新技術等を活用した駅ホームにおける 視覚障害者の安全対策検討会 (第10回) 令和4 年2 月24 日(木)15:00~17:30 中央合同庁舎3 号館8 階特別会議室 (ウェブ会議) 議 事 次 第 1. 開 会 2. 議 事 (1) 長軸方向の安全な歩行経路を示す方法について (2) 歩行訓練の試行実施について (3) その他 3. 閉 会 新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会(第10回) 【障害者団体・支援団体】 日本視覚障害者団体連合 組織部長 三宅 隆 日本弱視者ネットワーク 本部役員(筑波大学附属視覚特別支援学校 教諭) 宇野 和博 東京都盲人福祉協会 副会長 高橋 博行 埼玉県網膜色素変性症協会 会長 田村彰之助 日本歩行訓練士会 事務局長/日本ライトハウス 養成部 主幹 堀内 恭子 日本盲導犬協会 顧問 吉川 明 【学識経験者】 成蹊大学 名誉教授/大原記念労働科学研究所 特別研究員 大倉 元宏 慶應義塾大学 経済学部 教授 中野 泰志 鉄道総合技術研究所 人間科学研究部 主任研究員 大野 央人 【鉄道事業者】 JR東日本 執行役員 安全企画部長 大森 健史 JR西日本 鉄道本部 駅業務部長 水田 雅博 (代理出席:鉄道本部 駅業務部 企画課 担当課長 岡本 啓照) 東京メトロ 経営企画本部 企業価値創造部長 川上 幸一 (代理出席:鉄道本部 鉄道統括部 課長 村里 誠) 小田急電鉄 常務取締役 交通サービス事業本部長 五十嵐 秀 (代理出席:安全・技術部長 野中 俊昭) 近畿日本鉄道 執行役員 鉄道本部 企画統括部 副統括部長 深井 滋雄 阪急阪神ホールディングス グループ開発室 部長 山本 隆弘 【国土交通省】 大臣官房 技術審議官(鉄道) 江口 秀二 総合政策局 バリアフリー政策課長 真鍋 英樹 (代理出席:総合政策局 バリアフリー政策課 交通バリアフリー政策室長 浜田 義和) 鉄道局 鉄道サービス政策室長 山口 博史 鉄道局 都市鉄道政策課長 金指 和彦 鉄道局 技術企画課長 権藤 宗高 鉄道局 安全監理官 中谷 育夫 【厚生労働省(オブザーバー)】 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室長 奥出 吉規 (代理出席:自立支援振興室 福祉用具専門官/障害福祉専門官 周藤 方史) (事務局 鉄道局技術企画課) ※)委員以外のJR・大手民鉄・公営地下鉄等事業者の傍聴を認めております。 資料1  (1)長軸方向の安全な歩行経路を示す方法について P1 1.長軸方向の歩行に関する前提の整理 ○視覚障害者はホームでの長軸方向での移動は極力行わないのが原則であるが、従来より、乗車駅と降車駅で階段等の位置が異なることからホーム上での移動は必要である。 (新型ホームドア等に対応する視覚障害者誘導用ブロックの敷設方法に関する調査報告書(H29.3安心生活政策課)) ○そのため、視覚障害者が単独で長軸方向を移動することは避けられず、そのための安全対策が求められる。 ○(長軸方向の移動に限らず)ホームの安全対策として最も有効なものはホームドア整備である。 ○一方で、ホームドア整備には多くの時間や費用を要することから、ホームドアによらない転落防止対策も必要である。この場合、特に有効な対策は、駅係員及び周囲の鉄道事業者等による直接の誘導案内、声かけ、見守り(介助)である。 ○駅係員及び周囲の鉄道事業者等による介助を推進するため、各鉄道事業者により「声かけ・サポート」運動や「公共交通事業者に向けた接遇ガイドライン(平成30年5月)」の内容についての駅係員への研修、車内のモニター表示や駅のポスター掲示等による鉄道利用者への啓発などが実施されているとともに、AIカメラ等の新技術を活用して駅係員等による介助を支援する方策の検討が進められている。 ○本検討は、これらの対策とは別に、ホームドアが整備されるまでの間、単独で長軸方向を移動する視覚障害者に対して安全な歩行経路を示す方法について、検討を行ったものである。 P2 2.長軸方向の安全な歩行経路を示す方法についての検討 2-1.現在までに提案された方法 ○ホーム中央線状ブロック敷設案 ○内方線内側活用案 ホーム中央線状ブロック敷設案 ホーム中央付近に視覚障害者誘導用の線状ブロックを敷設することで、長軸歩行する際の手がかりとする。エレベーターや売店に支障する箇所では線状ブロックは途切れ、それら(エレベーターや売店の壁等)を伝って迂回して歩行する。 東京メトロ護国寺駅 写真割愛 内方線内側活用案 内方線付き点状ブロックの内側に視覚障害者歩行エリアを表示するとともに、乗車待ち列を1m程度後退させて乗車待ち列が支障しないようにすることで、内方線を長軸歩行する際の手がかりとする。柱に支障する箇所では内方線は途切れ、柱を伝って迂回して歩行する。 イメージ 写真割愛 P3 2-2.ホーム中央線状ブロック敷設案について (a)これまでの検討会での論点 <ホーム中央線状ブロックの有効性・安全性に関して> ○ホーム中央線状ブロックにより歩行経路を示すことは有効だが、敷設する場合には売店等をどのように迂回するかが課題となる。 ○売店等を迂回する場合の安全性については、 ・売店等を白杖で突きながら反対側に回り込めばよいだけなのでそれ程問題にならない。 ・迂回時に定位を失う恐れがある。 ○ホーム中央線状ブロックが敷設されている駅・されていない駅が混在する場合の安全性については、 ・アナウンス等により適切に周知すれば問題ない。 ・敷設されていない駅にも関わらず、他のブロックをホーム中央線状ブロックと誤認した結果、ホーム端に接近してしまう等、混乱が生じる恐れがある。 事務局の提案 ・売店等により迂回が必要な駅については、迂回時の危険を回避するために、新技術の導入によりサポートすることが必要ではないか。 (ホーム中央線状ブロック敷設+新技術組合せ案) P4 (b)想定されるリスクと対応策 ○売店等の迂回時には、以下のようなリスクが想定される。 【リスク①】定位を喪失し、ホーム端に近づくリスク 【リスク②】ホームから転落するリスク ○現在、視覚障害者の安全対策として導入・開発中の新技術を活用することで、ホーム中央線状ブロックを敷設した駅における迂回時のリスクを回避する。 (ホーム中央線状ブロック敷設+新技術組合せ案) ・リスク①の解消策(案) 「スマホを用いて音声案内による誘導を行う技術」を活用し、売店等の手前で正しい迂回ルートを案内する。 ・リスク②の解消策(案) 「ホーム端に近づく視覚障害者を検知し、注意喚起する技術」を活用し、定位を喪失しホーム端に近づいた視覚障害者に注意喚起することで転落を防止する。 →実証実験等で検証 図割愛 P5 (c)導入・開発されている新技術の例 スマホを用いて音声案内による誘導を行う技術 【概要】 視覚障害者がスマホの専用アプリを用いて、ブロックからの情報を読み取り自らのいる位置を認識した上で、音声案内による誘導に従い歩行する方法。ホームドアのある駅等での単独歩行時の誘導を目的としている。 【技術の導入・開発状況】 スマホの専用アプリを用いて、点状ブロックに貼り付けたQRコードを読み取り、音声案内に従い目的地に向かう方法が、東京メトロの一部のホームドア設置駅における誘導支援システムとして導入されている。〔shikAI(シカイ)〕 図割愛 LINEアプリを用いて、ビーコンを搭載した線状ブロックから発信される電波を受信し、道案内等の情報を確認する方法が開発されている。線状ブロックには室内灯でも稼働可能なソーラーパネル型電池が内蔵され、電源不要。〔薄型ソーラービーコン内蔵点字ブロック〕 図割愛 【現状の課題】 本来はホームドアのある駅等での使用を前提としているため、アプリの案内と利用者の歩行ルートの不一致等により転落に繋がる危険性が排除できず、危険性があることを前提とした利用が求められる。