極的に普及を促進する。 ○ 鉄道事業者等は、従来型のホームドアの導入困難な駅ホーム等について、@(イ)(@)に基づき、『新型ホームドア導入検討の手引き』等を活用し、新しいタイプのホームドアの導入を検討する。なお、既に一部の駅で導入されている昇降ロープ式やその他の方式により、ホームや旅客の流動の状況に応じた導入の検討を行うとともに開発等を通じて得られた技術情報は、広く関係者と共有する。 ○ コスト低減等による一層の普及促進のため、国土交通省と鉄道事業者等による「新型ホームドアに関する技術WG(仮)」を設置する。 B 頭端駅 における固定柵の設置拡大 平成23年の中間とりまとめにおいて、ホームドア等の整備が困難な場合、内方線付き点状ブロックと併設する固定柵(中略)等の対策を総合的に組み合わせ可能な限り速やかに実施することにより、転落防止対策の効果をより一層高めることが望ましい、としている。 固定柵については、列車への乗降部分が開口部として残ることに対する視覚障害のある人からの不安の声があるが、頭端駅端部における開口部への設置については、こうした不安がないことから固定柵の設置は有用であり、それらの箇所への設置を推進する。 【具体的措置】 ○ 1万人以上の頭端駅について、ホームドア整備の具体的な計画がある駅や駅の改良を実施中又は予定している駅を除き、線路終端部側の列車の止まらない箇所への固定柵の設置を原則として平成32年度までに実施する。  頭端駅:線路終端側に向けて旅客流動のある(改札口や階段等がある)ホームを有する駅(切欠きホームを有する駅を含む) C 内方線付き点状ブロックの整備促進 平成23年の中間とりまとめにおいて、1万人以上の駅について、内方線付き点状ブロックの整備等の転落防止対策を可能な限り速やかに実施するよう努める、としており、これまで整備を進めてきた結果、相当程度整備が進展してきたところである。 内方線付き点状ブロックは、ホームドアの整備に比して、技術面、コスト面の課題は少ないことから、三位一体の取組を基本として速やかに整備を進める。 また、3千人以上の駅について、点状ブロックを含めた転落防止設備の整備は概ね完了しているものの、ホームドア未整備駅における内方線付き点状ブロックの整備率は約6割であり、今後、三位一体の取組を基本として、3千人以上の駅についても更なる整備を進めていく。 【具体的措置】 ○ 1万人以上の駅について、ホームドア整備の具体的な計画がある駅や駅の改良を実施中又は予定している駅を除き、平成30年度までに整備する。 ○ 3千人以上の駅について、視覚障害のある人の転落事故の発生状況や視覚障害のある人の利用状況等を勘案した上で、可能な限り速やかに整備する。 ○ 駅の新設・大改良により、新たに点状ブロックを敷設する場合や既設の点状ブロックを更新する場合には、確実に内方線付き点状ブロックを整備する。 ○ 引き続き、国、地方公共団体、鉄道事業者による三位一体の取組を基本として、整備を進めていく。 (2) ソフト面での対策 以上のとおり、今後、ハード面での対策を強化していくこととするが、当該対策が完了するまでの間、ソフト面での対策について、以下のとおり、より一層力を入れて取り組むこととする。 @ 駅員等による誘導案内の強化と接遇能力の向上 鉄道事業者は、ホームからの転落事故防止に向けハード面の整備を進めるとともに、普段から、駅員等が配置されているホームドア未整備駅において、以下の通り駅員等による声かけ・誘導案内の強化や接遇能力の向上を図ることが必要である。 なお、駅員等の配置については、各駅の利用実態等に鑑み、鉄道事業者自らが判断するものであるが、様々な意見や個々の利用実態等を踏まえ、必要に応じて見直すといった対応が重要である。 また、無人駅については、鉄道事業者において、事前に連絡を受けた上で、必要な駅員等を確保して誘導案内をする等の取組がされているが、引き続き、こうした取組等により、安全性を確保していくことが重要である。 