※以下の国土交通大臣の権限は平成13年1月6日より地方整備局長等へ委任されました。
詳しくは 7.相談窓口・申請先まで。
1.事業用地適正化計画認定制度の概要
「事業用地適正化計画」とは、民間事業者が従前から所有権又は措地権を有する土地だけでは、形状、面積等からみて民間都市関発事業の用に供することが困難又は不適当である場合において、隣接する土地の所有者から所有権の取得や借地権の設定を受けること等により、民間都市開発事業の用に供するにふさわしい一団の土地として、その形状、面積等を適正化する計画です。
「事業用地適正化計画認定制度」は、この事業用地適正化計画について、事業者の申請により、国土交通大臣が認定を行うものです。
民間都市開発事業の事業者が、国土交通大臣からこの事業用地適正化計画の認定を受けますと、隣接する土地の所有権者又は借地権者が、当該隣接土地と事業者が地区外に所有する土地建物等とを交換するときに、交換による譲渡がなかったものとみなされ、所得税の課税が100%繰延べられます(法人税の場合は100%の損金参入)。
また、交換によって土地を取得するときは不動産取得税の軽減措置があります。
さらに、国土交通大臣が必要と認め、(財)民間都市開発推進機構(以下「機構」という。)に指示を行った場合等には、機構による支援を受けることができます。
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2.事業用地適正化計画の適用要件
(1)適用地域(地域要件: 民間都市開発の推進に関する特別措置法(以下「法」という。)第14条の3 第1号ロ関係)
事業用地適正化計画認定制度は、次のいずれかの地域内にあり、かつ、市街化区域の区域(線引きがなされていない都市計画区域にあっては、用途地域が定められている土地の区域)内にある土地について適用されます。
@ 首都圏の既成市街地・近郊整備地帯・都市開発区域
A 近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域・都市開発区域
B 中部圏の都市整備区域・都市開発区域
C 道府県庁所在の市
D 人口10万以上の市
(2) 認定が受けられる事業用地等の条件
国土交通大臣の認定を受けるためには、事業用地、民間都市開発事業、事業者の能力等について次の要件を満たすことが必要です。また、申請に当たっては関係権利者の同意を得ることが必要です。
@事業用地の現状が、500u以上の低未利用地であること(法第14条の3 第1号イ・ハ関係)
隣接する土地も合わせた、民間都市開発事業の用に供しようとする一団の土地(これを「事業用地」といいます。)の現状が低未利用地であり、面積は500u以上あること。
A事業用地が適正化されること(法第14条の3 第1号ハ、第2号、第3号関係)
従前から所有権又は借地権を有する土地に、これに隣接する土地を合わせて、適正な形状、面積等を備えた一団の土地とすること(これを「事業用地の適正化」といいます。)。
事業者が現在所有権又は借地権を持っている土地だけでは、その形状、面積等からみて、申請に係る民間都市開発事業の用に供することが困難又は不適当であって、隣接する土地について所有権の取得又は借地権の取得若しくは設定をすれば民間都市開発事業の実施が可能になることが必要です。
この適正化後の一団の土地は、概ね整形となることが必要ですが、不整形であっても、当該土地の規模が大きいことなどの事情で、当該土地における民間都市開発事業の施行に支障がないと認められる場合には認定を受けられます。
また、取得又は設定しようとする隣接土地の権利の内容や、隣接土地の所有権の取得等の方法及び予定時期が適切なものであることが必要です。
B民間都市開発事業の用に供されること(法第14条の3 第4号関係)
一団の土地とした後、その土地は民間都市開発事業の用に供されることが必要です。
この場合の「民間都市開発事業」とは、都市における土地の合理的かつ健全な利用及び都市機能の増進に寄与する建築物及びその敷地の整備に関する事業のうち公共施設の整備を伴うもの(法第2条)で、事業が行われる土地の面積が500u以上、整備される建築物の延べ面積が1000u以上ある事が条件となっています(法施行令第2条第2項)。
また、公共施設とは、道路、公園、広場、下水道、緑地、河川、運河又は水路であって、必ずしも公物管理を予定したものに限定されておらず、外形上、利用形態に公共性が認められるものを言います。
さらに、民間都市開発事業の施行の予定時期が適切なものであることが必要です。
C事業者の能力が十分にあること(法第14条の3 第5号関係)
隣接土地の所有権の取得等及び民間都市開発事業の施行に必要な経済的基礎並びにこれらを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分であること。
D事業用地内の関係権利者の同意が得られること(法第14条の2 第3項関係)
事業用地について所有権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者、又は事業用地の区域内の建築物について権利を有する者の同意が得られること。
同意を得なければならない権利者は、次のとおりです。具体的には、下の表をご覧ください。
ア事業用地について所有権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者
イ事業用地の区域内の建築物について権利を有する者
ただし、未登記の抵当権者など、その権利をもって計画の認定を申請しようとする者に対抗することができない者については、この限りではないとされています。
