本建物は、当時の大蔵省営繕管財局により設計され、昭和6年(1931年)7月に着工し同8年(1933年)7月に竣工しています。昭和初期の中央官庁庁舎の特徴である大きな窓開口を有し、外壁のスクラッチタイル(表面を引っ掻いた模様のタイル)、外壁下部の豆州(ずしゅう)産(伊豆長岡)の横根澤石(御影石の一種)、正面玄関上部のゴシック風飾り等が特徴の建物です。
保存活用は、虎ノ門交差点、桜田通り及び三年坂並びに新橋方面や皇居方面からの景観に考慮し、ランドマーク性を有する主要部分として位置付けられた桜田通り側と三年坂側のL字型部分としました。なお、整備は官庁営繕部で初めて導入したPFI手法による中央合同庁舎第7号館整備等事業の一部として実施したものです。
保存活用部分は、耐震補強、設備機能等の更新及び現行の建築基準法令への適合等に係る工事を行い事務室等として活用している。特に玄関ホール及び各階エレベーターホールについては保存修復し、旧大臣室及び秘書官室については創建時のイメージに復原し登録有形文化財に登録されました。また、本保存棟については、平成23年度耐震改修優秀建築等表彰制度(財団法人日本建築防災協会)における優秀建築賞を受賞しています。
保存棟(旧文部省庁舎)
各階エレベーターホール
創建当時の名称 : 文部省
所 在 地 : 東京都千代田区
構 造 ・ 規 模 : 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上6階
原 設 計 者 : 大蔵省営繕管財局
竣 工 年 : 昭和8年(1933年)
保 存 方 法 : 庁舎の一部保存活用。
(外観を改修保存。内部の旧大臣室、秘書官室等は復原保存。各階エレベーターホールは修復保存。)
そ の 他 : 旧大臣室及び秘書官室について登録有形文化財に登録