【具体的措置】 ○ 駅員等が配置されているホームドア未整備駅における駅員等による誘導案内の強化 ・ 鉄道事業者は、誘導案内希望の申し出があった視覚障害のある人に対し、駅員等が乗車及び降車の誘導案内を実施するものとし、この事が、視覚障害のある人にも認知されるよう情報発信に努める。 ・ また、駅員等が駅構内で介助者がいない視覚障害のある人に気づいた際は声かけを行い、誘導案内の希望を確認する。視覚障害のある人本人が誘導案内を希望しない場合であっても、駅の規模等の状況に応じて可能な限り乗車するまで見守る。 ・ 誘導案内の実施にあたっては、事前連絡がない場合、降車駅等への駅員等の手配が整うまで待たせてしまう場合があるが、迅速に対応することにより、引き続き、視覚障害のある人を可能な限り待たせないように努める。 待たせる場合には、視覚障害のある人の意向も踏まえつつ、その理由と見込み時間を伝え、理解を得られるよう努める。 ○ 駅員等が転落の危険が迫っていると認めた場合における視覚障害のある人への声かけ等の強化 ・ 鉄道事業者は、アナウンス等も活用し、視覚障害のある人がホームの縁端に向かって歩いているなど転落の危険が迫っていると認めた時に視覚障害のある人が明確に気づく声かけや、可能な限り別のホームに列車が到着した際の勘違いを防ぐ注意喚起を行う(例1:白杖の方、止まってください。ホーム端です。例2:○番線に到着した列車は○○行きです。) ○ 駅員等の接遇能力向上に向けた教育の充実 ・ 鉄道事業者は、視覚障害のある人に対する接遇能力の向上に向けて、具体的な接遇方法等を身に着けるための資格の取得や障害のある人が講師として参画する研修等を積極的に受講し、理解を深める。 なお、上記の一例として、多くの鉄道事業者が駅員等に対して資格の取得を進めている「サービス介助士」については、視覚障害のある人に対する接遇能力向上に向けて、講座内容の一部が改善される予定であり、「交通サポートマネージャー研修」は、様々な障害のある人が講師として参画する研修となっており、障害のある人と交通事業者との相互理解を深める機会を提供している。 A 旅客による視覚障害のある人に対する配慮の促進 近年、外国人旅客の増大や相互直通運転の進展等を背景に、駅員等に期待される役割は多岐に渡っている。そのため、輸送障害が生じた場合等はもちろん、平常時であっても駅員等が他の利用者への対応に追われている等、直ちに視覚障害のある人に対応できない場面が生ずることが考えられる。 こうした状況においては、駅員等の対応の可否にかかわらず、周囲の一般旅客も自然に視覚障害のある人の歩行を見守り、必要な場合には、声かけや誘導案内等を申し出るような環境整備を行っていくことが重要である。 旅客による視覚障害のある人に対する声かけ等については、これまでも国土交通省・鉄道業界による啓発活動を行ってきた。しかし、従前の啓発ポスター等においては、盲導犬使用者への声かけや接遇の例を掲載しておらず、そもそも盲導犬使用者に声をかけて良いのか、さらに、どのように声かけ・誘導案内をすればよいのかを十分に啓発してきたとは言い切れない。また、一般旅客が知らないうちに行っている迷惑行為にかかる注意喚起も不十分な状況である。このため、これまで以上に、啓発活動を強化するとともに、その内容について、視覚障害のある人の関係者等からの意見を踏まえつつ、効果的かつ実効性のある啓発を行う必要がある。 【具体的措置】 ○ 国土交通省及び鉄道事業者は、旅客による声かけを促進するため、車内放送や駅構内での啓発ポスターなどの手法を駆使して、啓発活動を頻繁に行う。その際には、報道機関から最大限の協力を得つつアピールを行い、国民全体における機運醸成を図る。 ○ 上記の啓発活動において、視覚障害のある人に対する具体的な誘導案内の方法について旅客の理解を促す。あわせて、歩きスマホや視覚障害者誘導用ブロック上にとどまるなどの迷惑行為を行わないよう啓発も行う。 B 一般国民による視覚障害のある人への心のバリアフリーの理解促進 一般国民による声かけ・誘導案内等の啓発は、上記Aの国土交通省・鉄道業界による取組では不十分であり、若年層や一般企業に従事する人などをターゲットとして普段から啓発活動を行うことが必要である。 