資料4
東京圏の現状と課題について
平成12年2月2日
建 設 省
T.東京圏の社会経済状況
1 東京圏は国内総生産の30%以上を占め、主要企業の本社・本店が 集中する我が国経済の中心であり、我が国に進出している外資系企 業の87%が東京圏に立地している。 |
面積・人口は平成7年国勢調査、国内総生産は平成7年県民経済計算年報、
本社・本店の立地は平成8年国税庁統計年報書より
2 一方、東京の生活環境、オフィス環境の評価は低く、特に、生活 環境については、香港、シンガポール、ソウルといったアジアの主 要都市と比べても劣るとされている。 その要因としては、物価の高さのほか、住宅、生活周辺環境に対 する評価の低さが挙げられ、外資系企業で働く人の不満も、住宅の 価格、通勤の長さ・混雑、緑の乏しさ、道路の未整備といった項目 に多くなっている。 |
ビジネスを行う上での総合評価(都市間比較)
(平成6年:東京都による外資系企業に対するアンケート調査より)
外資系企業の評価に基づく生活環境における都市間比較
(対欧米都市)
(対アジア都市)
(平成6年:東京都による外資系企業に対するアンケート調査より)
3 また、住宅価格、オフィス賃料についてみると、東京は各国都市 に比して最も高い水準となっている。特に住宅は、ニューヨークの 3.5倍、パリの 4.1倍となっている。 |
(*):各都市の都心から概ね1時間以内の一戸建住宅が集積しており、居住環境が良好な地域
(*):商業・業務機能が集積している地域で、都心又は副都心にあり、比較的大規模な中高層の店舗等が高密度に集積している地域
上下とも、東京を100とした指数(平成10年1月時点での評価。国土庁及び(社)日本不動産鑑定協会の調査より)
4 こうした状況の下、アメリカ経済誌の「ビジネスに適した都市」 のランキングでは、東京は10位にとどまり、アジアではシンガポー ル、香港より低い評価となっている。 また、国際会議の開催件数が平成3年から平成10年の間では約30 %減少するなど、国際都市としての東京圏の魅力が低下していると の指摘もなされている。 |
ビジネスに適した世界の十大都市
1位 シンガポール
2位 サンフランシスコ
3位 ロンドン
4位 ニューヨーク
5位 フランクフルト
6位 香港
7位 アトランタ
8位 トロント
9位 パリ
10位 東京
(1995年米経済誌フォーチュンより)
東京における国際会議開催数の推移
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世界14位 | 世界26位 | ||||
84件 |
59件
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平成3年 平成10年(○位は世界都市ランキング)
(出典:国際団体連合資料に基づく国際観光振興会作成資料より。)
5 また、外資系金融機関で東京にアジア地域の統括拠点(HQ)を 置いていた企業の多くが、バブル崩壊後、香港、シンガポールにH Qを移転したとされており、さらに、外為市場での取引高も減少し、 世界市場でのシェアを低下させている。 このほか、諸外国で国内(東京)に大使館を置く国は2/3弱にと どまり、海外の大使館に兼轄させている国も25国にのぼる。 |
*東京からのHQの移転先は、約8割が香港、約2割がシンガポール。