ホームドアのないホームで使用する場合には、ホーム端に誤って近づいた利用者の転落を防止するための技術と併用することが必要。 P6 ホーム端に近づく視覚障害者を検知し、注意喚起する技術 【概要】 ホームに設置したカメラの映像から転落の危険性がある視覚障害者をAIで認識し、音声で注意喚起する方法。 単独歩行時、ホーム端に誤って近づいた際の注意喚起を目的としている。 【技術の導入・開発状況】 AIの活用により、列車の在線状況や歩行動線を踏まえて、転落の危険性のある視覚障害者の確実な識別を行い、転落までの時間が短い短軸方向の歩行時にも即時に注意喚起する。そのため、検知から注意喚起までの時間を短縮することが求められており、実証実験において検証が進められている。 ホーム端に近づく視覚障害者の白杖をAIカメラで検知する実証実験。(小田急経堂駅で令和4年3月に実証実験) 図割愛 旅客のホーム端歩行や転落など危険な状態をカメラで検知する実証実験。(関東鉄道取手駅で実証実験中) 図割愛 【現状の課題】 現在は視覚障害者の検知に関する実証実験が進められているが、次のステップとして、指向性の高いスピーカーの活用などによる、具体的かつ効果的なメッセージの伝達方法について、検証を進めることが求められる。 P7 (参考1)ホーム端に近づく視覚障害者の白杖をAIカメラで検知する実証実験 1.概要等 ○ 長軸方向の歩行時に、ホーム端に気付かず接近し転落するケースを防ぐために有効と考えられるのは、ホーム端に接近している視覚障害者に危険であることを知らせる方法である。 ○ ホームに設置したカメラの映像から、転落の危険性がある視覚障害者をAIで認識する方法について、実際のホームでの実証実験により、転落防止効果や安全性の検証を行う。 2.実証実験内容 (1)日時・場所 日時: 令和4年3月1日~令和4年3月中旬 場所: 小田急電鉄経堂駅 (2)主体・協力 【実施主体】アイテック阪急阪神【実施協力】小田急電鉄 (3)実証実験の流れ ①視覚障害者の歩行が想定されるホーム端のエリアにカメラ設置 ②カメラによる撮影と、録画映像を用いたAI学習を行う ③学習成果(過去の実証実験での学習成果の蓄積も含む)を踏まえて、実証実験を行う 【実証実験】 AIでホーム端に向かう視覚障害者の白杖を検知+ AIで列車の在線状況を検知→ PC内で検知結果を表示 (4)検証項目 列車非在線時にホーム端に向かう視覚障害者を検知できるか検証 ※過去の実証実験で得た知見(近鉄大和西大寺での白杖検知、京急蒲田での在線検知)も活用する。 (5)今後の展望 今回の実証実験の結果を踏まえ、視覚障害者の転落危険性を判定して自動的にスピーカーより注意喚起放送を行うシステムへの発展を目指す。 図割愛 P8 (参考2)旅客のホーム端歩行や転落など危険な状態をカメラで検知する実証実験 1.概要等 ○ 既設のホーム監視カメラに画像処理装置を付加することで、旅客のホーム端歩行や転落などの危険な状態を駅係員に通知し、事故の未然防止と事故発生時の初期対応を支援するもの。 ○ 実際の駅ホームでの実証実験を行うことにより、画像解析の精度の検証や、駅係員への通知方法、旅客へのアナウンス方法の検討等を行う。 2.実証実験内容 (1)日時・場所 日時: 令和3年10月31日~令和5年3月31日 場所: 関東鉄道取手駅 (2)主体・協力 【実施主体】日本信号【実施協力】関東鉄道 (3)実証実験の流れ ①検証用のカメラ、画像処理装置を設置 ②カメラによる現地画像データの収集、AI学習 ③学習成果を踏まえて、実証実験を行う 【実証実験】 旅客のホーム端への接近、転落の検知+ AIで列車の在線状況を検知→駅事務室や駅員のモバイル端末へ通知、旅客へアナウンス (4)検証項目 ①画像解析による旅客の検知精度の確認 ②駅員への通知方法 ③旅客へのアナウンス方法 (5)今後の展望 画像解析で白杖を検知した場合、旅客へのアナウンスを行う際に白杖使用者専用のアナウンスを行うことも検討する。 