また、次の者に限っては、その者を確知できないときは、確知できない理由を記載した書面を添えることにより、申請をすることができます。
・上記のアの者のうち、事業用地について所有権又は借地権を有する者以外の者
・上記のイの者のうち、権原に基づいて存する建築物について所有権又は借家権を有する者以外の者
■同意を要する関係権利者の範囲
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(3)認定の申請ができる事業者
事業用地適正化計画認定の申請ができる事業者は、次の者であること。
@民間都市開発事業を施行しようとする者(法第14条の2第1項)
A建築物の敷地を整備し、当該敷地を民間都市開発事業を施行しようとする者に譲渡し、又は賃貸する事業を施行しようとする者(法第14条の2第2項)
(@の者と共同して事業用地適正化計画を作成し、認定の申請をする場合に限ります。)
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3.事業用地適正化計画の作成と認定申請
(1)事業用地適正化計画の作成から認定申請までの手順
事業用地適正化計画を作成した事業者は、申請する前に、計画について同意を得なければならない関係権利者に、当該計画を提示・説明し、その同意を取得します。
同意があったことの証明は、申請書に添付する同意証書に実印を押印してもらうことにより行います。
認定の申請は、法施行規則別記様式による申請書の正本1部・副本1部に、それぞれ下記の図書を添えて、直接、又は機構等の法人を経由して、国土交通大臣に提出することにより行います。
(2)事業用地適正化計画申請書
(電子申請による申請も認められております。→ http://www.goa.mlit.go.jp/)
(添付図書)
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4.認定の手続き、事業の実施等
(1) 認定書の交付
申請書が、国土交通大臣によって受理され、認定基準を満たしていると認められると、国土交通大臣から認定通知書が交付されます。
なお、計画が認定されると、国土交通大臣から機構にも通知がなされます。
(2)土地の取得等の実施
隣接土地の所有権者又は借地権者が、当該隣接土地と認定事業者が事業用地の区域外に有する土地建物等とを交換するときには、交換特例などの税の特例があります。
交換特例は、事業用地適正化計画の認定の日以後、平成17年3月31日(同日前に当該認定計画につき認定の取消しがあった場合には、当該計画の認定の取消しの日)までの交換等について適用されます。
(3) 民間都市開発事業の実施
隣接土地の取得等が完了し、事業用地の適正化がなされますと、認定事業者により民間都市開発事業が実施されることになります。
(4)国土交通大臣による報告の徴収(法第14条の6)
国土交通大臣は、認定後、認定事業者に対して、認定計画に係る隣接土地の所有権の取得等及び民間都市開発事業の施行の状況について報告を求めることができます。
(5)国土交通大臣による改善命令(法第14条の10)
認定事業者が認定計画に従って隣接土地の所有権の取得等をしていないと認めるときは国土交通大臣は、当該認定事業者に対し、相当の期間を定めて、その改善に必要な措置を命ずることができることになっています。
(6)国土交通大臣による計画認定の取消し(法第14条の11)
(5)の処分に違反したときは、国土交通大臣は計画の認定を取り消すことができます。
(7)国土交通大臣による民間都市開発事業についての勧告(法第14条の12)
事業用地が適正化された後、民間都市開発事業が認定計画に従って施行されていないと認めるときは、国土交通大臣は当該認定事業者(敷地を整備する者との共同申請の場合は、民間都市開発事業の施行者のみ)に対し、相当の期間を定めて、その改善に必要な措置を勧告することができます。
(8)認定計画の変更の手続(法第14条の5)
法施行規則で定める軽微な変更(下記の@及びA)を除き、認定計画を変更しようとするときは、国土交通大臣から再度認定を受けなければなりません。
@ 隣接土地の所有権の取得等または民間都市開発事業の施行の予定時期の1年以内の変更
A 隣接土地の所有権の取得等をした後における資金計画の変更
(9)地位の承継(法第14条の7)
認定事業者の一般承継人や、認定事業者から認定計画の事業用地の区域内の土地の全部につき所有権の取得等をした者は、国土交通大臣の承認を受けた場合、当該認定事業者が有していた計画認定に基づく地位を承継することができます。
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5.課税の特例
(1) 土地有効利用促進交換特例
隣接土地の所有権者又は借地権者が、当該隣接土地と認定事業者が所有する事業用地の区域外の土地建物等とを交換する場含には、譲渡がなかったものとされ、所得税法による譲渡益課税を繰延べることができます(租税特別措置法第37条の9の2。繰延割合100%)。法人の場含には、圧縮記帳又は引当金勘定繰入の方法等により、100%の損金算入をすることができます(同法第65条の13)。
また、後で述べますように、機構の取得地の一部が代替地としで提供できる場合であれば、同様の特例が適用されます。
なお、これらの特例は、同一事業用地内の土地等の譲渡において過去に一定の特別控除を受けている場合などには、適用されません。
また、認定事業者には、この特例は適用されません。
@特例の対象となる土地等
本特例の対象となる交換元の資産は、認定事業用地の区域内に存する隣接土地の所有権又は借地権ですが、棚卸資産その他これに準ずる資産については除かれます。
