セミナーにて寄せられたご質問
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導入の目標と実現について
社内の普及推進に
導入にあたって
導入後の課題について
 


導入の目標と実現について
Q.1 テレワーク制度導入の最終目標は何ですか?何を実現したいのですか?

社内の普及推進に
Q.1 テレワークを社内で普及させるためにどのような工夫をしていますか?
Q.2 社員に対するアンケート調査・ヒアリング調査のポイントは?
Q.3 テレワーク推進において、経営側と従業員の意識の差がある場合にはどう対処したら良いですか?

導入にあたって
Q.1 BCPを目的とするのか、業務効率を目的とするのか、あるいはワーク・ライフ・バランスを目的とするのかによって、テレワークの展開方法が異なると思いますが、どういうふうに進めていくことがよいですか?
Q.2 テレワークの導入は、職種により不公平であるとの意見があります。事務部門は比較的導入しやすいものの、製造部門は導入しにくいと考えられます。職種による公平性を確保するにはどうすればよいですか?
Q.3 詳細な制度設計を必要とせず、より簡便なテレワーク導入はありますか?
Q.4 テレワーク制度導入に要する時間・費用は?
Q.5 テレワークを実際に導入した際の懸念点は?
Q.6 テレワークを実際に導入して感じるデメリットは?

導入後の課題について
Q.1 実際にテレワークを導入しての社内外へのインパクトは?
Q.2 在宅勤務時の勤務時間管理はどのようにしたら良いでか?
Q.3 在宅勤務時における長時間労働を防止する工夫は?
Q.4 在宅勤務時に想定外のことが起きた場合は、どう対処したら良いですか?
Q.5 在宅勤務をすると、孤独感などコミュニケーション上の課題が大きいのでは?
Q.6 在宅勤務者は業績評価が難しいのでは?
Q.7 内勤社員の業績をアウトプット重視という形で測っていくのは難しいのでは?
Q.8 テレワーク導入企業の満足度は長期的には低下するという話を聞きますが、本当でか?

テレワーク制度導入の最終目標は何ですか? 何を実現したいのですか?
A.1 「時間、場所は関係ない」というマインドを浸透させるのが究極の目標です。
また、自主性をもって自己管理がきちんとできるという社員になってもらいたいと思っています。
A.2 今までどおりの「決まった9時〜17時に会社で働かなくてはいけない」「自分の席で働かないといけない」「上司に評価してもらうには長時間働かないといけない」などといった思い込みを排して、社員一人ひとりが自律的に成果を出せるような会社をつくりたいと思っています。

テレワークを社内で普及させるためにどのような工夫をしていますか?
A.1 まずは経営者層や管理職・部長等に対して、在宅勤務をしても生産性が担保できる/上がる、あるいは、従業員のワーク・ライフ・バランスに貢献するというポイントを広報活動することが必要と感じています。
そのためにはしっかりとアンケート調査を実施して、それを社内で広めていくという方向で考えています。社内の掲示板やイントラネットの活用も有効でしょう。
A.2 社内報などで在宅勤務者の声・姿を広報しています。いかに効率よく家族にも喜ばれ、うまく仕事をしているかというところを紹介するようにしています。
A.3 経済的支援よりは広報関係が重要です。社内報にテレワーカーの成功事例を掲載したり、社長にも折に触れて語ってもらうようにしています。また、「テレワーカーの会」を催して、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションも行うようにしています。

社員に対するアンケート調査・ヒアリング調査のポイントは?
A.1 社員のスキルアッププランというものを作るとともに、在宅勤務に関する改善要望を出してもらっています。まったく自由に書いてもらっています。
A.2 本人と上司にヒアリングをしています。ワーク・ライフ・バランス面と仕事の効率の面と2つに分けてメリット、デメリット、それぞれに尋ねています。その結果、メリットの方が大きいということがわかったので導入に至っています。
A.3 @パフォーマンスの問題‥‥在宅勤務によってパフォーマンスがオフィスにいる時と同じように上げられたか、もしくは、向上したか。
Aコミュニケーション上の問題‥‥フェイス・トゥ・フェイスでコミュニケーションを取れないということでどれぐらい支障があるのか、ないのか、電話で足りるのか、メールで足りるのか。もし、電話・メールだけでは不十分だということであれば在宅勤務そのものを見直すとか、限定的にせざるを得ないとも思います。
BIT環境の問題‥‥IT環境により支障が非常に大きいということであれば、何らかの対策を考えるか、支障がない人だけを対象にするというような結論を出すべき。
C時間効率の肌感覚‥‥通勤時間の問題≒時間を有効に使えるという問題などの肌感覚というものは押さえておくことが望ましい。仮に、時間効率が悪くなったという意見があれば、制度自体やめた方がいいと言えます。