図割愛 P9 2-3.内方線内側活用案について (a)これまでの検討会での論点 <内方線内側活用案の有効性・安全性に関して> ○既に多くの駅で内方線付き点状ブロックの設置が進んでおり、それらを有効活用することが可能。 ○内方線を長軸歩行する際の手がかりとする場合、次のような問題がある。 ・内方線は長軸歩行する際の手がかりとすることを目的として設計されておらず、柱等により途切れる箇所もある。 ・他の駅利用者の乗車待ち列や荷物が支障となる可能性がある。 ○視覚障害者がホームを歩行する際、他の利用者に接近を気付いてもらうために床を白杖で叩いて音を出して歩行するため、白杖で内方線を確認しながら歩行することが難しい。 (事務局が実施した視覚障害者へのヒアリングより) 事務局の提案 ・ラッシュ時間帯などホーム上に多くの利用者が滞留している状況では、視覚障害者の歩行エリアを一定の幅で確保することは困難であると想定される。その場合、有効な方策は駅係員や周囲の鉄道利用者による積極的な支援である。 ・以上より、混雑していない時間帯のみ、視覚障害者歩行エリアを導入するのはどうか。 ・柱、人、荷物等の迂回時に誤ってホーム端に近づいた視覚障害者にAIカメラを用いて注意喚起するなど、新技術の組合せにより安全性を向上させられるのではないか。(内方線内側活用+新技術組み合わせ案) →2-2(b)(c)と同様 図割愛 P10 2-4.その他の案について (a)これまでの検討会での論点 ○ホーム中央線状ブロック敷設案、内方線内側活用案だけでなく、その他の案も検討すべき。 ○例えば、新技術のみで歩行経路を示す方法等の開発が進められているが、新たなデバイスを持つことの金銭的・物理的負担や、勘違い・誤った案内のリスク等が懸念される。 事務局の提案 ・P4、P5に示すように、新技術の実用化に向けた検証が各所で進められている。 ・今後必要に応じて当検討会でも紹介し、障害当事者等の意見を開発に反映していく。 資料2 P1 ホーム長軸中央部における 触覚マーカ ーその後の実験経過ー 大倉元宏 成蹊大学 大原記念労働科学研究所 P2 混雑シナリオ P3 方法 ・2箇所の出発点から降車し,目標に向かう。混雑した状況を想定して人形を10体(実質7体)配置 ・実験変数:ホームの中央部の触覚マーカの有無;有→無 ・事前に触地図提示と実地踏査 ・仮説:触覚マーカを敷設した方が安全な歩行軌跡を確保 ・実験参加者視覚障がいを有する12名 ・男7・女5名,28~67歳,平均46.7歳 ・全員歩行訓練済 ・イヤマフの装着 ・歩行軌跡の計測 ・高性能のGPSアンテナ 触覚マーカ有 写真割愛 触覚マーカ無 写真割愛 P4 結果(混雑シナリオ) 触覚マーカ有 図割愛 触覚マーカ無 図割愛 ・マーカ有/無;12名×4試行 ・処理可能データ有/無で43/45試行 ・触覚マーカがあると歩行軌跡安定 ・参加者全員、触覚マーカに肯定的 P5 ホーム狭隘部における触覚マーカの敷設 P6 方法(その1) ・実験参加者視覚障がいを有する6名 ・男4名・女2名、年齢35~67歳、平均50.7歳 ・全員歩行訓練済で、単独歩行可能 ・1名を除き、単独での電車利用可能 ・イヤマフ着用 P7 方法(その2) ・狭隘部を模擬したホームを設置 ・エレベータから降りて、狭隘部に向かうシナリオを設定 ・降り口から狭隘部にかけて触覚マーカ(誘導ブロック)を敷設 ・エレベータの降り口には3人の乗客 ・仮説:触覚マーカに沿って移動中、警告ブロックを検知すると混乱を誘発 ・乗客を右または左に避けた後、触覚マーカに沿って進む(左・右2回ずつ) ・その際、触覚マーカには足を乗せず、白杖のみで検知 ・足裏もしくは白杖で縁端部の内方線付き警告ブロックを検知したら、停止 ・停止地点における触覚マーカと内方線に挟まれるブランク部の距離を計測 