平成12年4月20日
建設省都市局下水道部 |
下水道政策研究委員会中間報告の公表について
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建設省都市局下水道部では、「下水道政策研究委員会」を平成11年2月に(社)日本
下水道協会と共同で設置し、 「今後、国民から期待される下水道の役割とは何か。
また、その役割を実現するための整備・管理はどのように行われることが適切か。」
を諮問しました。 本委員会では、これまで、計9回の審議を重ね、21世紀社会の望ましい姿を描いたうえで、
その実現のために下水道が有すべき役割、機能について検討を行ったほか、 地方公共団体、有識者及び関係団体等下水道関係者に幅広く意見聴取を行い、
このたび中間報告をとりまとめました。
今後は、中間報告に基づき、 引き続き費用負担や役割分担等について小委員会等で検討するとともに、
各方面の意見を聞きながら詳細な検討を行い、 これらの結果を平成13年度重点施策へ反映させるなど、
新たな下水道事業の展開を図っていくこととしています。
中間報告の主な内容は以下の通りです。 このページの最後に報告書のpdfファイルがあります。
- 下水道整備の現状と課題を指摘
- 21世紀社会を「人」、「水」、「地球」の3つの視点からとらえ、望ましい姿を描く
- それを実現するための下水道の新たな役割を提示
- 下水道の有すべき8つの機能を示し、具体的施策を提言
- 地下街浸水等の都市型水害に対応し、浸水安全度を早急に向上させるため、 都市全体での流出抑制対策を含めた総合的雨水対策を実施するとともに、
合流改善・初期汚濁雨水対策を実施し、雨水の質・量一体の管理を推進
- 生活用水の3/4相当量が下水道を経由する現状を踏まえ、 水質、水量及び生態系の総合的な保全を図るために、高度処理を計画的に推進するとともに、
環境ホルモン等微量有害物質による水系リスクへの対応についても検討
- 廃棄物の減量化、ダイオキシン発生抑制等の社会的要請に対応するとともに、
循環型社会の構築に貢献するために、広域的観点から下水汚泥の減量化・再利用を計画的に推進
- 下水道管理用光ファイバーを都市・地域の情報化に活用(FTTHの実現)
等、8つの機能を実現するための具体的施策を展開
- 関係部局との連携と役割分担の重要性を指摘
問い合せ先: |
建設省都市局下水道部下水道企画課
TEL:03-3580-4311(代) |
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別添1
■審議事項
今後、国民から期待される下水道の役割とは何か。
また、その役割を実現するための整備・管理はどのように行われることが適切か。 |
■課題
(課題1)
21世紀における社会情勢の変化に対応して、今後の下水道に期待される役割は何か。
また、何を目標に整備されるべきか。
[趣旨]
公衆衛生の確保、浸水の防除を目的として開始された下水道事業は、 高度経済成長期の公害の顕在化に伴い公共用水域の水質保全という役割を新たに担うようになった。
その後、下水道事業は着実にその推進が図られた結果、 平成9年度末における下水道処理人口普及率は56%に達することとなり、
今や国民の2人に1人が下水道を利用できるまでに至っている。
一方、近年においては、下水処理水や下水管渠内空間など資源や施設の有効利用の推進、
健全な水循環へのより一層の貢献などが求められていることに加え、 環境ホルモンや地球温暖化等の新たな環境問題への取り組みが求められるなど、
下水道に期待される役割はますます多様化複雑化している。
来る21世紀には少子高齢化が進行し、 情報化や様々な分野のグローバル化が進むと予想される社会情勢のもと、
これらの課題を解決するために下水道はどのような目標のもとに整備・管理されるべきか。
(課題2)
今後の下水道事業の展開にあたっては、 国、地方公共団体、民間はどのような役割を担うべきか。
[趣旨]
現行の下水道法では、下水道事業は、本来市町村が実施すべきものとされているが、
広域的な計画や事業については都道府県が行うこととされている。 また、国については、長期計画や目標の設定、行財政制度の制定、
事業等への助成等を実施してきたところである。
現下の地方分権を含む制度改革の流れの中で、今後、国、都道府県、市町村は、
それぞれどのような役割を果たしていくべきか、 また、国は都道府県や市町村に対してどのように関与をしていくべきか。
さらに、民営化やPFIが議論される中で、本格的な維持管理の時代を迎える21世紀の下水道事業は、
その役割を誰がどのように果たすべきか。
(課題3)
今後の下水道事業の展開にあたっては、公平性、効率性等の観点からどのような負担をするべきか。
[趣旨]
少子高齢化が進んだ21世紀の日本社会では、処理施設の高度処理対応、 環境ホルモン対策等、下水道に求められる役割はますます多様化高度化するとともに、
高度成長期に整備した施設が更新時期を迎えるなど、新たな財政需要が生じると予想されている。
このため、下水道事業の財政状況も非常に厳しいものとなり、 新たな投資への余力は限定されたものになると考えられる。
今後の下水道事業のあり方を考える上において、下水道が担うべき役割を果たすために必要な費用を、
どのような主体がどのような割合で負担するべきか。
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別添2(下水道政策研究委員会委員)
委員長 |
東京大学大学院工学系研究科教授 |
松尾友矩 |
委 員 |
日本下水道事業団理事 |
安中徳二 |
慶應義塾大学環境情報学部教授 |
石川幹子 |
京都大学大学院経済学研究科教授 |
植田和弘 |
青森大学大学院教授 |
岡島成行 |
上智大学法学部教授 |
小幡純子 |
(財)東京都新都市建設公社理事長 |
鹿谷崇義 |
東京大学名誉教授 |
高橋 裕 |
茨城大学農学部教授 |
高村義親 |
(財)国土開発技術研究センター理事長 |
豊田高司 |
東京大学工学系研究科都市工学専攻教授 |
花木啓祐(費用負担小委員長) |
慶応義塾大学経済学部教授 |
細田衛士 |
北海道大学教授 |
真柄泰基 |
京都大学教授 |
松井三郎 |
(財)淡水生物研究所所長 |
森下郁子 |
一橋大学商学部教授 |
山内弘隆 |
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(平成12年3月31日現在) |
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