テレワーク推進において、経営側と従業員の意識の差がある場合にはどう対処したら良いですか?
A.1 経営者側からは、もっとチームワークを高めて仕事をしていかなければいけないフェーズに移っているのではないか、という声があります。コミュニケーション・ロスが発生すると、支障が出るのではないか、という経営の危惧感もあります。他方、育児をする社員は導入を望んでいます。
A.2 経営者と社員の差も問題ですが、実は人事部が一番ハードルになってしまっていた、という側面もあります。
A.3 ボトムアップで導入することにより、在宅勤務をやりたい社員がまずやってみるので、良い結果が出ます。それをもって経営者側は、いいところ、悪いところというのを実際に見て判断ができる、という流れが望ましいと思います。
ただし、やはり時間がかかるというデメリットがありますし、規模感やスピード感も思った通りにならないかも知れません。
A.4 会社側と従業員の意識の違いについては、一番問題なのは中間管理職、あるいは人事部門だと思います。人事部門が動くのは、基本的に上から指示されたときですから、ボトムアップで在宅勤務制度を導入しようという場合は、人事部門を説得するのではなくてCEOあるいは役員で旗振りをやってくれるような人を口説く以外ありません。
経営層が経営目的でテレワークを導入したい、というのであれば、それは人事部門がどう思おうが、従業員がどう思おうが実施されることが多いですし。
ただ、実は経営者側とワーカーだけではなくて、特に周りの理解も必要ですので、ケアも必要になってきます。

BCPを目的とするのか、業務効率を目的とするのか、あるいはワーク・ライフ・バランスを目的とするのかによって、テレワークの展開方法が異なると思いますが、どういうふうに進めていくことがよいですか?
A.1 業務効率・生産性アップを目的として導入する場合、部門ごとに生産性アップが違うと思います。また、対象者も自立した社員でないと生産性アップが見込めません。
A.2 ワーク・ライフ・バランスをメインに導入する場合は、部門別の導入ではなく、個人で判断することになります。その人がどんな仕事をしているか、自立性があるかといったところで判断すべきと思います。
A.3 ワーク・ライフ・バランスの実現を最優先に考えて導入しています。あくまでも社員が自分のワーク・ライフ・バランスに資するならということで、希望で在宅勤務形態を採っているので、その結果、成功させたいということで効率もアップし、効果が出てきています。
BCPについては、会社としての危機管理なので、在宅勤務とは全く別の形で取り組んでいます。コア業務にフォーカスして演習しますので、在宅勤務とBCPは取組みのレベル・内容が全く異なります。また、BCP目的であれば機器関係やLANなどの費用も会社が負担しますが、在宅勤務は社員本人の希望に基づきますので費用は社員が負担します。
ただし、やはり在宅勤務制度を導入していると、BCPの参考になるいろいろなノウハウが蓄積できます。例えば「フェイス・トゥ・フェイスで話ができないとこんな不便がある」「こんな働き方の方がいい」「資料を紙で持つのではなくて、全部LAN上に置いておいた方がモバイルワークで便利」など、そういうノウハウはBCPの観点からも有効です。
A.4 ワーク・ライフ・バランス目的であれば、強制するというよりは希望するという人のために制度を作る訳ですが、BCP目的であれば、絶対に実現する、という展開になります。
業務効率向上目的、特に生産性向上目的の場合、よく「テレワークによる生産性向上をどう担保するか」という議論になりますが、これは不思議で、通常のホワイトカラーのワーカー、知的生産の労働者に対しても同じ基準で測定すべきです。そもそもそこができていないのにテレワーカーに対して「生産性を証明しなさい」ということ自体がナンセンスです。同じ基準を全員に対して課して、在宅勤務をやった場合とそうでない場合との生産性の比較をしっかりやっていくというのが会社側・経営側の義務だと思います。
モバイルワークがこれだけ広がった1つの理由はコスト削減が大きいです。コスト削減で、テレワーク導入に必要な初期投資が確実に回収できます。

テレワークの導入は、職種により不公平であるとの意見があります。事務部門は比較的導入しやすいものの、製造部門は導入しにくいと考えられます。職種による公平性を確保するにはどうすればよいですか?
A.1 工場でも、いわゆるラインについている人以外は在宅勤務が可能と考えています。制度利用の機会がない、という意味では、ラインの社員に不満があるかもしれませんが、自分の仕事は何であるかという自覚は十分持っていますので、ラインについて仕事をする自分が、家で勤務するということはそもそも有り得ないという常識は持っていますから、それほど大きな不満が出ることはありません。
A.2 工場でも、一部事務作業がありますし、工場を止めて検査をする期間もあります。通常、研修を受けたり、ほかの仕事をしたりしますが、そういう日に在宅勤務をすることも可能と考えています。