図・写真割愛 P8 方法(その3) ・同様の設定で、乗客あり ・エレベータを降りて、乗客を右または左に避けた後、触覚マーカに沿って進む(左・右2回ずつ) ・触覚マーカ上において、ブランク部の距離:100,80,60,40cmのところに1人ずつ乗客、乗客の間隔1.7~1.8m ・触覚マーカには足を乗せず、白杖のみで検知 ・足裏もしくは白杖で縁端部の内方線付き警告ブロックを検知したら、停止 ・停止地点における触覚マーカと内方線に挟まれるブランク部の距離を計測 図・写真割愛 P9 結果(狭隘部に向かって移動) ・乗客なし/有、各24試行ずつ ・警告ブロックを検知した時のブランクの距離は、乗客なしで12~43(中央値19.5) ㎝ 、有りで24~76(同38)cm ・ブランク部が80㎝あれば、警告ブロックを検知する可能性は低い 図・写真割愛 P10 方法(その4) ・同様の設定で、降車場面 ・ホーム狭隘部に降車後、エレベータに向かうシナリオ ・両番線において、ブランク部の距離:100,80,60,40cmのところから1回ずつ降車 ・エレベータの方向は指示。触覚マーカの伝い方は自由 ・歩行軌跡を計測 図・写真割愛 P11 結果(狭隘部降車) ・実験参加者5名はどの条件においても触覚マーカを伝ってエレベータに達した ・1名において,条件40㎝と60㎝で内方線付き警告ブロックを伝って移動した ・なお、この1名は普段、単独で電車利用 ・ブランク距離80㎝が目安 ・参加者全員、触覚マーカに肯定的 図・写真割愛 P12 狭隘部における触覚マーカの敷設と今後の課題 ・触覚マーカはブランク部の距離80㎝のところまで ・T字になるように両縁端部の警告ブロックを警告ブロックで繋ぐ ・その妥当性の検証 ・Thinking aloud(思考発話)法を検討中 図・写真割愛 P13 転落防止対策の4本柱 転落防止 転落原因の調査 OMのための手がかりの整備 単独歩行技術の獲得 周り人々の適切なケア 大倉元宏:視覚障害者の駅ホームにお ける安全安心な移動をめざして,最終 回:転落の未然防止を考える,視覚障 害,No.350, pp.20-28,2017,July. P14 ご清聴ありがとうございました。 本研究は科学研究費助成事業(課題番号 25350458)と私立大学研究ブランディング事業 (2017年度採択)の支援を受けた。 資料3 (2)歩行訓練の試行実施について 1.目的 ○ 中間報告においては、白杖の正しい利用が転落事故の防止に有効であることや、歩行訓練の重要性や訓練に関する情報についての更なる周知・啓発が必要であることを踏まえ、実際のホームや車両を用いた有効性の高い歩行訓練を行うための環境を整備する必要があると述べられている。 ○ 令和4年度から全国的にホーム・車両を用いた歩行訓練を実施することを目指し、運営に当たっての課題抽出を目的とした試行的な歩行訓練を実施した。令和3年3月・10月には阪神電気鉄道大阪梅田駅、11月には南海電気鉄道なんば駅で実施しており、今回(令和4年2月15日)はJR東日本品川駅において実施した。 2.訓練の概要 (1)日時・場所 日時: 令和4年2月15日(火)12:30~14:30 場所: JR東日本品川駅7番線ホーム ※専用車両を停車させて使用した。 参加人数: 視覚障害者3名・歩行訓練士3名 (2)実施内容 ①歩行訓練 ・白杖のスライド法による歩行訓練 ・車両を用いた乗降訓練 ②その他(試行環境を踏まえて実施したもの) ・鉄道施設・車両についての説明 (ホーム、非常停止ボタン、車両連結部等、視覚障害者が構造を理解しておくことが望ましいもの) ・意見交換 (3)感想 ・車両が止まっている状態で訓練をすることで、1つ1つの動きをしっかりと確認することができた。 ・自分の普段の歩行方法の見直しをすることができた。 ・スライド法による歩行を確実に行うことが、転落防止に繋がることを改めて認識した。 写真割愛