また、交換先資産は、認定事業者の有する土地建物等で、当該認定事業用地の区域以外の地域内(国内に限る)にあるものです。
ア 認定事業者の所有する土地建物等と隣接土地等とを交換する場合
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イ機構取得地の一部を譲り受け、かつ、隣接土地等を事業者に譲渡する場含
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A特例措置を受けるための交換・譲渡の期限(指定期間)
この特例措置を受けるためには、事業用地適正化計画の認定の日から平成17
年3月31日(同日前に当該認定計画につき認定の取消しがあった場合には、当該計画の認定の取消しの日)までの期間内に、交換又は譲渡が行われることが必要です。この期間を「指定期間」といいます。
B特例を受けるための手続
ア 認定事業者の所有する土地建物等と隣接土地等とを交換した場合
(所得税の場合)
特例の適用を受けようとする旨の記載のある確定申告書に、次の書類を添付して所轄税務署長に提出してください。
・交換の日における当該交換により譲渡した所有隣接土地等及び当該交換により取得した土地建物等の価額又はその見積額に関する明細書
・交換の契約書の写し
・認定計画に係る認定申請書の写し
・認定通知書の写し
・交換により取得した土地建物等に関する登記簿の謄本又は抄本その他これらの土地建物等を取得した旨を証する書類の写し
(法人税の場合)
損金の額に算入される金額の損金算入に関する申告の記載がある確定申告書等に、次の書類を添付して所轄税務署長に提出してください。
・損金の額に算入される金額の計算に関する明細書
・交換により取得した土地建物等に関する登記簿の謄本又は抄本その他これらの土地建物等を取得した旨を証する書類の写し
・交換の契約書の写し
・認定計画に係る認定申請書の写し
・認定通知書の写し
イ 機構取得地の一部を譲り受け、かつ、隣接土地等を事業者に譲渡をした場合
基本的にはアと同様ですが、機構から土地建物等を譲り受ける時期が、所有隣接土地等の譲渡をした年の翌年となる場合は、次の書類を添付して所轄税務署長の承認を受ける必要があります。
(所得税の場合)
・譲渡をした所有隣接土地等について特例の適用を受けようとする旨、譲り受けをする予定の土地建物等の取得予定年月日及びその取得価額の見積額その他の明細を記載した申請書
・譲渡及び譲り受けの契約書の写し
(法人税の場合)
・申請書の名称及び納税地、譲り受けようとする土地建物等の取得価額の見積額、土地建物等を譲り受ける予定年月日並びにその他参考となるべき事項を記載した申請書
・譲渡及び譲り受けの契約書の写し
C交換差金等が生じる場合の取扱い
交換差金を取得した場合には、当該所有隣接土地等のうち当該交換差金に相当する部分については交換がなかったものとはされず、課税されることになります。
(2)不動産取得税の軽減(平成17年3月31日までの取得に限る)
認定計画に記載された交換により隣接土地の所有者が事業用地の区域外の土地で認定事業者が有するものを取得した場合、課税標準から、その1/10の価格が控除され、課税が軽減されます。これは、認定事業者に対しては適用されず、また機構から譲り受ける場合には適用されません。
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6.民間都市開発推進機構による支援措置
(1)資金・土地のあっせんその他の調整
国土交通大臣は、認定計画の隣接土地の所有権の取得等を促進するため必要があると認めるときは、機構に対して、認定事業者又は隣接土地の所有権若しくは借地権を有する者に対し必要な資金・土地のあっせん、又は民間都市開発事業の調整を行うべきことを指示することができます(法第14条の8第1項、法附則第17条第1項)。
(2)代替地としての機構所有地の譲渡
機構は、認定計画に係る隣接土地の所有権の取得等を促進するため必要があると認めるときは、認定事業者の申出に応じて、取得した事業見込地における民間都市開発事業の施行に支障のない範囲内で、当該事業見込地の一部を当該認定事業者、又は認定計画の隣接土地の所有権又は借地権を有する者に譲渡することができます(法附則第17条第3項)。
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7.相談窓口・申請先
国土交通省 北海道開発局 事業振興部 都市住宅課 011−709−2311(内線5875)
東北地方整備局 建政部 計画・建設産業課 022−225−2171(内線6131)
関東地方整備局 建政部 計画管理課 048−601−3151(内線6136)
北陸地方整備局 建政部 計画・建設産業課 025−266−1171(内線6131)
中部地方整備局 建政部 計画管理課 052−953−8571(内線6136)
近畿地方整備局 建政部 計画管理課 06−6942−1056(直通)
中国地方整備局 建政部 計画・建設産業課 082−221−9231(内線6131)
四国地方整備局 建政部 計画・建設産業課 087−851−8061(内線6131)
九州地方整備局 建政部 計画・建設産業課 092−471−6355(内線6131)
沖縄総合事務局 開発建設部 建設行政課 098−866−0031(内線3186)
<本省> 国土交通省 都市・地域整備局 まちづくり推進課 03−5253−8111(内線32-533)
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