詳細な制度設計を必要とせず、より簡便なテレワーク導入はありますか?
A.1 在宅勤務で効果があがるのは、在宅勤務の必然性の高い社員の場合と考えていますので、あまり中途半端な在宅勤務制度は意味がないと思います。
A.2 最初に余り大きく広げないで、本当に必然性があり環境の整っている、本人もちゃんとパフォーマンスを上げられる社員に対して、試行的に導入してみると、割とすんなり導入できると思います。必然性があるという事は、周りからの不協和音も出にくいです。

テレワーク制度導入に要する時間・費用は?
A.1 情報セキュリティマネジメントの確立に1年間かかっています。
A.2 オフィスのパソコンをノートPCに切り替える費用がかかった程度で、特にコストはかかっていません。
A.3 オフィスのパソコンをリプレース時に順次、ノートPCに切り替えてきましたので、在宅勤務制度導入にあたって、特にコストをかけたこともありません。

テレワークを実際に導入した際の懸念点は?
A.1 システム上の課題。導入前には、リモートアクセスの増加に社内システムの能力が対応しきれるか、という懸念がありましたが、実際には大きな問題はありませんでした。
ただ、モバイルワークが多いため、ハードウェアの故障が多発しました。
A.2 社内の抵抗、特に役員・管理職層の抵抗感。社長の決断で導入に踏み切りましたが、在宅勤務社員の評価の考え方などについて議論がありました。
A.3 情報セキュリティ。万が一の事故があってはいけませんから、情報セキュリティを整備するのに、システム的・人材育成を含めて1年かかりました。
A.4 実際に仕事が回るかどうか。別のオフィスにいる人間に情報を伝えて仕事を回すことに懸念がありましたが、実際に毎日電話・メールでコミュニケーションをとっていますと、意思疎通をできるようになります。また、WEB会議も補助手段として有効です。
A.5 自己管理の問題。懸念はありましたが、真面目な社員が多く、全然問題ありません。

テレワークを実際に導入して感じるデメリットは?
A.1 社内での不公平感が感じられます。今までも育児中の人は時短勤務を認めたり、育児休職の期間を長くしたり、短時間勤務を認めたりといったところで多少、不公平感とか、周囲の人たちが負担が大きくなったというふうな声がありました。なので、在宅勤務に関してもやはり同じような、周囲の不満は多少あります。逆に、在宅勤務を希望する社員がいても、上司が認めない部署もあり、そういった意味での不公平感もあります。
A.2 コミュニケーション効率が落ちることが感じられます。上司と日常的にコミュニケーションを取りながら仕事をしている人の場合、それが週2回とはいえ、コミュニケーションが密に取れなくなるので、デメリットが感じられます。これを、余り意識せずに導入すると、そのデメリットがそのまま出てしまうので、自己管理ができる人で、周囲に大きな影響が出ない状況の社員に対して在宅勤務を認めることとしています。

実際にテレワークを導入しての社内外へのインパクトは?
A.1 社員の評価における成果主義を具体的に定着させる1つのツールになっています。
先進的な企業イメージを社外的には感じていただけるメリットがあります。例えば40年前に完全週休2日制の企業の人気があったというように、在宅勤務を導入している企業は新卒採用に有利に働くかもしれない、と期待しています。
A.2 会社全体の生産性は未検証ですが、在宅勤務を実際に利用している社員からは、非常に業務がはかどって仕事をしやすいという意見が多いです。また、モチベーションも上がりましたという声は聞いています。
A.3 ワーク・ライフ・バランスという考え方を社内に定着させるのに役立っています。
A.4 在宅勤務をする必然性のある社員が在宅勤務をすれば、物すごく効率がいいです。

在宅勤務時の勤務時間管理はどのようにしたら良いですか?
A.1 勤務時間管理は通常の時間管理を行っています。より職位の高い社員の場合は、フレックスタイム制度を採っており、始業時刻・終業時刻を自分で決めて、上司に連絡します。更により職位の高い社員では裁量労働を採っていますが、その場合でも、勤務時間は事後報告をするようにしています。
A.2 みなし労働時間勤務制度なので、通常会社で1日やっている仕事と同じぐらいの量の仕事をしてください、という規定になっています。
A.3 みなし労働勤務時間制度を採用しており、在宅勤務日は会社に来たのと同じように働いたとみまします。原則、残業はなしでお願いしますということを言っています。
業務のスタート・エンドの時間に関しては、報告様式を使って報告をしてもらいます。
A.4 時間管理に限れば、テレワークで時間管理をやるのは、実は非常に簡単です。ほとんどの人が自宅にインターネット環境がありますので、無料のシェアウェアで動画で両方向コミュニケーションができるツールもたくさんあります。何時に勤務開始で何時までというのを動画でお互いに流せばいいんです。そうすればオフィスで働いているのと全く同じなんですね。時間管理をやりたければそれをやればいいという話です。

