現在、環境共生モデル都市の各都市においては、都市づくりにおいて
を通じたエコシティの実現を目指していますが、これらの取り組みの中で代表的な事例を、次のような分類により紹介していきます。 ○目次水と緑の環境共生都市水や緑といった自然環境との共生をポイントにおいて整備を進めている都市をご紹介します。 新川東緑地リフレッシュ整備事業…いわき市(福島県 36万人 平成5年度) いわき市における中心商業・業務地区としての機能が集積している地域において、機能の充実、環境の整備を進めます。そのなかで当緑地は中心部を東西に貫いた位置を占めており、当該地区の環境整備の中核をなしています。 帯広の森整備事業…帯広市(北海道 17万人 平成6年度) 完成時には帯広市街を囲む幅約550m、延長11km、総面積405haの森です。広大な森を8つのブロックに分類し、スポーツの森、創造の森などに特徴づけることで、市民の森へのふれあいを喚起するように工夫を凝らしています。この事業は一度農地となった土地を買収し森に戻す事業で、平成9年3月末時点で買収必要面積の約88%が買収済みです。 高環境歩行者専用道路の整備事業…木津町(京都府 3万人 平成7年度) 関西文化学術研究都市の文化学術研究地区である「木津中央地区」(愛称“ハーモニーヒルズ木津”)の区画整理事業地の中に、高環境歩行者専用道路は作られます。自然の起伏の多い地形を活かして、山の尾根部分に住宅を、谷筋に車道と10から14mの広幅員の歩行者専用道路を設けます。道路を囲む斜面には、一部で従来からの緑濃い樹林の植生を活かし、地区内の公園緑地等を有機的につなぐ緑のネットワークが形成されます。人にとって快適であると同時に、生物の移動を助け、環境を保持、創造しようとしています。 芦田川再生事業…福山市(広島県 37万人 平成5年度) 河川の水質改善は下水道の整備によるところが多いのですが、福山市の芦田川では水質の改善だけでなく、流域整備や河川の清掃運動の展開等市民が河川への愛着を増やせるように工夫し、その結果水循環が改善されていくことを目指しています。 東川流域総合治水計画…所沢市(埼玉県 32万人 平成6年度) 雨水を土中に浸透させることで、地表に降った雨が大気中に蒸発し、また雲を形成し雨となって地表に降る、という自然な水循環を復元します。水循環の復元により、ヒートアイランド現象の緩和、河川の平常時流量の確保等の効果が期待されます。 しんきろうロード整備事業…魚津市(富山県 5万人 平成7年度) 「しんきろう(蜃気楼)」は、地表近くの気温が場所によって異なり密度が違うときに、光線の屈折が生じ、物体が空中に浮かんで見える現象です。魚津の「しんきろう」は古来から奇観として有名ですが、春から初夏にかけて冷たい雪解け水が急流河川により立山連峰から富山湾に流れ込むときに、温暖な大気との温度差から発生します。 柿川整備事業…長岡市(新潟県 19万人 平成7年度) 柿川は長岡市の市街地のほぼ中央を流れる川で、生活排水の流入などにより汚染が進んでいました。そこで、下水道の整備を積極的に進め、また、可能な限り自然環境の保全を図ったところ、すこしづつ清流に戻ってきています。この柿川沿いを市街地における貴重なオープンスペースとして、公園や遊歩道など計画的に配置することで、水と緑に囲まれ、生き物とふれあうことのできる空間を整備します。 省エネ・リサイクル都市自然エネルギーや下水処理場からの廃熱利用などエネルギー対策を進めている都市や、廃棄物の焼却灰のインターロッキングブロックへの再生など、リサイクルを進めている都市をご紹介します。 ごみ焼却灰の再生製品の利用…船橋市(千葉県 54万人 平成5年度) ごみの焼却によって生じる焼却灰を、埋め立て処理以外の方法で再利用・再資源化する研究開発を終了させ、焼却灰を原料としたコンクリート用骨材、路盤材、透水性ブロック等への利用が可能となりました。 ごみを燃料とした火力発電所…越谷市(埼玉県 30万人 平成6年度) ごみ1トンあたり720kwという国内随一の高効率発電を実現し、発電した電力は電力会社へ売電します。ごみの搬入用スロープの空スペースに河川水・雨水貯留機能を持たせたり、煙突には展望台を設けるなど複合利用できる施設としています。これにより、「迷惑施設」から「地域のシンボル施設」への転換を目指します。 地域冷暖房施設の整備促進…名古屋市(愛知県 208万人 平成7年度) 地域冷暖房施設は、快適で効率的な都市活動を支える都市基盤施設であるとともに、都市環境の保全、省エネルギーの推進、都市の防災化などに大きな効果を持つシステムです。名古屋市では、市民生活の向上と都市の健全なる発展に寄与することを目的として、「名古屋市地域冷暖房施設の整備促進に関する指導要綱」を制定し、平成5年1月から施行しております。
ペーパースラッジ(製紙カス)灰の有効利用プロジェクト…富士市(静岡県 23万人 平成7年度) 富士市では古くから製紙がおこり、今では全国一の紙のまちとなっています。全国から大量の古紙が集まり、それを原料に様々な用途の再生紙を生産しています。また、紙のリサイクルに積極的に取り組むまちです。 交通負荷の軽減駐車場案内システムによる交通渋滞の緩和…横浜市(神奈川県 328万人 平成5年度) 横浜駅周辺は商業施設、業務施設が集積しており、これらの施設から発生する車両に加え、違法路上駐車、駐車場の待ち行列、迷走車の発生等が交通渋滞に一層の拍車をかけています。 新都市交通システムの導入による環境負荷の低減…北九州市(福岡県 102万人 平成5年度) JR小倉駅周辺整備の中で、モノレールを延伸することによって公共交通機関のネットワークがより緊密になり、利便性が向上します。これにより、適切な交通機関への分担を実現し、 ノーマイカーデー運動…大阪市(大阪府 248万人 平成6年度) 大阪市、大阪府、大阪府警などで構成する大阪府交通対策協議会では、平成2年より毎月20日を「ノーマイカーデー」に設定し、マイカー通勤や業務車両の持ちかえりを削減するための運動を展開しています。大阪市では次のようなことに取り組んでいます。
中心市街地活性化事業とゾーンシステム…浜松市(静岡県 56万人 平成7年度) 浜松市では、中心市街地の交通混雑、交通事故、交通公害を解消するとともに、バス・タクシー等の公共交通機関のサービス向上や、安全で快適な歩行者空間の確保等により、中心市街地の活性化を目指し、ゾーンシステムを推進しています。
様々な取り組み大宮花いっぱい運動…大宮市(埼玉県 44万人 平成5年度) 全国都市緑化フェアさいたま87の開催を契機に設立した「大宮花いっぱい運動推進会」は、市民のボランティアを中心に、400基以上あるフラワーボックスや合計1,000以上の市民花壇において、植え替えや管理作業等に取り組んでいます。また、生ごみのリサイクルを通じた堆肥・土壌づくり等の取り組みも行っています。 都市景観条例による景観の向上…高松市(香川県 33万人 平成6年度) 高松らしい個性のある都市景観の形成を図るため、平成5年3月に都市景観条例の制定を行い、この条例に基づき、景観形成を総合的かつ計画的に進める指針である都市景観基本計画を策定しています。 |