京都御苑の南の一角に建つ拾翠亭は、江戸時代後期に九條家の別邸として建築されたものであり、当時の公家の生活と数寄屋風書院造りを現在に伝える数少ない貴重な文化遺産です。
建物は老朽化が著しく、雨漏りや柱の足下の腐朽による変形などの障害が発生したため、保存修理工事をおこないました。工事に当たっては、建物を極力当時の状況で保存する事を心がけ、木材、壁土などあらゆる既存材料を補修しながら再生利用しました。また、当時の建築職人の技を将来に伝えるため、日本の伝統技術(数寄屋大工、聚楽壁、こけら葺き等々)を駆使して、丁寧に工事が行われました。
創建当時の名称 : 九条家別邸
所 在 地 : 京都府京都市上京区
構 造 ・ 規 模 : 木造 地上2階
原 設 計 者 : 不明
竣 工 年 : 不明
保 存 方 法 : 復原保存