近年、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機とした「心のバリアフリー」の推進にむけた取組が進められているところであり、こうした取組も活用して、国土交通省において、将来を担う子供たちへの普及や一般国民に対する普及・啓発を強化する必要がある。 【具体的措置】 ○ 企業を通じて、より多くの国民に「心のバリアフリー」を促進するため、内閣官房とオリンピック・パラリンピック等経済界協議会との連携により、今年度中にとりまとめられ、広く展開される「企業における汎用性のある研修プログラム」において、「心のバリアフリー」の理念や、盲導犬使用者を含む視覚障害のある人をはじめ、様々な障害のある人への接し方の基本等を盛り込むよう検討が行われているところであり、国土交通省はその検討に協力していく。また、来年度、このプログラムを踏まえ、国土交通省は、有識者、障害者団体、事業者(業界団体含む)が参画する形で、様々な障害のある人を想定した交通事業者向け接遇ガイドラインを策定し、平成30年度以降、交通事業者に対して展開し、接遇能力の向上を図ることとする。 ○ また、国土交通省は、高齢者、障害のある人等の擬似体験等を行うことを通じて、バリアフリーの意義・重要性についての国民の理解を促すため、これまで全国各地において「バリアフリー教室」を実施してきているところ、盲導犬使用者への介助を体験メニューに追加するなど、その内容の充実を図る。 ○ 若年期における高齢者、障害のある人等に対する「心のバリアフリー」の理解を深めるため、国土交通省では、中学生を対象としたバリアフリー教育のための副教材(視覚障害のある人が困っている場合の介助の仕方を含む)を今年度中に作成し、教員向けに指導ポイントの周知を図ること等により、中学校教育での活用を促す。 C 盲導犬の育成及び盲導犬貸与希望者等の駅における訓練への協力 盲導犬の育成及び盲導犬貸与希望者の訓練過程においては、駅施設での実地訓練を行う必要があることから、駅施設を管理する鉄道事業者は、訓練機会が十分に提供されるよう協力していくことが重要である。 また、ガイドヘルパーとなるための訓練を受けている人や視覚障害のある人本人が、駅施設において実地訓練を行う場合についても、訓練機会が十分に提供されるよう、可能な協力を行っていくことが重要である。 【具体的措置】 ○ 盲導犬となるための訓練を受けている犬や盲導犬貸与希望者に対し、訓練の進捗に応じて柔軟にその機会を提供するため、鉄道事業者は、事前に訓練の申請を受け付けたうえで、訓練日時等の変更は電話等の簡便な方法で受け付ける等の対応を行う。 ○ ガイドヘルパーとなるための訓練を受けている人や視覚障害のある人本人に対しても、駅施設における十分な訓練機会を提供するため、鉄道事業者は、ガイドヘルパー養成機関等からの求めに応じ、可能な協力を行う。 (3) その他の安全性向上に資する考え方 短期的には結論を得ることが難しいもの、あるいは鉄道のみに関する意見ではないものであって、安全性向上等に資するものとして検討会において寄せられた意見のうち、主なものについては、以下のとおり対応する。 ○ 視覚障害者誘導用ブロックの敷設基準の統一 →大開口タイプのホームドア開口部への誘導等に関し、平成29年度に設置するバリアフリー整備ガイドラインの改正検討委員会の中で検討する。 ○ 明度、輝度、コントラストへの配慮 →現在、ホーム端にCP(Color Psychology)ラインと呼ばれるカラーリングやゼブラ模様の彩色を施すなど先進的な取り組みを試行している鉄道事業者があるため、これらの効果について、専門家の意見も踏まえ分析を行い、効果を検証し、その普及促進に努める。 ○ ホーム端の材質の変更 →滑り抵抗に大きな差がある床材の複合使用については、境界箇所において、滑ったり、つまずく危険性があるとの指摘もあり、ユニバーサルデザインの観点からは、必ずしも望ましくない側面もある。