9. 快適な都市生活のための人づくり

 

◎ 快適な都市生活、持続可能な地域づくりのためには、主体性と市民力を備えた人づくりが重要。そのためには、アメリカのハンズオンの展示手法(参加体験型の展示手法)に基づく子どもミュージアム、イギリスやドイツの校庭改善プロジェクトのように、自ら調べ、考え、実践するというプロセス学習を家庭も巻き込みながら実践する子ども時代からの人づくりが必要。 

 

 真に快適な都市生活を実現し、持続可能な地域づくりを行っていくためには、基本的に主体性と市民力を備えた人づくりが重要である。

 

 欧米ではこのような認識に立った教育を幼児の頃から実施している。例えば、イギリスの環境教育は、人工的な環境と自然のバランス、人と環境、人と人とのつながり、自然・歴史・文化の持続可能性、といったことに関し、まず好奇心を喚起してから知識や理解、コミュニケーションといった能力を獲得させるとともに、多元的な見方ができるようにしている。そこではまず知識(about)を与えるのではなく、子どもたちのいろいろな体験を通して(through)、気づかせ、関心を促した上で子どもたち自らが調べに行って、考え、そして実践していくというプロセス学習が行われている。

 

 このような中で、未来をイメージしてそれを具体的な形につくっていく時には、解決の道はひとつだけでなく様々な発想があるという考えや他人の信念や意見に対する寛容さ、そして自分自身で社会を変えていく力が養われるのである。

 

 このような持続可能性に向けた教育は他の国々でも同様に行われているが、その具体例には次のようなものがある。

 

 まず、ドイツやイギリスで実施されている校庭改善プロジェクト。これは、水と緑が豊かな校庭に改善することについて子どもたち自身がアイディアやビジョンを出して、それを実践するためにはどうしたらよいか、PTA・家庭も巻き込みながら一緒に考え、改善・実践していくものである。

 

 次にアメリカの子どもミュージアム。これは、いろいろな街、いろいろな暮らしがあるということを異文化体験をさせながら展開するものであるが、日本と異なるのはハンズオンの展示手法に基づいているということである。

 

 第3にまち学習における街ウォッチング。これは1972年頃、イギリスでストリートワークとして用いられた手法であるが、これは日本でも各地で実践されており、子どもたちと街ウォッチングをやりながら、よいところ、悪いところ、残したいところ、変えたいところを発見し、まちづくりマップに残して表現したり、あるいは昔のまちの様子を大人から聞くといった相互交流を行ったりしている。

 

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川崎市の副読本「まちは友だち」より
 


川崎市の副読本「まちは友だち」より

 

 

 ハンズオンとは?

 

 「ハンズオン」とは辞書(デイリーコンサイス英和辞典)によると「実際に参加する。実地の」という意味であるが、アメリカで子どもミュージアムや科学博物館で始まった「自分から積極的に見て触って試して理解へ導く展示の手法」がその語義である。日本ではハンズオン展示を体験型や参加体験型展示という場合が多い。

 また、ハンズオンという言葉は最近では展示だけでなく「分かりやすい方法」や「子どもに理解できる方法」という意味にも使用するケースが増えている。

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