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エコシティづくりを進めるために

 

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都市環境計画

環境共生都市(エコシティ)の整備は、行政のみならず、市民、事業者等も含めた広範な主体の環境に対する理解と自主的、積極的な参加を得つつ、中長期的視点に立って総合的・計画的に取り組むべきものです。

 このため、各都市が自ら抱える諸環境問題を正しく認識し、10年、20年先を見据えて多様な施策、特に都市の環境整備を継続的かつ効果的に進めていくためのマスタープランとなる都市環境計画の策定が奨励されています(「都市環境計画の策定推進について」平成6年3月28日付都市局長通達)

都市環境計画は、都市施設整備、市街地開発等のハードな施策と、省エネルギー運動や公共交通の利用促進策、都市環境に関する地域住民の自主的活動や教育、普及啓発活動などのソフトな施策の双方を対象とし、これらの施策の組み合わせや連携によって良好な都市環境の形成に大きく寄与することを目指しています。

 言い換えれば、良好な都市環境の形成に関する各種のハード施策とソフト施策をうまく組み合わせることによって、都市環境向上のためにより一層の効果の発揮をねらいとするものです。

また、計画では動物の生息状況や植生の状況などを調べ、生態学的にも十分意義を有する緑のネットワーク計画や、風向や気温等の都市の微気象データを踏まえた「風の道」計画など、従来の都市計画においては必ずしも十分意識されてこなかったような観点を踏まえての計画づくりが積極的になされることも期待されています。

都市環境計画の構成等は、市町村の実状や判断により異なってきますが、先に掲げた通達では以下の事項を基本として提示しています。

  • 計画の構成

 

    • 都市環境計画の理念  
    • 都市環境の現況、課題、目標設定  
    • 目標を実現するための手段  
    • 重点整備計画
  • 計画の策定主体…市町村の都市部局とする。なお、策定に際しては、地域住民の意向を最大限尊重するとともに、関係機関及び市町村内の関係部局と十分に調整を図る。  
  • 対象都市…当面、次のいずれかの要件に該当する都市においてその策定に努める。
    • 三大都市圏若しくは人口25万人以上の都市圏に存する市町村又は県庁所在都市  
    • 人口増加や産業機能の集中が進行しており、又は進行が見込まれ、都市環境の状況に変化が生じ、又は生じることが見込まれる市町村
  • 計画期間…10年を中間目標に概ね20年を見通して定める。
  • 都市計画、都市整備事業等との関係…都市環境計画の内容のうち、都市計画、都市整備事業等を通じてその実現を図ることが適切な施策については、都市計画法第18条の2第1項に規定する市町村の都市計画に関する基本的な方針等の都市計画に関連するマスタープランとの整合を図ることにより、具体の都市計画、都市整備事業等に反映するように努める。

エコシティ(環境共生都市)整備の推進

 都市環境計画に基づき、公園・下水道等の整備が図られるとともに、次世代都市整備事業による都市環境施設の整備や、民間における取り組みを支援する融資・税制等の制度の活用が行われます。

 制度の概要は次の通りです。

次世代都市整備事業

 次世代都市整備事業の自然エネルギー活用システム、都市エネルギー活用システム等を活用して、「環境共生都市(エコシティ)の理念」を実現していくこととなります。  現在、地球環境問題、防災対策、高度情報化等への対応は、喫緊かつ国民的課題となっており、それらの解決に向け開発された技術のうち、都市に関連し開発された技術的成果を具体的に活かす方策を確立することが求められています。  次世代都市整備事業においては、環境、エネルギー、防災、高度情報化等に関する技術のうち、都市に関する技術を複合・統合化し、パイロット事業として現実の都市への適用を先導的に行い、次世代の都市システムとして社会的定着を図ることにより、新たな都市像・都市生活像を示すことをめざしています。  対象となるシステムは5つです。

  • 自然エネルギー活用システム(太陽光発電など)
  • 都市エネルギー活用システム
  • 防災安全街区支援システム
  • 高度情報通信システム
  • 都市廃棄物処理システム

融資制度など

エコシティ整備には、民間サイドの主体的な取り組みも重要であり、そのインセンティブとして次のような融資制度(日本政策投資銀行)、税制上の特例措置等を設けられています。

  • 低利融資  

 

    • エコビル整備事業…屋上緑化施設を備えるなど良好な都市環境の保全・創出への適切な配慮がなされている建築物に対する融資(政策金利U、比率40%)  
    • 新技術開発…廃棄物焼却灰等の建設資材への再利用及び屋上緑化、壁面緑化等の新たな都市内緑化の推進に関する新技術の研究開発に対する融資(政策金利V、融資比率50%)
  • 環境共生型都市施設整備事業(NTT−C無利子融資等)
     良好な都市環境の保全・創出に資し、アメニティ豊かな‘にぎわい’を創出する中核的施設(多目的ホール、展示施設等)の整備に対する融資
  • 税制上の特例措置
     都市排熱利用型ヒートポンプ施設及び熱交換器施設の整備に対しては、所得税及び法人税について、取得価額の30/100の特別償却又は7/100の税額控除が認められている。
  • 都市計画等による規制誘導
     地区計画、建築協定等によるセットバック、機械室に対する容積率の緩和措置(中水道、地域冷暖房施設を導入する場合に、基準容積率の1.25倍まで容認)等の活用が可能となっている。

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