このため、ホーム端の認識を高める方策については、上記、明度、輝度、コントラストへの配慮に係る検討のほか、内方線付き点状ブロックの整備を優先的に進める。 ○ 音声案内の推進 →列車接近案内については、点状ブロック上に人が立ち止まらないような放送内容への変更を設備の改修時等をとらえて行う。(例:「黄色い点字(点状)ブロックの後ろまでお下がりください。」) また、ホーム上を含む音声案内の音量等は、設備の点検時の機会をとらえて再点検し、調整を行う。 ○ 駅の構造等に関する情報案内の充実 →視覚障害のある人向けの駅の構造等の情報について、ホームページ等の充実を図る。 ○ 転落事故原因の分析 →視覚障害のある人に係る事故に至らないホームからの転落事象について、鉄道事業者が把握した情報を国土交通省が集約し、共有する。 ○ボランティアの活用   →ボランティアによる視覚障害のある人の駅での案内について、国土交通省は、鉄道事業者その他関係者と意見交換を行うとともに、活用に向けた安全面等の課題及び方向性について検討を行う。 4. おわりに  鉄道は、年間のべ230億人以上が利用し、日本の経済、社会を支える欠くことの出来ない公共交通機関であり、その輸送の安全確保は、交通機関として最大の使命である。このため、これまでも過去に発生した事故等を踏まえ、その安全性向上に向けて、様々な対策がなされてきた。  このような中、視覚障害のある人の一連の転落事故が発生したことは、安全の確保が決して終わることのない永続的な課題であることを改めて認識させるものであり、また本事案が社会に与えた影響も甚大であることに鑑み、本中間とりまとめを行った。  このため、関係者においては、引き続き、それぞれの取組を確実に実施する必要がある。また、鉄道が社会から永続的に必要とされる交通機関であるためには、視覚障害のある人を含む全ての鉄道利用者の方々の日々の利用実態を注視し、その声に耳を傾け、スパイラルアップによる取り組みを続けることが望まれる。 (参考資料) 参考1:「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」委員一覧 参考2:「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」中間とりまとめ概要 別添 :「新型ホームドア導入検討の手引き」 (参考1)「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」委員一覧 東日本旅客鉄道(株) 廣川  隆 安全企画部長 今井 政人 投資計画部長 東海旅客鉄道(株) 生田  元 総合企画本部副本部長 投資計画部長  古橋 智久 安全対策部長  西日本旅客鉄道(株) 半田 真一 取締役兼常務執行役員 鉄道本部副本部長 鉄道本部安全推進部長 東武鉄道(株) 小野里 一彦 安全推進部長  野 寿久 計画管理部長  西武鉄道(株) 松本 康一郎 執行役員 計画管理部長   岡崎 利生 安全推進部長 京成電鉄(株) 金子 庄吉 計画管理部長  京王電鉄(株) 佐原 拓爾 安全推進部長  井上 晋一 計画管理部長  小田急電鉄(株) 立山 昭憲 交通企画部長  宮坂 正俊 安全・技術部長  東京急行電鉄(株) 富田 秀樹 鉄道事業本部 安全戦略推進委員会 統括部長 戸田 匡介 鉄道事業本部 事業戦略部 統括部長  京浜急行電鉄(株) 小林 秀行 鉄道本部 安全推進部長 竹内 明男 鉄道本部 鉄道統括部長 相模鉄道(株) 杉本 法広 経営管理部長 高橋 正人 安全推進部長  名古屋鉄道(株) 綿貫 琢也 安全統括部長 近畿日本鉄道(株) 江川 武史 鉄道本部 企画統括部 運転保安部長 増田 康浩 鉄道本部 企画統括部 安全推進部長 南海電気鉄道(株) 中村 毅 鉄道営業本部 統括部長 京阪電気鉄道(株) 佐藤 之浩 安全推進部長 阪急電鉄(株) 三田 和司 都市交通事業本部 運輸部長 