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みんなで創る、水・まち・地球の新世紀 を目指して
〜新下水道技術五箇年計画の策定〜
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環境ホルモン、ダイオキシン等新たな環境問題の発生、高度情報化社会の到来など、 下水道を取り巻く社会情勢が急速に変化する中で、 それらの課題に的確に対応していくための技術開発が必要不可欠のものとなっています。
そこで、建設省都市局下水道部、土木研究所下水道部は、 「下水道技術五箇年計画改定検討委員会」 (委員長:松尾友矩東京大学大学院都市工学専攻教授)を設置し、
今後五箇年間に推進すべき下水道技術の開発方針について検討してきましたが、 この度、検討結果を踏まえて「新下水道技術五箇年計画」を策定しました。
本計画をもとに、建設省及び下水道事業の実施主体である地方公共団体や大学、 民間及び関連団体等が有機的連携を図り、 「みんなで創る、水・まち・地球の新世紀」の実施を目指すものであり、
具体的に次のような技術開発を行います。
- 「健全な水循環」を確保するための汚濁負荷削減技術の開発
- 環境ホルモン等微量有害物質の「リスク管理」技術の開発
- 「循環型社会の形成」に資する処理水・汚泥の利用技術の開発
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1.経緯
建設省では、平成6年に下水道技術の開発、導入プログラムとして 「下水道技術五箇年計画」(以下、「前下水道技術五箇年計画」という。)を策定し、
「人、まち、水の明日のために」を基本理念に、下水道技術の開発導入・普及に努めてきました。
しかしながら、環境ホルモン、ダイオキシン類等に代表される新たな環境問題の発生、急速な高齢化社会、
情報化社会の到来や温暖化などの地球規模の環境問題の発生など大きな変革期を迎えているなか、
下水道整備についてもこれらの変化に対応したより一層効果的かつ市民のニーズに適合した整備が求められており、
それらを先導し、あるいは補完する技術開発が求められています。
そこで、前下水道技術五箇年計画に基づき進められてきた技術開発について、
果たしている役割・効果等を総括的にレビューするとともに、 今後下水道が取り組むべき技術開発項目を展望した新たな
「新下水道技術五箇年計画〜みんなで創る、水・まち・地球の新世紀〜」を策定しました。
本計画は、平成11年度から15年度の五箇年間を計画期間として定めるものであります。 また、技術開発の透明性を確保するため、重点化された技術開発項目の実施に際しては、
学識経験者によって構成される評価委員会を設置し、事後評価を実施することとしています。
2.新下水道技術五箇年計画の主要課題
近年の社会情勢と下水道に求められている役割をふまえ、 新下水道技術五箇年計画の主要課題を次の5つとしました。
- 良好な水環境の創出
・「健全な水循環」を確保するための汚濁負荷削減技術の開発
・多様な生物が生息する「生態系にもやさしい」水辺を創る技術の開発
- 安全・安心で快適なまちづくり
・環境ホルモン等微量有害物質の「リスク管理」技術の開発
・下水道管渠網による「光ファイバーネットワーク網構築」技術の開発
・水害や地震等の「災害からまちを守る」技術の開発
- 省エネルギー・リサイクル型社会の形成
・「循環型社会の形成」に資する処理水・汚泥の利用技術の開発
・CO2、N2O等の「地球温暖化ガスの排出抑制」に関する技術開発
- 効率的な事業推進
・下水道施設の「効率的な改築・更新」を図るための技術開発
- アカウンタビリティの向上
・費用効果分析を含む「下水道整備の効果を評価」する技術の開発
・下水道情報の公開方法等、「住民理解を深める」ための技術開発
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下水道技術五箇年計画改定検討委員会
委員長 |
松尾 友矩 |
東京大学大学院都市工学専攻教授 |
委 員 |
玉井 信行 |
東京大学大学院社会基盤工学専攻教授 |
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楠田 哲也 |
九州大学大学院都市環境システム工学専攻教授 |
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田中 和博 |
日本大学理工学部土木工学科教授 |
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佐藤 和明 |
建設省土木研究所下水道部長 |
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栗原 秀人 |
建設省都市局下水道部下水道事業調整官 |
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中村 栄一 |
日本下水道事業団技術開発部長 |
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前田 正博 |
東京都下水道局技術開発担当部長 |
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野村 富久 |
横須賀市下水道部長 |
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清水 慧 |
(社)全国上下水道コンサルタント協会技術委員長 |
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武田 邦夫 |
(社)日本土木工業協会 |
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亀田 泰武 |
(社)日本下水道施設業協会専務理事 |
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