PT調査の実施状況・結果概要
近年の実施概要
1.検討体制 2.実態調査 3.現況分析 4.予測手法 5.計画提案
■東京都市圏
 

5.マスタープランの評価

(1)シナリオの設定と評価の考え方

(1)戦略モデルによる評価

【総合交通政策シナリオの検討】

STEP1: すう勢的な状況下での交通政策上の課題整理
STEP2: STEP1で整理された課題解決の可能性を、すう勢型都市圏構造の下での都市交通政策グループにより検討
STEP3: 課題解決と将来像の実現のための人口配置誘導とともに、都市交通政策グループの組合せを検討

(2)詳細モデルによる評価

【 評価するケース一覧 】

    都市圏構造の誘導 交通ネットワーク整備 TDM施策等の導入
シナリオ1
すう勢型都市圏構造+ 実現可能性を考慮した最大限の都市交通施策群
すう勢型 グループ3
(実現可能性を考慮した最大限の施策)
シナリオ2
誘導型都市圏構造+実現可能性が比較的高いと考えられる都市交通施策群
誘導型 グループ2
(実現可能性が比較的高いと考えられる施策)
シナリオ3
誘導型都市圏構造+実現可能性を考慮した都市交通施策群
誘導型 グループ3
(実現可能性を考慮した最大限の施策)
比較ケース1
すう勢型都市圏構造+都市交通施策なし
すう勢型 グループ0(現況) グループ0(施策なし)
比較ケース2
誘導型都市圏構造+交通NW整備推進
誘導型 グループ2 グループ0(施策なし)
比較ケース3
誘導型都市圏構造+TDM施策等推進
誘導型 グループ0(現況) グループ2
比較ケース4
(シナリオ0)
すう勢型都市圏構造+実現可能性が比較的高いと考えられる都市交通施策群
すう勢型 グループ2 グループ2

(2)評価指標

【1.政策評価のための評価指標】

都市交通の3つの基本目標 目標・評価視点の
7つのポイント
政策評価のための評価指標 マクロ
レベル
詳細
レベル
評価の視点 具体の指標
東京都市圏の活力を支えるモビリティの向上 (1)日常の移動性の向上 道路混雑の解消 面混雑度1.0以上の台キロ(一般道注1)
渋滞時間の短縮 走行速度25q/h以上の道路延長(一般道注1)
鉄道利便性 駅アクセス距離1.5q以上人口割合
(2)経済活動の活性化 活動機会の増大 60分以上通勤トリップ数
広域連携拠点から60分以内の延べ従業人口
環境にやさしい交通体系の構築 (3)環境への配慮 地球環境の改善 二酸化炭素(CO2)排出量
沿道環境の改善 窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)排出量
安全で快適なくらしと交通の実現 (4)交通安全 道路交通の安全拡大 自動車免許保有人口当たり年間交通事故件数
(5)災害時の安全 帰宅支障者 帰宅支障者数
延焼遮断 広幅員道路密度
(6)高齢者などの移動性 鉄道混雑 ピーク時注2)鉄道混雑率150%注3)以上人分

鉄道利便性

自動車・鉄道ともに利用が不便な高齢者数
・マクロレベル:大ゾーンレベル ・詳細レベル:計画基本ゾーンレベル

(3)主な評価結果

(1)Do Nothingケースの評価(比較ケース1)

<すう勢的に都市圏構造が推移することによる課題>

  • 長距離通勤者の一層の増加
  • 公共交通不便者の増加

<都市交通施策(交通施設整備、交通需要管理等)を実施しないことによる課題>

  • 道路混雑の悪化に伴うモビリティーの低下
  • 鉄道混雑の一層の激化
  • 公共交通も自動車も不便ないわゆる交通弱者の増加
  • 交通事故の増大
  • 大規模震災に対する脆弱性
  • 二酸化炭素排出量の増加

(2)すう勢型都市圏構造+実現可能性を考慮した最大限の都市交通施策群の評価

(シナリオ1)
都市圏構造がすう勢的に推移し、かつ、実現可能性を考慮した最大限の施策を導入した場合(シナリオ1)、帰宅支障者数は現況より悪化するが、その他の指標については現況より改善が図られており、目標とする基準値(現況水準)はある程度達成できると考えられる。

(3)誘導型都市圏構造+実現可能性が比較的高いと考えられる都市交通施策群の評価

(シナリオ2)
誘導型都市圏構造の下で、実現可能性が比較的高いと考えられる都市交通施策群を導入した場合(シナリオ2)、全ての評価指標について、目標とする基準値(現況水準)より改善が図られている。

(4)誘導型都市圏構造+実現可能性を考慮した最大限の都市交通施策群の評価

(シナリオ3)
誘導型都市圏構造の下で、実現可能性を考慮した最大限の都市交通施策群を導入した場合(シナリオ3)、シナリオ2から全ての指標が改善する方向にある。特に、自動車のモビリティに関する指標の改善が大きい。また、二酸化炭素の排出量については、1990年比6%削減という目標を達成している。
 
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