高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案について

平成12年2月15日
建    設    省
 

1.法案の趣旨
 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性・安全性の向上を促進するため、
@  鉄道駅等の旅客施設及び車両について、公共交通事業者によるバリアフリー化を推進する。
A  鉄道駅等の旅客施設を中心とした一定の地区において、市町村が作成する基本構想に基づき、旅客施設、周辺の道路、駅前広場等のバリアフリー化を重点的・一体的に推進する。
 
2.法案の概要
 (1)基本方針
   国は、公共交通機関を利用する高齢者、身体障害者等の移動の利便性及び安全性の向上を総合的かつ計画的に推進するため、基本方針を策定。
 
 (2)公共交通事業者が講ずべき措置
   公共交通事業者に対し、鉄道駅等の旅客施設の新設・大規模な改良、車両の新規導入の際、この法律に基づいて定められるバリアフリー基準への適合を義務付ける。
 
 (3)重点整備地区におけるバリアフリー化の重点的・一体的な推進
@  市町村は、基本方針に基づき、一定規模の旅客施設を中心とした地区において旅客施設、道路等のバリアフリー化を重点的・一体的に推進するため、基本構想を作成し、公表。

(基本構想の内容)

  • 目標時期
  • 重点的に整備すべき地区(鉄道駅及び徒歩圏内にある福祉施設、病院、官公庁等を含む地域)
  • 高齢者、身体障害者等の移動経路に係るバリアフリー化のための事業の概要 等
A  公共交通事業者、道路管理者及び都道府県公安委員会は、基本構想に従ってそれぞれ具体的な事業計画を作成し、バリアフリー化のための事業(特定事業)を実施。

 イ.道路管理者の行う特定事業

  • 歩道の拡幅、段差の解消、案内標識の設置、路面の改善等
  • 道路の構造に関する基準に従い事業を実施

 ロ.その他の特定事業

公共交通事業者… エレベーター、エスカレーター等の設置、低床バスの導入等
都道府県公安委員会… 視覚障害者用信号機の設置、放置自転車等の違法駐車行為の取締り等
B  地方公共団体等は、駅前広場、通路、駐車場、公園等について、基本構想に従ってバリアフリー化を実施。
 
C  土地区画整理事業において、旅客施設等の用地を保留地として確保するための特例制度の創設
 
 (4)施行期日
   6ヶ月以内で政令で定める日から施行(鉄道車両、船舶、航空機についてのバリアフリー基準への適合義務付けは2年以内で政令で定める日から施行)
 
3.閣議決定日
  平成12年2月15日(火)
 
 ※主務省庁は、運輸、建設、自治、警察の4省庁

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