在宅勤務時における長時間労働を防止する工夫は?
A.1 作業にかかる前に、見積り工数を明確にすることです。
A.2 みなし労働時間労働制度を導入しており、基本的に残業代が発生しないようにしています。勤務時間をイントラネットのシステムで入力する際に、在宅勤務の場合は、残業時間を投入できないようにしています。意外にそういった工夫が、長時間労働を防ぐ仕組みになると思います。
A.3 長時間仕事をするのは余り良いことではない、という雰囲気を浸透させていく全社的な取組みが必要です。もちろん簡単な話ではありませんが、そういうアプローチが必要でしょう。

在宅勤務時に想定外のことが起きた場合は、どう対処したら良いですか?
A.1 在宅勤務中に想定外のことが起こった場合、例えばお子様が熱を出した、などという場合には、その時点で在宅勤務をストップして、それまでの就業時間を申告していただきます。
A.2 想定外のことが起きたとき、やはり子どもの熱とか、そのまま業務を継続することが難しいということになった場合はそこでストップしていただいて、あとは休暇を取るなり、通常のときと同じ対応を採っていただきます。

在宅勤務をすると、孤独感などコミュニケーション上の課題が大きいのでは?
A.1 孤独感などの数値は上がっておりません。出張などを考えれば孤独感まで感じるほどのことではないと考えています。ただ、おしゃべり好きの人で「一日中、黙って家にいるとすごく疲れて、かえって会社に行った方がいいので私は向いていないです」という人はいらっしゃいました。
A.2 孤独だという声は余り聞いていませんが、孤独だったら在宅勤務をしなければいいだけの話でしょう。それこそ、置いていかれるような気持ちになる人が使うべき制度ではないということだと思います。
A.3 それほどきつい孤独感を感じるということはないんですが、中には「1日話さないとすごくもやもやする」という方がいらっしゃって、せっかく在宅勤務なのに夕方だけ会社に来て同僚と食事をして帰る人もいました。希望して試行してみたが、自分は向いていないということで、試行期間終了を待たずにやめられる方も何人かはいます。
A.4 週に1回しか出社しないとか、月に2回ぐらいしか出社しないという企業もありますが、そういった企業では疎外感・孤独感という問題は出てきますから、マネジャーの大きな役割の1つとして、社交性やソーシャライゼーションを目的として、本当はネット上でもできる会議を敢えてフェイス・トゥ・フェイスで招集する、といった工夫が必要と思っています。
テレワークができる・できない、うまくいく・いかないというものの1つの大きなポイントは、コミュニケーションと情報共有なんです。コミュニケーションと情報共有をしっかりサポートしてやると、実はほとんどの業務ができるはずです。

在宅勤務者は業績評価が難しいのでは?
A.1 パフォーマンス評価につきましては、通常の評価と同様に、トータルの仕事のアウトプットに対する評価になります。在宅勤務者に何か違う評価形式を採っているということは全くありません。
A.2 在宅勤務時には、事前申請と報告が必要となっており、「何月何日に在宅勤務をします、予定の業務はこれです」と簡単に項目を2〜3書いて貰います。また、終わった後に達成度も上司に報告してもらいます。そういうもので報告をし、業務評価につなげています。評価は報告書で評価をします。その日の評価はその報告書を見て上司が評価し、半年間の評価をそれに基づいてやるということになっています。
A.3 評価は半期、あるいは1年ということで大きく評価はされますが、その日単位の評価ということでは報告様式を使ってやっていただいています。

内勤社員の業績をアウトプット重視という形で測っていくのは難しいのでは?
A.1 目標設定をかなり厳密に行っており、環境の変化に応じた見直しも何回も行います。また、その達成度合いを、中間でもレビューし、期末にもレビューします。そして、その達成度合いを会社と社員で詰めていきます。そういうシステムがそれなりに機能しているからこそ、パフォーマンスがちゃんと測定できる仕組みになっています。

テレワーク導入企業の満足度は長期的には低下するという話を聞きますが、本当ですか?
A.1 満足度はかなり上がっていますし、生産性も上がっています。特に下がる要因は想定できません。
A.2 在宅勤務がなじまないと思ったら社員本人も申請しないと思いますので、余り下がるということは想定できません。
A.3 満足度は、どちらかというと上がっており、「在宅勤務制度を導入してくれて有り難う」という状態です。