阪神電気鉄道(株) 楠葉 誠司 都市交通事業本部 運輸部部長 西日本鉄道(株) 牟田口 英貴 鉄道事業本部 運転車両部長 東京地下鉄(株) 米   彰 鉄道本部 鉄道統括部長  小川 孝行 鉄道本部 営業部長  東京都交通局 牧野 和宏 企画担当部長 裏田 勝己 安全管理担当部長 横浜市交通局 大西 順一 高速鉄道本部長  大阪市交通局 大矢 雅士 鉄道事業本部 鉄道統括部長  岡橋 和成 経営管理本部 経営管理部長  (一社)日本民営鉄道協会 橋 俊晴 常務理事 技術部長 (一社)日本地下鉄協会 石島 徹 業務部長 国土交通省 潮崎 俊也 技術審議官(鉄道) 山上 範芳 審議官(鉄道) 国土交通省  鉄道局 高橋 一郎  総務課長 中山 康二  技術企画課長 山ア 輝 安全監理官 川上 洋二 鉄道サービス政策室長 日野 祥英 都市鉄道政策課 駅機能高度化推進室長 岸谷 克己 技術企画課 技術開発室長 (参考2)「駅ホームにおける安全性向上のための検討会」 中間とりまとめ概要(平成28年12月) 1.駅ホームにおける更なる安全性向上に向けた対策の考え方 ○ ハード面:ホームドアと内方線付き点状ブロックの整備を中心に転落防止対策を講じ、その整備の加速化を図る。 ○ ソフト面:駅員等による乗車・降車の誘導案内を中心に転落防止対策を講じる。 ○ フォローアップ:国土交通省において、検討会を活用して進捗管理を実施し、ハード・ソフト両面の取組状況を公表するとともに、好事例を水平展開する等、鉄道事業者の積極的な取組を促進していく。 2.主なハード対策 ○ ホームドア:(引き続き10万人以上の駅を優先的に整備) □ 利用者10万人以上の駅: (ア) 整備条件※を満たしている場合、原則として平成32年度までに整備。 ※整備条件・・・車両の扉位置一定、ホーム幅を確保できる等 (イ) 整備条件を満たしていない場合、 ・ 新しいタイプのホームドアにより対応する場合、概ね5年を目途に整備/整備着手。 ・ 車両更新により対応する場合、更新後速やかに整備。 ・ 車種等の混在が多く扉位置不揃いの解消が困難な場合等、ソフト対策を重点実施。 □ 利用者10万人未満の駅:駅の状況等を勘案した上で、10万人以上と同程度に優先的な整備が必要と認められる場合に整備。 □ 技術面、コスト面の課題に対応可能な新たなタイプのホームドアを「新型ホームドア導入検討の手引き」も活用し、積極的に普及促進。また、コスト低減等による一層の普及促進のため、国土交通省と鉄道事業者等による「新型ホームドアに関する技術WG(仮)」を設置。 →交通政策基本計画(平成27年2月閣議決定)において、平成32年度に約800駅としている整備目標について、できる限りの前倒しを図る。 □ 国は、鉄道事業者に対して必要な支援を行うとともに、地方公共団体に対して支援を求めることとし、引き続き、三位一体の取組により進めていく。 ○ 内方線付き点状ブロック:(10万人以上の駅は概ね整備済み) □ 1万人以上の駅:平成30年度までに整備。 □ 3千人以上の駅:可能な限り速やかに整備。 3.主なソフト対策 ○駅員等による対応の強化: □ ホームドア未整備駅において、誘導案内の申し出のあった視覚障害のある人に対し、駅員等による誘導案内を実施、危険時に視覚障害のある人が明確に気づく声かけ。 □ 駅員等の接遇能力向上に向けた教育の充実。 ○ 旅客による声かけ、誘導案内の促進等: □ 視覚障害のある人に対する具体的な誘導案内の方法を盛り込むとともに、歩きスマホ等の迷惑行為を行わないよう呼びかける啓発を実施。 ○ 心のバリアフリーの理解促進等: □ 「企業における汎用性のある研修プログラム」検討への協力、バリアフリー教室の内容の充実等。 ○ 駅における盲導犬訓練等への協力 4.その他の安全性向上に資する考え方 ○ 短期的に結論を得ることが難しいもの等であり、安全性向上等に資するものは検討を継続。 視覚障害者誘導用ブロックの敷設基準、明度・輝度・コントラストへの配慮、ボランティア活用の検討 等